オペレーションズ・リサーチ
1997年度後期 期末試験
1998年1月13日実施
解答上の注意
問題1から問題4の4つの問題があります.(問題3と問題4は選択問題です.)解答用紙への記入はどのような順番でもかまいませんが,どの問題についての解答なのかは明記してください.
- 解答用紙には,必要かつ十分な解の導出過程も記述すること.
- 問題用紙は4枚あります.最後の一枚はメモ用の白紙です.問題用紙のホチキスははずしてもかまいません.
- 解答用紙は5枚綴じになっています.解答用紙のホチキスははずさないでください.裏面を使用してもかまいません.解答用紙が不足したら手を挙げて要求してください.
問題1
文教養豚所では,飼育している豚に3種類の栄養素A,B,Cを毎日ある必要量与えなくてはならない(一日の最低必要量以上であれば,多く与えるのは問題はない).
そのために最近発売された2種類の飼料P,Qの購入を検討している.それらのデータをまとめると以下のようになる.



このとき,以下の問いに答えよ.
- 総費用を最小にするような飼料P,Qの購入量を求めたい.この問題を定式化せよ.(実際に計算する必要はない.)
- 小問1で求められた線形計画問題の双対問題を求めよ.
- 小問2で求められた双対問題は,この問題設定に沿って想像すると,どのように最適化問題として解釈することが可能か.文章で簡潔に解説せよ.
問題2
文教工業では,原料A,B,Cから作られる2種類の製品P,Qを生産している.社長は,「オペレーションズ・リサーチ」と呼ばれるもので,総利益が最大になるような生産計画を作ることができると聞いてさっそく自分の会社でも取り組んでみることにした.まず,生産に関する様々な制約やデータをまとめてみると以下のようになった.

このデータを基に,製品Pの製造量をx1,製品Qの製造量をx2として定式化★し,スラック変数s1,s2,s3を導入して問題を正規化し,シンプレックス表を作成し,さらにシンプレックス法を適用したところ,以下のようなシンプレックス表が得られた.
(初期のシンプレックス表)

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(シンプレックス法終了時のシンプレックス表)

この時,以下の問いに答えよ.
この問題を,★印の時点の意味で,定式化せよ.最適な生産計画を答えよ.また,その時の総利益はいくらか.原料A,B,Cの限界価値を求めよ.この問題において原料の「限界価値」とはどのような意味を持つ概念か?簡潔に答えよ.小問(2)で求めた生産計画を行った時の,原料A,B,Cの増加限界を求めよ.この問題において各原料の「増加限界」とはどのような意味を持つ概念か?簡潔に答えよ.文教工業では新製品Rの販売を計画している.新製品Rは製品単位当たり原料Aを2トン,原料Bを2トン,原料Cを2トン各々使用して製造される.営業部門によると,新製品Rを売り出せば単位当たり250万円/トンの利益が見込めると報告が来ている.現在,小問(2)で求められた生産計画を実行しているとした場合,この新製品Rの製造販売を文教工業は新たに行うべきかどうか適切な提案を行え.
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以下の問題3と問題4は選択問題です.2つの問題のうち,少なくとも1つの問題を選択して解答してください.必須問題1,2と選択問題1つで100点になるように配点されています.両方解答した場合は,点数の良かったほうを選択した問題とみなし,残ったほうの問題の点数もある程度の範囲で総合点に加点します.(この場合,満点が100点を超えることになります.) |
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問題3 (選択問題)
飛行中に互いに空中給油可能な,性能の全く同じ飛行機が3機ある(1号機,2号機,3号機).
- 飛行機には1000キロリットルの燃料を積め込める.
飛行機の燃費は1キロリットル当たり1Kmである.
3機ある飛行機で協力して3号機だけをなるべく基地から遠くに飛ばしたい.ただし,1号機と2号機は基地に戻らなくてはならない.
どのような3機の飛行計画を立てればよいか.
定式化を行い,数理計画問題を解くことにより,具体的な飛行計画を提案せよ.
問題4(選択問題)
以下の線形計画問題を解きなさい.
