Campus Life

キャンパスライフ

教員インタビュー

国際理解学科 渡邉暁子先生のご紹介

 

  • まず、大学教員になりたいと思った理由について教えてください。

―私は大学や大学院の学生時代、学内外で多くの方々にお世話になったので、その恩を今度は私が社会に還元したいと思いました。研究成果を伝えるだけではなく、学生の世界を広げる手伝いができたらいいと考え、大学教員を志しました。

 

  • 現在の研究、大学教育のテーマについて教えてください。

―研究に関しては、東南アジアや湾岸アラブ諸国を中心に社会的マイノリティであるイスラム教徒(国の大多数がキリスト教徒だがイスラム教を信仰している人々など)の生き様に着目しています。その中で、彼らがどのように郷里から移動を余儀なくされ、新天地で生存するために文化を変えてきたのかを通婚や改宗を通じて明らかにしています。

大学の授業では開発学と文化人類学を教えています。国際協力という言葉は聞いたことがあるけど日本のODAや青年海外協力隊といったもののほかに、具体的なイメージが湧かない人も多いと思います。授業では学生と一緒に具体的な活動を通して、国際協力とは何か、またどういった課題があるのかを考えています。また、私のゼミでは毎年、夏季の長期休暇を利用してフィリピンに赴いています。現地の生活を体験するのはもちろんですが、都市部の貧富の格差や農村部のグローバル化の問題などのテーマで現場を見たり、スラムの住民、支援者、子どもたち、教職員、女性など現地の人びとからお話を伺ったりします。直接的な交流を通して、学生たちは、複雑に絡み合った社会問題についての見識を深めるとともに、英語や外国語を用いたコミュニケーション力を向上させています。

 

  • どういった学生を求めていますか。

―いくつかあります。まずは世の中の出来事に対して敏感で、広い視野を持ちたいと考えている人です。自分の好みの情報だけを得て満足するのではなく、多様な立場からの情報を、また、ニュートラルな姿勢で色々な人から意見を聞いて判断していけるようになってほしいです。また、問題解決のためにアクションを起こしたいと考えている学生も求めています。学生生活は長いようで短いため、自分にできることは何か、周囲と協力してどんなことができるか、実際に行動に移してみてほしいと思います。

 

  • 最後に学生に向けてのメッセージをお願いします。

―文教大学国際学部はイギリス、オーストラリア、アメリカ、スリランカ、ミャンマーをはじめとした多くの海外研修の機会を学生に提供しています。そして、教員と学生との距離の近さも魅力で、私たち教員は一人ひとりの学生に対し最大限の機会を提供したいと考えています。ですが、受身のまま自分から動こうとする主体性がないと、多くのことにチャレンジできません。そのために、ぜひ殻を破る姿勢を見せてほしいです。一緒に学びの場をつくっていきましょう。

 

国際理解学科 山田修嗣先生のご紹介

 

①大学教員になろうと思ったきっかけを教えてください。

―小学生のころから、研究という世界へのぼんやりとした憧れを持っていました。そして、高校2年生の時に社会学という学問があることを知り、学んでみたいと思いました。どこかの大学のパンフレットに、社会学は自由に色々な研究ができると書いてあったからです。社会学の本質などまったくわかりませんでしたが(あ、今なお本質などはつかめていませんけれど?!)、なぜかおもしろそうだと感じたのです。結局、その後も、ただ直感に頼りながら研究を続け、今にいたります。思いのほか、直感は大切だなと思います。

 

②研究内容と大学教育でのテーマを教えてください。

―企業、自治体、地域の人々の接点づくりについて研究しています。広い意味での「まちづくり」といえるかもしれません。文教大学湘南キャンパスがある茅ヶ崎市は、より良いまちをつくるために、市民と自治体が積極的にかかわりあう機会を提供しています。たとえば、「市民討議会」といった取り組みです。これは、さまざまな背景を持った人たちが参加し、意見交換を行う場です。私の研究室の学生も市役所の方々と一緒に企画に携わり、当日には会場で書記などを担当し、まとめの報告書執筆もお手伝いしています。このように、「現場」を体験することを通じて、多くの成長をすることができる、これが大学の学びのおもしろさだと思っています。

 

③国際学部に求めている学生について教えてください

―高校から大学へ進むと、学びの問いを自分で考えることが多くなります。高校までの基礎知識はたしかに大切ですが、むしろ、社会にたいする自身の関心をもとに考える場面が増えるはずです。ですから、自分の興味の幅をどんどん広げられる人は、4年間、楽しく勉強できるところだと思います。高校までは「教えられる側」だったみなさんも、大学では知識のやり取りが双方向に変化しますから、学生が教員に気づきを与えることも頻繁におこります。こういったスタイルを一緒に楽しめる人が、国際学部に来てくれることを願っています。

 

④最後に学生に向けてのメッセージをお願いします。

―社会や身の回りのことに興味を持つことが大事だと思います。自分ではないだれかとの接点、日常の些細なことがらでも良いでしょう。たとえば、友達との関係を思い返してみて下さい。不思議なことに、話さずともわかり合える人がいるでしょうし、自分とは全く違う考えを持っている人とも仲良くする機会があるはずです。なぜでしょうか? 国際学部では、こういったごく当たり前のことがらもヒントにして、話し合い、考えていく場所です。大学に入ったら、新しい自分になる挑戦をしたいと思っている人、国際学部ではそれが可能です。皆で一緒に、飛躍のためのチャレンジをしてみませんか。

国際観光学科 椎野信雄先生のご紹介

 

①大学教員になりたいと思った理由について教えてください。

―私が大学生のころは、就職協定はまだありましたが、就職活動の雰囲気が今と違って、大学での就職に対する取り組み具合も異なっていました。そうした時代背景と、卒業後に日本の会社・企業で働きたくないという自分の思いから、大学院に「入院」しました。「退院」後に大学に(研究職の)ポストがないのが当たり前の時代でした。大学の教員は、なりたいと言ってなれる職業ではなく、私自身、大学の教員になりたいと目指したわけではありません。結果として大学教員になれただけなのです。

 

②現在の研究、大学教育のテーマについて教えてください。

―専門領域は社会学です。その中でも近代社会以降に作られ、私たちが持っているあらゆる先入概念を当たり前だと思わずに、違う角度から物事を見ることに力を入れています。そうした視点から国家や性別、職業、教育、アートなどを研究しています。

大学教育に関して、ゼミでは主に現代社会で起こっている事象を捉えたドキュメンタリー映画を観たりして、ディスカッションをしています。そうすることで、今、世の中、世界、社会全体で何が起こっているのかを知り、ディスカッションを通じて、他の人の意見を聞き、自分の意見を持ち、それを発し、伝える力を養います。その際、ゼミ生の意見が先入概念に囚われている場合は私からその概念のアンラーンを勧めます。

 

③どういった学生を求めていますか。

―高校までの科目ごとの勉強を超えたことに興味を持つ学生に来てほしいです。今、皆さん高校生は学校から教えられる教科・科目(国語、算数、理科、社会、英語など)ごとの授業を受けていると思います。しかしながら、その学校型の教育では、科目と科目の間にある多くの答えのない問題について学ぶことができません。ですので、そうした科目間や科目の区分を超えた問題を発見して、自ら考えることに興味を持つ学生を求めています。

 

④最後に学生に向けてのメッセージをお願いします。

―現代社会は日本、海外問わず多くの問題を抱えています。そうした問題は往々にして正解のない場合が多いです。グローバル化が進んでいく中で、日本人が世界の問題の解決のために社会参加をしていくために、国際学部で答えのない問題に対して考える練習をしてほしいと思います。奥田孝晴・椎野信雄編『私たちの国際学の「学び」』新評論2015を読んでみませんか。

 

本日はどうもありがとうございました。