本書は比較教育の創始者であるパリのM-A.ジュリアン著(1817)『比較教育に関する著作の草案と予備的見解』の初の全訳書である。加えて、それから180年後に書かれたフランス比較教育学会会長による『比較教育』のテキストの翻訳である。フランスの教員養成のテキストとして執筆され、比較教育の有用性をフランス教育界に実証した。また、D.グルーおよびL..ポルシェ両者は、後にフランス比較教育学会を設立し、数多くの比較教育研究書を出版している。早期言語教育や外国人のためのフランス語教育研究に従事してきた二人だけに、同化主義に陥らないためにも比較研究と同時に異文化間教育の重要性を述べた上で、道具としての比較教育を提唱し、教員養成および教育学専攻生に対し必修科目とすることを奨励している。
1.なぜ比較教育か?
2.比較教育とは何か
3.歴史
4.比較教育の方法論は存在するのか?
5.比較教育による養成?
6.岐路に立つ異文化間教育
7.マスメディアと教育機関
8.比較教育:多様性的全体
9.交流の極めて重要な役割
10.世界における教育の「共通の場」
11.比較教育のいくつかの場
12.事例研究:エジプトにおける私立学校
13.比較教育の将来
マルク=アントワーヌ・ジュリアン著
比較教育に関する著作の草案と予備的見解