本書は文教大学文学部紀要等に発表された日本と中国の言語を中心にした研究を集めて編集を試みたものである。第I部で日本、第II部で中国、それぞれに関する研究成果を確認し、それらを受けて第III部では、両者の間の交錯に注目した研究を収めるという構成になっている。 第I部の日本語研究においては、中古形容語の語義、静岡の一方言のアクセント、動詞語幹の音配列のシステム、複文の従属節と主節モダリティの関わりが取り上げられる。第II部には、中国の古典翻訳・訳注に始まって、儒学者の研究と思想の連関の考察、近代日本の中国語テキストの分析が収められる。第III部では、中世日本文学への漢籍の影響が指摘される一方で、音訳日本語を収めた新たな中世中国資料が紹介され、最後は台湾からの留学生受け入れの問題や中国での日本語教科書の作成とその教育法について語られる。
著者たちは「文教大学文学部」に所属し、文教大学紀要への執筆をはじめ多くの著書を執筆している
I 日本の文化と言語
II 中国の文化と言語
III 文化の交錯と言語~日本と中国