1・はじめに

1-1 テーマ設定に至るまで

 研究テーマを決める際、外に出るということで興味のある場所を思い浮かべてみた。
その中で最も惹かれたのがこの「喫茶店」であった(この点については追々述べていきたいと思う)。
とはいえ、調査を始めるまではあまり喫茶店へ行く事はなかったが、
3年生になり心身共に多少の余裕が出来たことだし、本講義を通じて、改めて喫茶店について調べてみようと思った。

 加えて、喫茶店調査に踏み出す重要なきっかけとなったのは研究名にも使用した
「学生街の喫茶店」1973年に流行した曲(※)である。世間一般には「学生街」というと御茶ノ水や早稲田の
イメージが強いようだが、この曲名を使用したいので敢えて北越谷も「学生街」と呼ぶことにした。
この曲は簡単に言うと、学生時代に女の子と行った喫茶店について回想する…という内容である。
曲を聴くと「当時は学生街にも、もっと喫茶店があり賑わっていたのだろうか」
「この曲が流行した当時と現在では店や街、学生の様子も変わっているだろう」と、様々な考えが浮かんでくる。

 当初は研究として成立するのか、お店の人はインタビューなど応じてくれるのかなど不安が大きかった。
しかし、実際に現場に出てみると興味はぐっと広く・深くなっていった。
 喫茶するというごく日常的な行為や喫茶店という比較的身近な場の問題化…今回はその入り口ということで、身近な、北越谷の喫茶店について調査した。

<本調査の目的・方法>

@  喫茶店の変遷・現状を知る
A  喫茶店とはどのような存在かを考えていく
B  喫茶店という場を通じての大学生の変遷を知る。

                       ↓

     ・実際に店に行き、飲食しつつ観察。
 ・   ・さらに、店主や現役生・卒業生、教員などへのインタビュー。
     ・町内探索や、歴代の地図・広告を利用し独自の喫茶店地図を作成。

 

(※)「学生街の喫茶店」歌=GARO 詞=山上路夫/曲=すぎやまこういち

1972年6月20日に発売。当初はレコードのB面だったが、深夜放送で火がつき、同年12月にAB面を入れ替えて発売したところ大ヒット。73年の紅白歌合戦にも出場した。

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