演習2-8

文教システムでは,ある会社の会計処理システムのメンテナンスを行うことになった.そのメンテナンスに必要な作業と関連情報をまとめたのが以下の作業リストである.作業リスト中の短縮可能日数とは標準作業日数から何日短縮が可能かを示している.例えば,作業Aは標準では5日かかる作業だが,短縮可能日数が3日なので,最速だと2日で作業を終えることが可能である.短縮費用とは作業日数を一日短くするために必要な追加費用のことである.また,作業に必要な技術者数は日数が短縮されても変化しない.

表:会計処理システムメンテナンスの作業リスト

作業名 先行作業 標準作業日数 短縮可能日数 短縮費用 必要技術者数
A なし 5(日) 3(日) 16(万円/日) 2(人)
B なし 7 0 - 2
C A 4 3 12 4
D A 6 2 18 3
E B,C 5 4 14 1

以下の問いに答えよ.

(1)
このプロジェクトをアロー・ダイアグラムで表現せよ.
(2)
標準作業日数でプロジェクトが実行される時,プロジェクト完了時刻を求めよ.
(3)
標準作業日数でプロジェクトが実行される時,各作業毎の最早作業開始時刻,最早作業終了時刻,最遅作業開始時刻,最遅作業終了時刻,全余裕,自由余裕を示したPERT計算表を作成せよ.
(4)
1日だけプロジェクト完了時間を短縮したい.どの作業を短縮するのがもっとも経済的か.
(5) プロジェクト完了時間を短縮するための最小追加費用とプロジェクト完了時刻の関係を示すグラフを作成せよ.
(6) すべての作業を標準作業日数で行い,最早作業開始時刻に作業をはじめ,かつ,休み無しで作業を行った場合のスケジュールをガントチャートで示せ.この日程の場合,作業に必要な技術者の一日あたりの最大人数は何人か.
(7)

すべての作業を標準作業日数で行い,小問(2)で求めたプロジェクト完了時刻内でプロジェクトは完了させることにする.可能なら,作業開始後に休日を作ってもかまわない.作業に必要な技術者の一日あたりの最大人数をできるだけ少なくするスケジュールを策定し,ガントチャートで表現せよ.その日程の場合,作業に必要な技術者の一日あたりの最大人数は何人か.


2000年度 OR 中間試験 問題2より,作成:根本俊男(文教大学情報学部経営情報学科,nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp)