演習8-7

文教堂は音楽配信ビジネスを軌道に乗せた.そこで更なる業務の拡大をインターネット通信会社の文教ネットに相談してみた.その結果,ネットワーク利用に関する制限と費用に関して情報を得た.以下がそのやり取りの要約である.

 

文教堂の要求:
文教堂では都市Sにある本社から3つの都市1,都市2,都市3にある各支社に様々なデータを常時送り出している.業務の拡大に併せ,単位時間あたり1ギガ(G)バイトのデータを配信する体制を整えたい.つまり,本社からは単位時間あたり合計3ギガバイトのデータを常時送り出し,各支社は1ギガバイトのデータを常時受け取りたい.業務拡大なのでコスト増は仕方が無いが,できるだけ安くネットワーク配信体制の拡大を行いたい.
文教ネットの回答:
わが社が持っている回線網と各都市間の通信線を利用した場合の費用は下の図のとおりです.都市Sから各都市にはネットワークが張られてますので要望にはお答えできます.ただし,各都市間の通信線(枝)には,通信量の限界があり各通信線は最大で単位時間あたり1ギガ(G)バイト分しか提供できません.どの通信線を使うかは文教堂さんで決めて申し込んでください.

※ギガ(G)バイト:データ量の単位.

図:文教ネットが持つ通信網.枝の向き方向にしか通信はできない.各枝の側にある数字はその都市間の通信線の1ギガあたりの利用料金(単位:10万円)である.

 

以下の問に答えよ.

(1) 文教ネットの持つ通信網のグラフを隣接行列,接続行列,リスト表現の3通りで表現せよ.
(2) 仮に文教ネットの通信網の各都市間の通信線(枝)に通信量の制限が無かったとすると,文教堂はどのようにネットワークの利用を申し込めば利用料金が安く済むか提案せよ.
(3) 実際は,各都市間の通信線(枝)には,単位時間あたり1ギガバイトしか送信できないという制限がある.この場合,文教堂はどのようにネットワークの利用を申し込めば利用料金が安く済むか提案せよ.
(4) 文教ネットのネットワーク施設改善により,通信量の限界が各通信線とも2ギガに増強された.文教堂はネットワーク利用をどのように変更したらよいのか.あらためて,利用料金が最も安くなるネットワーク利用を提案せよ.

2000年度OR期末試験問題2より(作成:根本俊男,文教大学情報学部経営情報学科,nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp)