問題1 小計50点
PERTにおいてアローダイアグラムの書き方からCPMによる作業日程の経済的な短縮計画の導出まで講義で行った内容を網羅する問題である.作業リストからアローダイアグラムを描く作業が間違えたために,その後の問題すべてに影響してしまった人が数名いたのが残念である.試験中に「もう一度アローダイアグラムが正しいかどうか確認しなさい」という忠告を真摯に受け止めて欲しかった.概ねPERT関しては理解ができているようでクリチィカルパスの導出までの作業は多くの人ができていた.しかし,CPMに関しては理解があいまいなようで少しバリエーションを加えただけなのに戸惑った人が多かったようだ.CPMの復習が望まれる.
(1)10点
冗長な枝が残っている(-1点)
意外と冗長な枝が残っても平気な人が多い.確かに本質的には冗長な枝が残ってもその後の考察には影響はないのだが,無用な情報を残すのはなるべく少なくする癖は付けて欲しい.
イベントの番号が抜けている(-1点)
トポロジカルオーダーは覚えているのにイベントに番号を付けていない人が数名見受けられました.
(2)5点
さすがにほとんどの人ができてましたね.
(3)10点
ほとんどの人は全余裕・自由余裕まできちんと理解できているようである.しかし,残念なことに,全余裕が自由余裕より短い時間で解答していた人がいた.論外である.
(4)5点
全余裕が0の作業がクリティカルパス上の作業であるという事実が大切.アローダイアグラムから目で探し出した形跡のある解答もありましたが,今回は見過ごしました.
(5)5点
理由がない(-3点)
CPMの作業に入る前の準備運動的な問題です.「クリティカルパス上の作業」で「最小コスト」という二つの理由を明示してあるのがポイント.
(6)15点(導出過程:10点,短縮されたプロジェクト完了時刻と費用の関係のグラフ:5点)
アローダイアグラム上にはカットはたくさん存在するが,短縮不可能な枝がクリティカルパス上に何本か存在するので,実質意味のあるカットは数本しかないのがポイント.その点に気づけば,講義の演習問題より手軽に最小カットが見つけられる.一番最後のカットは逆向き枝を含むカットとなる.逆向き枝を含むカットを見つけられずに減点された人が意外と見受けられた.この問題に対して最後まで本質的に正しく解答できたのは2-3名であった.理解はできていると思われる解答が多くあったのに残念である.時間不足だったのだろうか?
問題2 小計25点
昨年は探索方法に関する内容を出題したので,今年は試験直前の内容(グラフ・ネットワークの表現)をそのまま出した.グラフ(ネットワーク)の表現方法はコンピューターで何かやる時に意外と役に立つので頭の片隅に残しておこう.
(1)5点
(2)10点(隣接行列:5点,リスト表現:5点)
行列は( )でくくるのが約束(-1点)
リストの配列部分の表現ができていない(-1点)
ポインターの表現ができていない(-1点)
(3)10点(強連結成分分解:5点,Hasse図:5点)
Hasse図の導出がほとんどできていませんでした.冗長な情報の枝の削除,半順序に従って垂直方法にならべるという2点がポイントなんですよ.
問題3 小計25点
3機械の時のジョブショップ・スケジューリング問題である.その点に気づけばジョンソン法を適用すれば後は自動的に解決できる問題なのだが,3機械の場合ジョンソン法が適用できる場合とできない場合があったはずである.その点の考察がない場合は減点とした.
(1)15点(ジョンソン法が適用できる条件の明示:3点,3機械の時のジョンソン法の正しい適応:7点,最適加工順:5点)
(2)10点(ガントチャート:5点,最小加工時間:5点)
ほとんどの人はガントチャートを理解しています.焦ったのか,合成機械のままガントチャートを作成した人もいましたが,合成機械はあくまでも最適加工順の導出のために用いた便宜的なものですので,元の機械でガントチャートを書きそう加工日数を算出しないとだめどすよね.
問題作成時の予想通り平均点が60点を少し超えるくらいになりました.内容的にも,理解している人は確実に点数が取れ,理解が中途半端な人はそれなりの点数になったようで,本人の到達度を測るテストとしては良い問題だったと思います.ただ,90点代の人がいなかったのが残念です.期末テストに期待しましょう.
試験日:1998年5月26日 11:00-12:30
教室:6105教室
受験人数 47人
総合 | 問題1 | 問題2 | 問題3 | |
平均点 | 62.57447 | 31.38298 | 13.21277 | 17.97872 |
最高点 | 87 | 49 | 20 | 25 |
最低点 | 28 | 1 | 0 | 0 |
分散 | 187.8585 | 94.76318 | 31.43201 | 41.15171 |
標準偏差 | 13.70615 | 9.734638 | 5.606426 | 6.41496 |
得点区間(以上,未満) | 頻度(人) | ![]() |
|
0-5 | 0 | ||
5-10 | 0 | ||
10-15 | 0 | ||
15-20 | 0 | ||
20-25 | 0 | ||
25-30 | 1 | ||
30-35 | 1 | ||
35-40 | 2 | ||
40-45 | 2 | ||
45-50 | 1 | ||
50-55 | 5 | ||
55-60 | 7 | ||
60-65 | 6 | ||
65-70 | 9 | ||
70-75 | 5 | ||
75-80 | 4 | ||
80-85 | 2 | ||
85-90 | 2 | ||
90-95 | 0 | ||
95-100 | 0 |
更新日 98/05/27
名前 Toshio Nemoto
電子メール アドレス : nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp