工程計画と計算量の話題を絡めた問題.講義で列挙解法(素朴な方法)ではとてつもない時間がかかることを実感できていれば易しい問題ですね.
(1) (10点) 2機械のフローショップ問題のモデルを理解できていれば簡単.
(2) (5点) 階乗の話を理解してた人には簡単だね.
(3) (10点:品数が大きくなると列挙する数が膨大になる事実で5点,コンピューターを用いても実用的な時間で処理できない事実で5点) 大半の人は大方理解しています.ただ,どのような状況になると○○を使ってでも手におえなくなるということについて具体的な記述がない場合はそれにあわせて減点しました.
(4) (15点:ジョンソン法を正しく動かしていたら10点;総経過時間を正しく求めて5点)
昨年度に続いてPERT/CPMに関する総合問題で出題.文章から正しく作業リストを作れれば,あとは流れるように解答できたはず.小問(5)はどんな理由で作業割当を行なっても不正解にすることはできない,正しい答えはない問題.このような問題はORが高校までの数学の問題のようにいつでも正解があると勘違いしている人には混乱を生じさせたようだ.ORでは必ずしも正解がない中で,いかに良い提案を行なうかが醍醐味であることを思い出して欲しい.今学習している手法は良い提案を見つけるための道具の一つに過ぎない.
(1) (10点) 作業の制約を正しく理解できなかった人がチラホラ.日本語の理解力の問題なので特にコメントなし.
(2) (5点) アローダイアグラムができていれば簡単.
(3) (5点) 問題では求められていないがPERT計算表を作成することが肝心.導出方法が怪しげな(目で探したような)解答もあったが甘く採点.
(4) (5点) クリティカルパスも正当性を持たせるためにはPERT計算表から求めよう.
(5) (10点:理由の明示5点;日程の提案5点)
(6) (5点) これはCPMで解析を行なう準備段階.クリティカルパス上の作業+最小費用の二つの事実の明示が必要.
(7) (20点:CPMの技術を理解している5点;CPMを正しく実行している10点;グラフによる提案5点) 中間テストのメインの問題.アローダイアグラムのすべてのカットを検討すると手におえないが,短縮不可能な作業の枝を考慮して,問題を再検討すると,考えるべきカットは4種類のみに限定でき,意外と簡単にCPMの実行が可能になる.途中逆向き枝を含むカットが最小カットになるので,再延長される作業が出てくるのが二つ目のポイント.
問題別得点データ | 問題1 | 問題2 | ![]() |
|
40点満点 | 60点満点 | |||
点数 | 人数 | 人数 | ||
0 | 0 | 0 | ||
5 | 0 | 0 | ||
10 | 0 | 0 | ||
15 | 0 | 0 | ||
20 | 1 | 0 | ||
25 | 1 | 0 | ||
30 | 5 | 1 | ||
35 | 17 | 2 | ||
40 | 17 | 9 | ||
45 | 13 | |||
50 | 6 | |||
55 | 4 | |||
60 | 6 | |||
平均 | 35.0点 | 45.1点 | ||
最高点 | 40点 | 60点 | ||
最低点 | 20点 | 27点 |
点数 | 人数 | ![]() |
|
60点以下0人 | |||
60 | 0 | ||
65 | 4 | ||
70 | 3 | ||
75 | 4 | ||
80 | 12 | ||
85 | 6 | ||
90 | 5 | ||
95 | 5 | ||
100 | 2 | ||
受験人数 | 41人 | ||
平均点 | 80.1 | ||
最高点 | 99 | ||
最低点 |
62 |
1999年5月31日作成 | ![]() |
試験対象:主に経営情報学科2年 | |
1999年5月28日試験実施 | |
根本 俊男(情報学部経営情報学科) | |
nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp |