試験内容は、演習問題で取り組んだ問題をベースにし多少状況を変化させた問題(問題1)、演習で取り組んだ問題そのもの(問題2)、数理面での基礎的内容の確認(問題3)の3題で構成した.どれも一度は触れた問題だったので取り組みやすかったはずである.問題2と問題3は標準的な理解で完全に答えられるはずの問題である.問題2と問題3への配点60点を総合点で越えなかった人は、講義での理解不足かつ/または日々のトレーニング不足を疑ってほしい.
基礎データ | |||
実施日 | 1999年11月9日(火曜日) 1時間目 | ||
実施教室 | 6319教室 | 最高点 | 73点 |
受験者数 | 38名 | 最低点 | 23点 |
満点 | 100点 | 平均点 | 52.3点 |
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点数結果としては予想より低く残念。ただ各人の理解度チェックには良い問題であったと思う.
演習で取り組んだ飛行機を遠くに飛ばす問題の変種である.戦略としては「A機を基地に戻す」パターンと、「B機を基地に戻すパターン」しかない.おのおのパターンでの咲いてきた飛行計画を算出し比較すればよい.燃費の概念をしっかり表現できない人が多かったのは驚きである.様々な式で混乱しそうなときは変数や式に単位をつけて区別していくのもひとつのコツである.予想以上に出来具合が悪く残念.
(1) | 15点 (定式化:10点、解の導出:5点) |
定式化の方法は問題をどのように捉えた方により人によって様々である.きれいな表現(私の美的感覚で)をする人もいるし、そうでない人もいます.ただ、どんな表現だろうと、問題の本質を表現していたら当たりです!利用した変数の説明が無い人がちらほら.モデルを人に説明するときの礼儀ですよ.お忘れなく. |
(2) | 25点 (問題を解く全体像:10点、残ったパターンの定式化:5点、残ったパターンの最適解の導出:5点、問題全体の答え:5点) |
戦略のパターンをすべて列挙して、それらの戦略の最適な計画を導出し、それらを比較し全体の最適解を提案する全体像の説明が大切.ひとつの戦略の最適な計画の導出は燃費の意味さえしっかり了解していれば簡単である.2変数の線形計画問題なので図を利用して導ける. |
問題1 試験結果データ |
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満点 | 40点 | |
平均点 | 6.4点 | |
最高点 | 27点 | |
最低点 | 0点 | |
演習問題で取り上げた問題をそのままコピーして出題.これができなかった人は演習態度を反省しよう(^.^).ただ、演習では定式化のみ(つまり(1)だけ)しか取り組まなかった.ほかの問題は最適解の導出までして解説しましたが、この問題だけ最適解の導出は自分でやってほしいと言っていたのですがやってましたか?
(1) | 10点 | 演習問題を思い出そう.数理モデルで表現できる問題の基礎演習だよ. |
(2) | 10点 |
原点が実行可能解の端点に無いので、シンプレックス法では簡単に初期の基底解を見つけることができない.ここは、シンプレックス法にこだわらず |
問題2 試験結果データ |
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満点 | 20点 | |
平均点 | 14.6点 | |
最高点 | 20点 | |
最低点 | 0点 | |
線形計画法に対する3つの手法の理解を問う問題.計算の手間が極力少なくなるように問題を作ってあるので、計算が苦手…という言い訳は無しですよ.満点を取れなかった人は、後半の講義のために復習しておこう.特に、シンプレックス法は重要です.また、どんな手法を用いても最適解と最適値は同じはず.各小門で答えが異なるのは変だという事には気づいてほしい.そこからエラーも発見できる問題になっている.
(1) | 10点 | ほとんどの人ができていました. |
(2) | 5点 | 目的関数の最小化なので、目的関数の法線ベクトルの向きと反対の方向にスライドさせていくんだよ.逆方向にスライドさせて原点を最適解とした人がちらほら.完全な勘違い。 |
(3) | 5点 | 目的関数の標準形への変形もひとつのポイント.ほとんどの人ができていました. |
(4) | 10点 | 変数が5つで方程式が3本なので基底変数として3つ選ぶ組合せをすべて列挙するのがポイント.10通りあるはず. |
(5) | 10点 |
(4)の総当り法はできなくてもシンプレックス法はできたようです.計算ミスがあってもやろうとしている挙動が正しければ点数を出しています. |
問題3 試験結果データ |
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満点 | 40点 | |
平均点 | 31.3点 | |
最高点 | 40点 | |
最低点 | 10点 | |
1999年11月9日作成 | ![]() |
試験対象:主に経営情報学科2年 | |
1999年11月9日試験実施 | |
根本 俊男(情報学部経営情報学科) | |
nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp |