演習10

文教産業ではある特殊部品の販売を行っている.特殊部品は毎月の月初めの営業日に発注する定期発注法で管理している.発注された特殊部品は翌月月末の営業日に納品され,翌々月の月初めの営業日に販売可能である.たとえば,4月の月初めの営業日に400個の特殊部品を発注したとすると,5月の月末の営業日に納品され,6月最初の営業日から販売が可能になる.

さて,今日は10月の月初めの営業日である.今年の1月から9月までの期首在庫の変遷,発注状況,需要状況は以下の表1のようになっている.特殊部品の保管にはコストがかかるので,多くの在庫を抱えることはコスト増を招くので困るが,品切れが起きるのも困る.特殊部品の需要状況は今後もしばらくの間は大きな変化は無いと考えられる.なお,期首とは月の最初の営業日開始前の時点を指す.

表1:1月から9月の在庫量・発注量・需要量の記録(単位:個)

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
期首在庫量 1400 807 678 948 935 726 803 658 610  
期首発注残 0 500 900 600 400 700 500 600 800  
発注量 500 900 600 400 700 500 600 800 400  
需要量 593 629 630 613 609 623 645 648 590  

以下の問いに答えよ.

(1) 10月の期首在庫量,期首発注残を求めよ.
(2)
過去9ヶ月のデータから,10月の需要量を推定せよ.
(3) 過去9ヶ月のデータから,需要量の標準偏差を推定せよ.
(4) 在庫切れの危険性を4%以内に押さえたい.今回の発注量を提案せよ.なお,必要であれば正規分布表を利用せよ.

2001年度生産管理論期末試験問題2より
作成: 根本 俊男(文教大学情報学部経営情報学科)
  e-mail: nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp
実施: 2001年12月14日