卒業論文



湘南台駅発文教大学行バス運行ダイアプランの作り方


         経 営 情 報 学 科   4年   97p21159 三 浦 麻 貴


1章 はじめに


 学校に行くのが面倒くさいと思い幾度か学校を休んでしまったことがある。 その原因の一つにバス通学であることが上げられる。文教大学に行くには神奈川中央交通が 運営している大学行きのバスに乗らなければならないのである。 しかし1、バスの乗り降りの際の待ち時間 2、混雑する車内 3、発着時間が正確ではない事が 私の通学を苦痛なものにしている。
 上記の3つを解消し快適な通学ができるようなバスの時刻表を作ることはできないだろうか と考えたのである。


2章 現状


授業の始まる30分前になるとバス停には長い列ができている。学校までの 道のりがバスで平均20分から25分くらいある。その為、授業に遅れないで行くには 20分から30分前に発車するバスに乗らなければならないのである。よって その時間帯に出発するバスに殺到してしまう。そのバスに学生は押し詰められ 窮屈なまま学校までの道のりを過ごすことになる。 そして、道路の混み具合や各停留所での乗降数により大学に到着する時間が、予想以上に時間が多くかかってしまうこともある。 降りる時にも運賃後払いである為、時間がかかってしまう。
 詰め込みすぎのバスというのは乗車中の居心地の悪さに加え、降りる時にも待たされてしまうことになる。 言い換えると車内が空いていればすぐに降りることができるのだ。どうにかして待たずに詰め込まれない バスの運行の仕方はないだろうか。

 

 2-1 現在の運行状況


  平日は始発7時35分、最終19時45分とし一日約12時間の運営時間内に合計で71台の本数が 走っている。土曜日は平日と始発は同じであるが最終が19時30分で一日合計が69台、日曜日は 学校での授業がないこともあり一日に33台しか本数はない。(下記の図参照)一番多く利用されている バスの座席数は約30席弱である。
   ●湘南台駅発文教大学行の時刻表
平日 土曜日 休日
7 35 35 35
8 05.20.28.35.40.44.46.48.50.52.56 27.32.38.40.44.46.48.50.52.55 35
9 02.05.10.17.30.37.47.55 00.05.09.17.30.35.40.45.55 00.34.47
10 05.10.16.24.30.32.38.48 05.13.20.26.28.30.32.35.45.56 05.15.25.45.57
11 00.15.38 05.15.27.45.55 15.42.50
12 00.30.45.57 07.25.36.53 05.30.50
13 15.25.40.50 10.28.50 10.30.45
14 05.15.25.35.43.55 05.15.27.35.40.50.57 05.30.40
15 15.18.30.43.58 05.25.30.38.48.55 05.50
16 05.11.16.20.27.38.44.56 05.10.15.25.33.51 15.40
17 12.25.37.50 05.20.40.55 05.17.45
18 00.05.10.20.30.45 14.30 15.30.40
19 05.20.45 10.30 10

 2-2 利用者の状況


文教大学の授業は下記の図のような開始時刻になっている。 学生はできれば授業の開始前にできるだけ近い時間に大学に着くバスに乗ることを 希望する。 よって授業が始まる20分から30分前に出発するバス2・3台に乗客が 集中する。
●授業の時間
1時限目 9時20分から10時50分
2時限目 11時00分から12時30分
3時限目 13時20分から14時50分
4時限目 15時00分から16時30分
5時限目 16時40分から18時10分

3章 提案

1章で挙げた原因の3つのうちの1つでもある「3、発着時間が正確ではない」は、道路の混み具合や各停留所での乗降数による交通事情 とし、今回の研究では考えないものとする。
また降りる際に時間がかかってしまうという問題は バスが空いていればすぐに降りられるということだから、このダイアプランができるとするとそれも解決できると 考える。 まず、不満を解消するにはどうすればよいか。
スクールバスにする、または本数を増やすのが一番良いのではないか。 という考えがすぐに浮かんだ。しかし実際にその様な事が可能ならば、すでに行っている のではないだろうか。私が学生課に問い合わせてみると、経済的な問題があり今の現状が改善された上での運行なのであるということであった。 それならば、本数を変えるのではなく走らせるタイミングを変えてみてはどうか。
それが私の提案の根である。

 

 3-1 提案1


   行列を作らない為にはどうすればよいか。来る人に対して対応するバスがあればいいのである。
そこでバス停に集まってくる人に比例してバスの本数も多く出発させることを考えた。 現在の一日の運行本数平日71台を変えず、そして利用者に不都合なく出発するバスをシミュレーションしてみる。
まず最大乗車人数をX人とする。そしてX人バス停に人が集まったら出発する。しかし人数が集まるまで 出発できないとなると何十分待ってもX人にならない場合、利用者に不都合が生じてしまう。 そこでX人集まらなくても最大待ち時間T分待てば、たとえX人に達していなくても出発するという事にする。 このような最大人数X人または最大待ち時間T分を満たせば出発する形式を文教大学行方式とする。  最大人数はバスの座席数が30弱ということから30人から50人の間で、最大待ち時間は利用者に不都合が 生じない程度の10分から20分とだいたいの範囲を絞り込んだ。

4章 シミュレーション

 バス停に人が並んでいく到着時間を乱数を発生させ用いる。そして最大人数Xと最大待ち時間Tの 組み合わせを考える。Excelを使い実際にシミュレーションをしてみる。 まずExcelを発生させる時の時間を分類する。駅から大学までにかかる時間が約20分から30分なので 授業の開始30分前に混雑が見られる。1時限から4時限までの30分前とその他の時間の2つに分けた。 5時限は授業数も少ないことから今回は混雑時とはしない事にした。そして学生に合わせる為、通学時間の 8時から17時までと限定して注目した。

混雑時とその他の時間で到着率を変え乱数の発生させ方に違いをつけた。混雑時は到着率を400(1時間に400人) とし、その他の時間は到着率を100(1時間に100人)と設定した。この到着率は授業の受講者数[1]と学生課が調べた 乗車人数[2]を参考に決めたものである。この人数と時間設定で一日の流れをシミュレーションしてみた。

 4-1 実験1


 Excelで発生させた乱数をバス停に来た乗客として30人集まり次第出発さた。その他にも35人、40人、45人、50人 と5人ごとに手作業でバスを動かしてみた。一方で10分経ったら出発させ11分、12分、13分と1分ごとに20分まで も実際に手作業でバスを動かしてみた。  

5章 結果

 最大人数と待ち時間の組み合わせで利用者を待たせないで出発できるのは最大人数30人と待ち時間13分 ということになった。  これを提案1で定めた文教大学行方式に当てはめてみるとバスは30人集まり次第出発し30人集まらなくても 13分経ったら出発することになる。

 8時から17時の間で実際には61本走っているのですがこの結果では51本ですんでしまった。結果だけで考えると 効率よく走らせることが出来たことになると思うが、今回の学生の都合で走らせた実験ではモデル(対象者)が 違うのであまり正確な比較にはならない。しかし文教大学行方式を使用すると学生にとっては待たされても13分で すみ、その他の時間は特に混雑時には実験結果から5分おきぐらいに出発できるということになった。上記のことによりそれほど時間を気にせずに通学ができ気持ちが楽になったのではないかと 考えた。

6章 終わりに

 今後は時間分けを授業が始まる30分間とその他という2つではなくもっと細かく分類し 、バス停に集まる人数をシミュレートしてみる。そして最大人数と待ち時間も更に 細かく組み合わせを考えることによって現実により近づけることが出来るのではないかと 考えました。

謝辞

卒業研究に取り組む私を最初から最後まで温かく見守り、そして支えて下さった根本先生や 根元ゼミの4年生の皆様に深く感謝いたします。そして一生懸命に手助けをしてくれた3年生にも 同じく感謝いたします。本当にありがとうございました。

参考文献

[1] 教務課調べによる「時間別授業の受講者数」

[2] 学生歌調べによる「湘南台発の乗車人数と時間」