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釣り銭準備計画

”より最適な釣り銭の準備法”


文教大学 情報学部 経営情報学科 4年
横田 友平


〜目次〜

第1章 はじめに
第2章 現状と問題点の把握
第3章 最適とは
第4章 実験へのアプローチ
第5章 モデルの設定
第6章 過去の売上データ
第7章 実験.1
第8章 実験結果.1
第9章 実験結果の検討.1
第10章 原因の解明
第11章 データの修正
第12章 実験.2
第13章 実験結果.2
第14章 実験結果の検討.2
第15章 今後の課題
第16章 謝辞
第17章 参考文献



第1章. はじめに

現在、シューズセンターでアルバイトをしているが、現状の釣り銭の準備法に不満を感じ、それよりも最適な準備法があるのではないかと考えている。そこで、過去に行われたセール時の様々な売上データをもとに研究し、最適案を提案しようと考えた。
この論文での、私が考える”最適”というものは、準備した釣り銭の枚数が最後には±0枚になる枚数、つまり、準備した釣り銭を使いきる枚数のことであると考えている。しかし、現実的にはほとんど無理に近いことなので、多過ぎず、少な過ぎない枚数、つまり、±0枚に近ければ近い程、最適であると考えている。

そこでは、恒例で月に一度、販売促進として”大規模なセール”を行っている。当然、普段に比べ、大幅に集客が増し、また、売上も”何百万円”という桁外れな数字になるので、もちろん釣り銭は普段よりも多く準備しなければならない。しかし、ただ単に多く準備すれば良いというものではない。多過ぎず、少な過ぎず、釣り銭を準備しなければならない。では、一体いくらの釣り銭を準備すればよいのだろう?そこで、今、話題にもなっている”消費税5%還元セール”という名の架空のイベントを作り、それを”釣り銭準備計画”として進めていく。

以下の論文としては、第2〜6章が実験までのアプローチで、第7章が実験1で、第8.9章が実験結果1と検討1で、第10.11章が原因の解明とデータの修正で、第12章が実験2で、第13.14章が実験結果2と検討2で、第15章が今後の課題となる。

はじめに、実験へのアプローチとその結果としては、実際にセールが行われるようにお金の増減を調べる為、過去に行われたセール時の様々な売上データ(売上,件数,点数,etc)をもとにEXCELを使ってシミュレーション実験をした。その結果、ある程度満足のいく釣り銭準備枚数を提案することが出来た。



第2章. 現状と問題点の把握

現状では、過去の売上データ(売上,件数,点数,etc)をもとにした具体的な計算による釣り銭金額の設定などは何もせず、過去の釣り銭準備金額を参考にする程度で、ほとんど経験則だけで準備している。しかし、毎回売上などが一定であるとは限らないので、過去の釣り銭準備金額だけを参考にして設定するのは、あまりにもリスクが高過ぎるのではいかと考えている。この方法が最適と言えるのだろうか。

よって、問題点としては、現状の準備法で今まで何の問題もなかったが、ほとんど経験則だけで準備している為、確実さが欠けると言えることである。また、毎回セールごとにきちんと計算をして、釣り銭準備金額を設定しなければいけないのではないかと考える。



第3章. 最適とは

この論文での、私が考える”最適”というものは、準備した釣り銭の枚数が最後には±0枚になる枚数、つまり、準備した釣り銭を使いきる枚数のことであると考えている。しかし、現実的にはほとんど無理に近いので、多過ぎず、少な過ぎない枚数、つまり、±0枚に近ければ近い程、最適であると考えている。



第4章. 実験へのアプローチ

そこで、実際にセールが行われるようにお金の増減を調べる為、過去に行われたセール時の様々な売上データ(売上,件数,点数,etc)をもとにEXCELを使ってシミュレーション実験をする。



第5章. モデルの設定

まず、実験のもととなるモデルとして、以下のように設定した。

  • 釣り銭は、必ず大きい金額の札・硬貨の順に使って返金する。
    (例えば、お釣りが9円だとしたら、5円玉を1枚、1円玉を4枚という形で必ず返金をしなければならない。5円玉が少なくなってきたからといって、5円玉を使わず、1円玉を9枚で返金をするなどというようなことは決して出来ない。)

  • 会計時に、小銭で払ってもらうような要求はできない。
    (例えば、10円玉が少なくなってきたからといって、お客さんに10円玉を多く使わせるなどというような支払い方の要求は出来ない。)

  • もし万が一、営業中に釣り銭が足らなくなったとしても、銀行へ両替をしに行く事は出来ない。
    (両替をしに行けるのは、営業開始前までである。)

  • 実験時に使用される確率は、自らが設定したものを用いる。
    (これまでのアルバイト経験をもとに、おのおのの確率を設定した。)

  • 支払い時に、お客さんが使用してくるとおもわれる札・硬貨の枚数を、あらかじめ以下のように制限しておく。(表1)
    (こうするのとによって、支払いパターンに制限ができ、複雑にならない。例えば、千円札は4枚以下なので、もし、支払いが6,000円の場合、千円札が6枚という支払いパターンはあり得なくなるのである。)


    表1. 札・硬貨の制限枚数
    札・硬貨の種類 制限枚数(枚以下)
    五千円札
    千円札
    五百円玉
    百円玉
    五十円玉
    十円玉



    第6章. 過去の売上データ

    実際に実験する前に、過去に行われたセール(6回分)の時の売上データを、表2-1のようにまとめた。

  • 件数・・・その日1日に買ったお客さんの総人数。

  • 点数・・・その日1日に売れた靴の総足数。

  • 1人当たりの点数・・・点数を件数で割ったもの。


    表2-1. 過去の売上データ
    日付 売上(円) 件数(件) 点数(点) 1人当たりの点数(点)
    6月6日(土) 4,929,733 388 821 2.1
    8月2日(日) 3,164,198 530 828 1.6
    9月5日(土) 5,909,181 693 1,212 1.7
    9月13日(日) 4,273,542 587 980 1.7
    10月11日(日) 4,562,150 582 880 1.5
    11月7日(土) 4,732,869 467 804 1.7

    (小数点第2位以下四捨五入)


    そして、表2-1を平均してまとめると、表2-2のようになる。

    表2-2.
    売上金額(円) 4,595,278
    売上件数(件) 541.2
    売上点数(点) 920.8
    1当たりの点数(点) 1.7

    (小数点第2位以下四捨五入)


    また、値段別の売上TOP5は、表3のようになる。これは、これまでのアルバイト経験をもとに自らが設定したものである。

    表3. 値段別の売上TOP5
    順位(位) 値段(円)
    1,000
    980
    2,000
    3,900
    9,800



    第7章. 実験.1

    では、第6章のデータを使って、実際に実験してみる。

  • 表.1

    (これまでのアルバイト経験をもとに、おのおのの確率を設定した表が見れます。)


  • 実験.1

    (表1をもとにシミュレーション実験をした結果が見れます。)



    第8章. 実験結果.1

    表4. 実験結果.1
    札・硬貨の種類 五千円札 千円札 五百円玉 百円玉 五十円玉 十円玉
    必要枚数(枚) 1.7 323.9 0 4.2 0 5.4

    (小数点第2位以下四捨五入)


    という結果になった。



    第9章. 実験結果の検討.1

    果して、この結果が最適なのだろうか?私は、最適ではないと考えている。それは何故かというと、各札・硬貨の必要枚数に、あまりにもバラツキがあり過ぎると考えるからである。また、必要枚数が”0枚”というのはそんなにあり得ないし、全体的に、必要枚数が少な過ぎると考える。これでは、すぐに釣り銭が足らなくなってしまだろう。



    第10章. 原因の解明

    原因としてまず1つ目には、実験時に使用された確率の設定にあると考えられる。また、2つ目には、値段別TOP5の設定にあると考えられる。これら2つは、これまでのアルバイト経験をもとに設定したもので不適切であった為、今回の実験結果にバラツキが出てしまったのだと考えられる。よって、きちんとしたデータをとり、それをもとに設定し直し、再度実験したいと思う。



    第11章. データの修正

    ある日1日の売上データ(表5-1)をとり、それをもとに値段別売上TOP5を作り直した。

    表5-1. ある日1日の売上データ
    件数(件) 116
    点数(点) 198
    1人当たりの点数(点) 1.7


    値段別の点数の内訳は表5-2のようになる。

    表5-2. 値段別売上データ
    順位 (位) 値段(円) 点数(点)
    1,980 42
    2,980 37
    5,900 23
    9,800 16
    13,800 11
    6以下 1〜5位以外の値段全て 69

    よって、表5-2が真の”値段別TOP5”になる。


    また、より正確な確率を設定する為に、値段別TOP5に重みをつけたものが表6になる。

    表6. 値段別TOP5と重み
    順位 (位) 値段(円) 重み
    1,980
    2,980
    5,900
    9,800
    13,800


    表.6の重みを各値段の組み合わせパターン(1点、2点の場合)にあてはめると、表7-1、2のようになる。

    表7-1. 各値段の組み合わせパターンと重み(1点の場合)
    値段 1,980 2,980 5,900 9,800 13,800
    重み

    例えば、1,980円の商品を1点買う場合の重みは1になる。


    表7-2. 各値段の組み合わせパターンと重み(2点の場合)
    - 1,980(1) 2,980(2) 5,900(3) 9,800(4) 13,800(5)
    1,980(1)
    2,980(2) -
    5,900(3) - -
    9,800(4) - - -
    13,800(5) - - - - 10

    例えば、1,980円(重み1)と2,980円(重み2)の商品を2点買う場合の重みは、加算して3になる。
    よって、この重みが小さければ小さい程、確率は大きくなるというわけである。

    この重みをもとに、確率を設定し直す。



    第12章. 実験.2

    では、新しいデータがそろったので、再度、実験してみる。

  • 表.2

    (新しいデータをもとに、おのおのの確率を設定し直した表が見れます。)


  • 実験.2

    (表.2をもとに、再度シミュレーション実験をし直した結果が見れます。)



    第13章. 実験結果.2

    表8. 実験結果.2
    札・硬貨の種類 五千円札 千円札 五百円玉 百円玉 五十円玉 十円玉 五円玉 一円玉
    必要枚数(枚) 91.6 399.2 83.5 436.2 89.5 286.7 86.0 301.6

    (小数点第2位以下四捨五入)


    という結果になった。
    今回の実験結果にもバラツキが出てしまったが、これは、札・硬貨の種類によって返金枚数がそれぞれ異なるからである。例えば、五千円札,五百円玉,五十円玉,五円玉は、返金枚数のパターンが1枚だけであるが、千円札,百円玉,十円玉,一円玉の返金枚数のパターンは、1〜4枚になる。したがって、実験結果にこのようなバラツキが出るのである。



    第14章. 実験結果の検討.2

    果して、この結果が最適なのだろうか。私は、実験は完成したし、結果にもある程度ではあるが満足している。しかし、まだ最適ではないと考えている。それは何故かというと、実験の内容が、まだ現実味に欠けていると言えるからである。



    第15章. 今後の課題

    よって、今後の課題としては、”より現実的に!”をキーワードに、より現実に近いシミュレーション実験をしたいと考えている。その為には、

  • 値段・点数の拡大
    (5種類の値段のパターンや、1〜2点の購入パターンだけではなく、全てのパターンを取り入れる。)

  • 支払いパターンの拡大
    (今回の実験で使用した支払いパターンは、ほんの一部にしか過ぎず、他にも様々なパターンが数多くあるので、全てのパターンを取り入れる。)

  • さらに現実味のある確率の設定
    (より数多くの売上データを取り入れ、それらにもとづいた、より現実に近い確率を設定する。)

    を追求していきたいと思う。それには、より数多くの売上データを取り入れ、より現実に近いデータを作らなければならない。そうすることで、より現実に近いシミュレーション実験をすることができる。
    最後に、この実験が完成したら、実際にアルバイト先で実行してみようと考えている。


  • 第16章. 謝辞

    今まで、様々な質問に対し、丁寧にご指導頂いた根本俊男先生、誠にありがとうございました。ゼミナール中の質問はもちろんのこと、ゼミナール外でもいつでも丁寧にご指導頂いたことを大変感謝しております。
    また、卒業研究発表会において、貴重なアドバイスをして頂いた坪井先生にも大変感謝をしております。
    また、根本ゼミのメンバーのお蔭もあり、無事、卒業論文を完成させることが出来ました。本当にありがとうございました。



    第17章. 参考文献

  • 超図解 EXCEL97 for Windows98(著者:エクスメディア,発行所:エクスメディア,1997)

  • ステップ図解 EXCEL97 トラブル脱出法(著者:C&R研究所,発行所:ナツメ社,1997)

  • ステップ図解 EXCEL97 ウラ技テクニック(著者:C&R研究所,発行所:ナツメ社,1997)



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