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5.継続性を左右する要因

 これまででメール交換の継続性がホームページ開設の成否を左右する重要な指標であることを見てきた。それでは継続性を左右する要因としてはどの様なものが挙げられるのであろうか。調査データを利用してその種の要因を分析していく。

(1)外部への登録

 ホームページを開設して、その存在を外部の検索エンジンやリンク集へ登録することの効果はどの様になっているであろうか。その結果を図5.1に示す。登録することの効果は顕著である。

               図5.1 外部への登録と継続性(χ2:Sig.< 0.05)
 

(2)開設の目的


 
              図5.2 開設の目的と継続性

  ホームページ開設の目的と継続性の関係を見たのが図5.2である。複数回答であるので有意性の検定は難しいが、継続的ホームページと単発的ホームページの目的面での差は顕著である。「趣味の仲間を増やす」、「未知の人とのコミュニケーション」、「他人の役に立ちたい」は、かなり顕著な差となって継続的なホームページの比率が高い。それに対して「流行しているから」、「自分を世界にアピール」、「取りあえず作る」の方は、単発的なホームページの比率が高い。全般的には相手を尊重する志向の目的では継続的な方が多く、自分を前面に出す方が単発的な方が多いと言うことが出来よう。

(3)開設者の年齢


 
             図5.3 開設者の年齢と継続性(χ2:Sig.< 0.05)

  ホームページ開設者の年齢と継続性の関係を図5.3に示す。ホームページを介してコミュニケーションが発生した開設者を年齢で分けると、30歳未満が2/3、30歳以上が1/3である。その2つのグループ毎に継続性を見ると、30歳未満のグループでは「継続的」は40%強に留まるが、30歳以上では80%弱となり、年齢依存が明確である。30歳未満の方で「継続的」が少ないのは、例えば(2)開設の目的と継続性で説明した様な、継続性に結びつく目的が30歳未満には少ないなど、ホームページづくりの指向性が背景にある。
 

(4)作成の容易さ


 
            図5.4 作成の容易さと継続性(χ2:Sig.< 0.1)

  若干有意性が低いが、作成の容易さは継続性と関係している。図5.4によると、コンピュータに詳しいなどの理由で非常に簡単に出来た場合には、「継続的」の比率は27%、それより難しく感じた場合には、「継続的」の割合は60%台にある。したがってそれなりの努力・工夫をする場合の方が、「継続的」となる可能性が高いことを示している。

(5)リンクの有無

 ホームページにおけるリンクの有無が与える影響を調べた結果が図5.5である。8割強のホームページにはリンクが張られており、リンクのあるページは明らかに継続性が高い。リンクそのものが継続性を高める可能性があるのと、リンクを張る努力そのものが他の面でホームページの魅力度を高めると言うこともあろう。


 
          図5.5 リンクの有無と継続性(χ2:Sig.< 0.05)

(6)更新の頻度


 
               図5.6 更新の頻度と継続性(χ2:Sig.= 0.38)

  ホームページを開設すると、時間とともにホームページの更新が行われる。手まめに更新をすることがどの程度に継続性に影響するかを見たのが図5.6である。週1回以上の頻度で更新するグループでは「継続的」な場合は70%弱である。それに対して更新の頻度が減少するとともに「継続的」場合の比率が下がり、殆どしないグループでは「継続的」場合は30%強となる。更新が継続性に影響しているのは見て取れるが、その効果は外部への登録の場合に比べると弱い。更新努力も外部へ公知されて初めて継続性に結びつくものとなるためである。


次へ続く

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