「教育力の伝統校。」のウラの7のこと

文学部

ことばのスペシャリストになる秘訣

“ことばのスペシャリスト”とは一体どういうことなのか。「ことばに対するさまざまな角度からのアプローチ」「留学」「コミュニケーション」といったキーワードから、”ことばのスペシャリスト”に向かって日々成長する先輩たちの姿を探りました。

対談メンバー

  • 関根 安亮 文学部4年
  • 内薗 友里 文学部4年
  • 岩崎 みなみ 文学部4年
  • 森本 奈理 教員

※学年は2017年度時点のものとなります。

さまざまな角度からのアプローチで「ことば」の専門性が高められる

岩崎:「ことば」と一口に言っても、いろいろな角度があるんです。私は言語学、音韻論に始まり、日本語教育も学びましたし、ゼミでは古典文学を研究しています。学んだことの例を挙げると、「みんな」と「めんま」の「ん」はそれぞれ唇の使い方が違うといった“日本語の音”についてだったり、ある小説の中での形容詞の使われ方といった“文学”についてだったり……文学部は授業によってことばに対して全く違う角度からアプローチできるというのが強みです。

森本:文学部には教員志望の学生もたくさんいます。毎年、日本語日本文学科では4割ほど、英米語英米文学科では3割ほど、中国語中国文学科では2割ほどの卒業生が教員になります。教育学部と違うのは、専門性が高い教員を目指せるところですね。

岩崎:私は専門性を活かして、教育学部とはまた違った面で教育について考えています。例えば、どのように言葉を使って子どもにものを考えさせ表現させるか、それを教師がどう受け止めてどう教えていくか。また、ゼミで古典文学を専攻している私であれば、古典の専門性をどう教育に結びつけるか、子どもの関心を引き出すためにどう声かけをするか、といったことを考えます。これらは文学部で学べることです。

「ことば」とは直接関係のない文化の授業も、後々必ず生きてくる

内薗:私は中国語中国文学科で学んでいます。中国語のことばが面白いと思うのは、日本語では一つの言葉で表されるものでも中国語にはいくつか表現の種類があったり、中国語の慣用句を使うのにぴったりのシーンに遭遇したりすること。例えば、中国語の「できる」にはいくつか言い方があって、何かをする勇気があるという意味の「できる」と、何かを勉強してできるようになるという「できる」、許されているという「できる」はすべて違う種類の助動詞を使うんです。また、中国語の慣用句には「すでに準備は整っていて、あとは始めるだけ」という意味のものがあるのですが、テスト前には必ずそのフレーズが浮かびます。中国語の授業のほかにも京劇(中国の伝統芸能)や民族などいろいろな授業があって、そのときは役に立たないだろうと思っていたことが、後々になって生きてくることがありますね。

森本:内薗さんは、中国留学を経験しましたよね。

内薗:はい。2年生の後期に4カ月ほど北京に留学していました。制度としては、ほかにも2週間ほどの海外研修もあり、それを受けてさらに勉強したくなって半年かけて行く人もいます。他大学では、留学すると4年間で卒業できなくなるという話も聞きますが、文学部では留学は単位に加算され、2週間であれば2単位、半年の場合は最大20単位を振り替えることができます。 私は高校のときも第二外国語として中国語を学んでいたのですが、大学で発音や意味、文化などについてじっくり学ぶことで、ただ話せるようになっているだけではなく、細かな知識も肉付けされていっているのを感じますね。

文学部の授業では、コミュニケーション力も磨かれる

関根:文学部では、コミュニケーション力も磨かれますよね。
授業では、90分ずっと座って先生の話を聞いていることよりも、調べてきたことをみんなの前でプレゼンテーションしたり、与えられたテーマについて5~6人のグループでディスカッションしたりすることのほうが多い。仲の良い人と同じグループになることは少ないので、あまり話したことのない人たちとそういった場で話すことで、コミュニケーション力が磨かれます。同じ授業には留学生もいるため、さまざまな文化の人と話す力も付いて自信になりますよ。今は「コミュ障」と言われて、人と話すのが苦手という人が増えている。仲の良い人とは話せても、異性や年上、初対面の人と話すのが苦手という人もいます。僕も入学当初は人と話すときにとても緊張していましたが、今ではすっかり慣れ、緊張しなくなりました。

岩崎:グループワークには、他人の意見を聞いて、自分とは違う考え方を知るという良さもありますよね。学生が自ら積極的に授業に参加してディスカッションすることで、例えば反対意見の伝え方一つをとっても批判的に伝えるのと、「そういう意見もあるけど……」と前置きして譲歩の姿勢を示すのでは伝わり方が違うということが学べる。お互いの意見を広げたり深めたりすることで授業の内容も深まるし、コミュニケーション力も付くし、ことばの力も磨かれます。

関根:今は、企業や公務員の採用試験でもグループワークをしたり、ディスカッションをしたりとコミュニケーション力が試される時代。将来、人前できちんと話せるようになりたいと思っている人は、文学部でことばの表現やニュアンス、相手への伝わり方を学びながら、それを生かしたコミュニケーション力を磨いていくのもいいのではないでしょうか。

森本:文学部の英米語英米文学科にも教員という進路がありますが、教育学部とははっきりした違いがあります。文教大学の教育学部の英語専修は小学生を念頭に置き、どのように楽しませながら英語に慣れさせるか、という雰囲気づくりを重視しています。一方で、英米語英米文学科は中学生・高校生への英語教育です。英語の正しい発音・文法、日本語との文化的差異といった正確な意思疎通のための英語を習得しなければいけません。つまり、文学部の英語では細かなところにも注意していくことになります。