本研究は、複雑な物語構造をもつテクストを、語りに着目して分析することにより、テクストが表現しようとしているものを明らかにするものである。
研究対象とする『彼岸過迄』というテクストについては、従来から様々な観点から研究されてきた。初期の研究においては、実質的主人公と目される須永に焦点が当てられ、近代知識人の苦悩について論じられる代わりに、テクスト前半部を「構成的破綻」として、作品そのものが低評価されがちであった。また逆に、前半部の敬太郎の活躍を重視し、探偵譚を趣向とする読む論や、都市の冒険譚として読む論などが提出され、再評価されるようになった。近年では、「構成的破綻」を創作上の意図的な方法として組み込む論や、敬太郎の「成長」を読む論、須永の人物像をコミュニケーションの観点から新たに読み直す論などが提出されている。このように俯瞰すると、『彼岸過迄』という作品には、まだ論じられるべき点が内在しているといえる。
筆者は、従来の研究においてあまり注目されていない千代子に焦点を当て、物語が語りの重層性により、次第に千代子像を生成していくことを論じた。特に「破綻」の原因とされた、前半部における敬太郎の役割を、千代子像の多面性からその「本体」(千代子に対する客観的描写の総体)を読み取らせることとして論じた。その上で、『須永の話』における須永の語りが、読者の認識する千代子像と照合されることで、須永の語りの矛盾を明瞭化させていることを述べた。さらにこれによって、テクストが千代子の視点を読者に読ませることを明らかにした。
このことは、明治の制度下において弱者である女性に、男性を相対化させる役割を担わせたことを示し、意義深い。このような女性側の視点から男性側を相対化する方法は、『彼岸過迄』を起点として続く『行人』『こゝろ』においても採用され、次第に男性の抱える「自我」の問題を深刻化させていく。さらに女性に焦点化される方法は『道草』、晩年の『明暗』においても採られ、三人称の〈語り手〉が男性側の問題を批判することによって、より男女が相互を他者化して観察する構造になっていく。
ここから、『彼岸過迄』というテクストは、男性を他者化する女性の視点を描き出したという点において、後期作品における語りの方法の転換期といえる。
本論文では、筆者は中国の大学における中級日本語学習者を対象に、第1言語の使用が第2言語作文に及ぼす効果や影響を考察し、第1言語の使用に対する学習者の意識について解明した。以下、論文の概要を具体的に述べる。
まず、1章では、筆者の研究動機、研究目的、研究方法を述べた。研究目的としては、中国人中級日本語学習者を対象にし、作文の質に着目し、第2言語である日本語の作文産出に第1言語が関与しているのか、さらに、どのように関与しているのかを検討することになる。
本論文の研究方法としては、次の通りである。
(1)中国人学習者の日本語作文や作文教育の現状について、
現地で作文授業を担当している先生にインタビューをする。
(2)先行研究を参考にし、中国の大学で作文の実験を行い、作文に関するアンケートを実施する。
(3)現地から収集した作文実例を評価する。
(4)評価を分析し、考察する。
(5)作文の質における第1言語の影響を明らかにする。
2章では、本研究で参考とした先行研究の中で4つの研究を取り上げ、各研究における調査方法や分析結果などについて論じた。各研究の結果は異なっているが、第1言語の使用は第2言語である日本語作文に促進効果があることが示唆された。
3章では、中国における日本語教育及び日本語作文教育の現状について述べた。近年、中国では日本語学習者の人数が増え続けている。特に高等教育段階となる中国の大学では、日本語専攻者の人数はかなり増加している。高等教育段階のシラバス―「教学大綱」(日本の指導要領に相当)が、日本語専攻の基礎段階と高学年段階に分けて作成されて、それに準拠した教科書がそれぞれ出版されている。「教学大綱」では、「書く」ことに対し、各段階での学習者の日本語能力にあわせて異なる「要求」を出しており、その詳細について触れた。
4章は、中国の3つの大学で行った作文の調査結果について述べた。3つの大学で日本語作文を受講している中級日本語学習者94名が中国語で書いてから日本語に翻訳させた翻訳作文と、翻訳を行わずに日本語を直接書かせた直接作文を収集し、中国人に対する日本語教育経験のある日本語教師2名が収集した作文の評価に当たった。
最後に、2人の評価者がつけた点数と第1言語の使用に対する学習者の意識についてのアンケート結果を統計ソフトを用いて分析した。その結果、先行研究と異なり、第1言語使用の翻訳は、産出した作文の質を高める効果が見られなかった。先行研究と被験者の言語学習環境が違うことも伴い、第2言語作文に及ぼす第1言語の影響も違うのではないかと結論づけた。
伊藤 美佳 梶井基次郎研究-テクストにおける感覚の仕組み-
岩宮 実穂 中世説話文学における地獄表現の比較-日蔵の地獄巡歴譚を中心として-
小川 徹 野口冨士男研究-永井荷風との比較を通じた東京観の考察-
関根 安亮 漫画『ONE PIECE』の役割語が形成する人物像
~日本語母語話者と日本語学習者を比較して~
山代 泰丸 日本呉音の虞韻と魚韻について-母胎音との関連を中心に-
渡邊 千晶 『青鞜』以前の〈女性〉について-清水紫琴を中心に-
ウス ガラ モンゴル伝統文化の変容と継続に関する研究
オボー信仰及びその祭祀活動の事例研究
袁 斌 黄檗唐音の中の福州音について
孫 寧 日中国交正常化後における日中教育交流史の研究-大平学校に注目して-
楊 夢瑩 中国にルーツを持つ子どもたちの家庭情況と学習の関係性について
李 文杰 日本漢音と唐代長安音-通摂三等重韻を中心に-
川西 圭太 中島敦『弟子』素材研究全注釈とその分析
石井 達也 Dative Alternation and Particles
包 莫徳格 内モンゴル自治区モンゴル族の伝統文化と教育
―通遼市扎魯特(ジャルート)旗の事例研究―
佐藤 秀俊 中井履軒『論語逢原』研究-その孔子中心主義について
黄 斌俐 「粤謳」の粤語方言学に関する研究
邵 丹陽 日本語教育におけるホンネとタテマエの扱い方
-中国における日本語教育現場を通して
張 好麗 中国語を母語とする日本語学習者による授受補助動詞の習得に関する研究
―「てくれる」に注目して
卓 ?※ 日本呉音斉韻[-ai]類母音について
※(木へんに越)
顧 羽寧 宮沢賢治作品と中国
雷 雲恵 接触場面における日本語母語話者の言語調整ストラテジー
-接触経験が及ぼす影響に着目して-
劉 翌辰 在日外国人定住者の言語意識に関する研究
-日本語における自称表現の使用に着目して-
于 康飛 中国語を母語とする日本語学習者における日本語アクセントの習得について
-母方言の異なる学習者を中心に-
石 聞 日中両国の「誘い」表現の比較研究
周 琳?※ 相手言語接触場面と第三者言語接触場面におけるコミュニケーション・
ストラテジーに関する研究
-コミュニケーション・ブレークダウンに注目して-
※(王へんに路)
阿 栄 近代漢語資料としての「華夷訳語」蒙漢対訳集
斉 興家 「満州国」におけるモンゴル族地域の日本語教育-阜新の「国民学校」を中心に-
鄭 英花 中国延辺朝鮮族における日本語教育-1960,70年代を中心に
張 文博 中国人日本語学習者における日本語のモダリティ習得に関する横断的な研究
-「のではないか」を中心に-
劉 爽 中国人日本語学習者の語彙レベルにおける逆行転移
-日常会話の使用語彙と意識に焦点を当てて-
劉 田田 「ほめ」の談話に見られる中国語と日本語の言語行動の比較
-女子大学生の言語行動に注目して-
王 東晨 日本語学習者の接触場面における調整行動に関する研究
塩崎 響美 接続助詞「シ」の新しい用法に関する研究
-インターネット上の用法と日本語教科書の用法に着目して-
島野 恭平 英語の進行形-場面に応じた使い方
土田 絵理香 宮沢賢治の詩における雨雲の経時的変化
林 裕太 地域日本語教室の役割と機能-まつぶし日本語ひろばに焦点を当てて-
松宗 阿貴 『西遊記』の研究-猪八戒の人物造形
何 志美 中国阜新モンゴル族の中等教育における日本語教育
陳 冉 日中時代劇における台詞の運用に関する研究-決め台詞を中心に-
娜 荷芽 内モンゴルの仏教寺院と宗教信仰の変容に関する研究
-ジリム盟地区の事例分析-
劉 毅 日中戦争期の中国青島における日本語教育-青島学院の日本語教育を中心に-
林 燕 非対面場面におけるコードスイッチングに関する考察
-スマートフォンでのWeChatに注目して
池田 桜 芥川龍之介「河童」論-河童の造形と河童世界の分析を通して-
in Second Language Acquisition
謝 鵬琳 日本における『白毛女』の受容-歌劇から映画、バレエへの発展史-
衣 司清 中国語を母語とする日本語学習者における学習リソースと学習ストラテジーの
使用について-日本のアニメ・マンガに対する関心の有無による相違-
王 楽楽 中日の日本語教科書における「断わり表現」に関する研究
-中国高等教育における会話教育に注目して-
常 安琪 文化に関する日本語教師のビリーフ研究-中国の高等教育と中等教育の比較を通して-
-日中国交正常化以降の民族的視点から-
林 泳?※ 中国の中・高生における日本語教育の動機づけ-内発的動機づけの実験を通して
※(金3つ)
遠藤 麻利恵 Explicit Instruction of English Adjective Ordering
in Second Language Acquisition
小林 寿 『東語簡要』音訳漢字基礎方言の研究
武田 育恵 中国中等教育における第二外国語としての日本語教育
-教材『好朋友(ともだち)』の実践と考察から-
柯 愛霞 『唐話纂要』の中国語音についての研究
初 保燁 中国延辺州朝鮮族の中等教育における日本語教育の変遷とその背景
-日中国交正常化以降の民族的視点から-
錫林 高娃 モンゴル語のアクセント-実験音声学的研究-
展 ?※ 中国語を母語とする日本語学習者の日本語作文に対する動機づけに関する研究
-JSL学習者とJFL学習者の比較を中心に-
※(金3つ)
任 文文 中国映画史の中の満洲映画について
頼 秀蘭 モンゴル民族文化の変容に関する研究
-中国・内蒙古自治区の年中行事とオボ―祭をめぐる地域間比較-
秋元 俊哉 孫綽「遊天台山賦」考
久保 沙由里 『耳嚢』説話の特性
松本 彩佳 志賀直哉の文体研究-感情表現の表出を主として-
韓 浩欽 「銀河鉄道の夜」における韓国語翻訳の比較研究
-目に見えない「ことば」の秘密-
石井 航 蟹摂斉韻の日本呉音について
-科学的視座による分析から-
四谷 厚子 Crosslinguistic Effects in Second Language Acquisition of Path Phrases:
Resultative Phrases and Pre/Pos-Positional Phrases
李 恩先 韓国中等教育における日本語教師の役割-ステレオタイプにならないためには-
王 林 中国語を母語とする日本語学習者の「依頼」表現習得に関する研究
-JSLとして日本語を学ぶ学習者とJFLとして日本語を学ぶ学習者の比較-
鄭 洪振 中国の中等教育において自律的な学習者の育成に向けて
-メタ認知学習ストラテジーを中心に
名嘉 友子 『和泉式部日記』の基調
宇賀神 秀一 陶淵明「擬古」詩の研究-「擬古」という表現営為の意義-
岡田 恵美 三島由紀夫『憂国』論-「公」と「私」を結ぶ存在としての「麗子像」-
木立 梢子 太宰治「右大臣実朝」と大仏次郎「源実朝」の位相
島村 伶 「銀河鉄道の夜」第三次稿から第四次稿への改稿の意図
-科学的視座による分析から-
鈴木 一徳 Second Language Acquisition of Psychological Adjectives
in English by Speakers of Japanese
ヴェルナー マテイアス 「西洋人」キャラクターの役割語に関する考察
オウ クンコウ 中国の基礎日本語教科書に見られる文化-北京大学を例として-
オウ レンオウ 蘇詩における博喩論
コウ ウンセイ 「シオン」語の音声 実験音声学的方法による
サク センセン 「関東州」における日本語教育-1930年代、40年代の「公学堂」を中心に-
チン イチナン 中国語を母語とする上級日本語学習者の「言いさし」文について
テイ シュウジュン 日本語教育における「女ことば」の使用に関する研究
坂本 真里 「彼岸過迄」論-千代子像を生成する語り
野津 森衛 志賀直哉「和解」論-苦悩と変化の物語-
長ヶ部 真生 『紅楼夢』の言語学的研究
グエン ブイ アン ティー ベトナム語話者の日本語アクセント-実験音声学的研究
シュステック ドイツ語母語話者の日本語学習動機づけに関する研究
イエンス ペーター -中国語母語話者を比較対照として-
チン イシ 中国における中級日本語学習者の作文に及ぼす第1言語の影響
-作文の質を中心に-
チン シン 中国語を母語とする上級日本語学習者のスピーチレベル・シフトに関する研究
-相手言語接触場面と第三者言語接触場面との比較-
パク ミソン 韓国人日本語学習者の日本語アクセントに関する実験音声学的研究
-ソウル出身日本語学習者とプサン出身日本語学習者を中心に-
マ シンシン 中国語の新語における外来語の形態素化現象について
明石 羊子 ルイス・キャロルの日記 -数学関連の記録
北林 和也 芥川龍之介文学のユーモア
松下 香奈 宮沢賢治作品における戦争観
横尾 みゆき 本谷有希子論 -本谷の描く"自意識"を明らかにする-
オウ ウモク 「それから」と「傷逝」の比較
-夏目漱石と魯迅、それぞれのイプセン受容を分析することによって
サイ ギョクラン 深?における企業向けの日本語教育に関する研究
-中国深?における日系企業就労者に対するアンケート調査を通して-
サイ ライ 埼玉県東部地域の日本語ボランティア教室について
チョウ ギョウバイ 直接教授法の必要性について
チン アビン 中国語母語話者が犯す授受補助動詞の誤りに関する研究
リ キンラン 中国延辺地域における日本語教育
- 1930年代、40年代の「延吉県」の朝鮮族を中心に-
河内 貴志 幾米論 ―越境する芸術作品として―
松本 拓弥 アメリカの社会とバスケットボールとの関わり
渡辺 和希 「あ類」に関する記述音響音声学的研究
王 全華 日本語の自・他動詞の使い分けに関する研究
-中国人日本語初級学習者が自・他動詞をどう学習したら良いかを中心に-
王 トウ卓 中国人日本語観光ガイドが使用する日本語の実態
-案内場面における日本語分析を通して-
田 敏 韓国の大学生における日本語学習ストラテジー比較研究
-自律した日本語学習者を育てるための学習ストラテジー指導-
鄭 卓 中国女文字について-三朝書の内容を中心に
ナディミン ビン マレーシア国立SBP学校における現行日本語教育を点検・評価する
アブドル アジズ
李 俊青 初級日本語学習者に直接法で教えるのが適切かどうかについての調査・研究
-中国河南省におけるある日本語教育培訓学校を中心に-
レ ティ シュン ユウ ベトナムの年少者に対する効果的な日本語教授法
-中南部の中等日本語教育における聴解ストラテジーを中心に-
山中 英憲 中学校における英文法指導 ― 学習指導要領と教科書の観察から ―
鈴木 智子 「古事記」「日本書紀」の享受 ― 近松の場合 ―
関口 翔子 『南総里見八犬伝』の登場人物の命名について
長村 佳子 村上春樹作品における「双子」について
森川 貴道 三島由紀夫論 ― 美と現実との関係 ―
尹 哲 日本と中国における顔文字
黄 艶 「腰」を含む身体語彙の日中対照研究
薩日郎 内蒙古自治区のモンゴル人日本語学習者に対する効果的な日本語教育の研究
~日本語初級表現の定着をはかるための一考察~
ム トン Some Problems of English Auxiliaries
李 紅 中国の大学における非専攻の日本語学習者向けの日本語教授法
伊吹 磨友子 Gender in Shakespeare's Work
- with Special Reference to Disguised Heroines -
白鳥 克弥 神林長平論 ~『戦闘妖精・雪風』から『グッドラック』
舘野 由香理 日本漢音と中国語中古音の対応関係について -鼻音声母を中心に-
コ ビエイ 日・韓の若者言葉の比較 -高校生を中心として-
勾 艶霞 中国語母語話者は、日本語の字音語をどう学習すれば、
正しく発音できるようになるか
ゴロヴィナ オルガ ロシア極東地域における先住少数民族(ナーナイ)の言語と民話
-危機言語の現状の記録-
崔 香花 中国と日本における小学校英語教育の比較
崔 聖愛 中国における社会人向けの日本語教育機関での会話能力を高めるための教授法
坂上 智一 山摂元韻の歴史的変遷 ― 日本呉音の内転化現象と関連して ―
藤田 恵 映画のセリフからみる日本語の禁止表現
金 愛蘭 新聞社説における文末表現の日韓対照研究 -文章構造の観点を中心に
金 正虎 初級会話クラスの教え方について
-中国延吉市通達外語培訓学校における実験的試み-
齋藤 麻梨子 寺山修司からみる“自分の”「死体の始末」
酒主 浩聡 初期スチュアート朝(1603-1660)の政治・宗教との関係から見た16-17世紀の
フットボールの発展
本保 円 俳諧集『守武千句』における謡曲摂取の様相について
本山 佳代子 自己をどう表現するか -自己紹介文の分析から-
オウ キントウ 学会質疑場面における日本語の前置き表現の研究
コウ ギヨウチヨウ 場所を表す格助詞「に」・「で」・「を」の誤用と対策 -新疆の日本語教育現場
から見た一考察
コウフ カイエン 親しくなるための表現方法の相違に関する一考察-中日ドラマの台詞から
ホウ サンタン 英語由来の外来語と英語原義の違いについて
リユウ ギ 日中大学生の「感謝」・「詫び」の表現の考察-「気持ち」の視点から-
宮原 邦治 インドにおける日本語教育の歴史
坂口 奈緒美 タスクを使った文法指導について-実践的コミュニケーション能力を養うために-
竹井 佐知子 『建礼門院右京大夫集』の研究 -その作歌環境-
田村 昌大 日本の言語学習の動機づけ要因の考察と、英語教員の使用する動機づけ
ストラテジーの調査
土屋 直之 「大塚英志『木島日記』における「死者の書」の役割」
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松本 有美 手紙の中のルイス・キャロル
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松本 泰憲 On Explicit and Implicit Knowledge in Recognizing Postpositive
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山口 あや子 レ・ファニュ作 怪奇小説「カーミラ」をめぐって
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