文教大学では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、学生の構内立入禁止措置を講じるとともに、オンライン形式での授業に必要なWi-Fi等の通信環境ならびにPC・スマートフォン等の通信端末・機器に関する調査を学生に対して緊急で行い、通信環境ならびに通信機器の貸し出し等の対応を行いました。そして、約1ヶ月間の休講期間を経て、5月14日よりオンライン形式での授業を開始し、5月16日には2020年度春学期の授業について全面オンライン形式で実施することを決定・公表しました。
これら一連の緊急対応について迅速に検討・実施するために、文教大学授業対応特別委員会を組織し対応に当たってきました。十分な準備も整わない中での緊急対応としてスタートした2020年度春学期のオンライン形式の授業ですが、オンライン形式での授業における学修環境等の実態を把握し、以降のオンライン形式での授業における学修環境の見直しを図るべく、文教大学授業対応特別委員会による学生アンケートを実施しました。ここに集計結果を公表するとともに、学生の声を参考にしながら学生の実態ならびにニーズに応えるべく努めてまいりたいと存じます。
文教大学教育研究推進センター
集計結果はこちらをご覧ください
<回答に見られる傾向(概要)>
アンケート実施期間: 2020年6月12日~6月15日
対象: 全学部・大学院・専攻科・別科の在学生 8,358名
回答者数: 4,708名
回答率: 56.3%
・満足度・理解度は、学部・学年を通じて中間値程度であった。
・課題などへのフィードバックは、多くの授業でなされている(約60%)一方で、十分になされていない(約35%)との結果であった。
・最も困っていることとして、「課題が多い」(約35~40%)ことが最も多く挙げられた。自由記述では、課題の多さ、課題の提示方法・提出方法の科目間の違い、通信環境等の影響、他者と協働で学修できないこと等に対する不満が多く見られた他、自身の学修方法や学修成果、出欠管理、成績評価等に対する不安が挙げられた。また、授業レベルの低下や科目間のばらつき、PCを使った学修への負担・不安への指摘も見られた。
・最も良かったこととして、「自分のペースで学修できる」(約40~45%)、「自宅で学習できる」(約30%)が挙げられた。自由記述では、繰り返し学習できることや、自分のペースで学修できること、静穏な環境で集中できることなどの他、質問がしやすいことや、教員からのフィードバックが嬉しいといった意見も見られた。
<集計結果に対して>
対面授業からオンライン形式の授業に急遽移行したことで、学修者だけでなく授業担当者にとっても不慣れな環境・形態で授業を運営しているケースも少なくなく、本アンケートの回答に見られる良かった点・悪かった点ともに、納得のいく、また今後の授業改善のためにも大いに参考になるものとなった。科目ごとの授業形態や特性もあり、特に実技科目や実験科目などではオンライン形式での授業では難しい側面もあるが、科目の特性に応じた工夫がさらに必要と考えられる。また、全ての科目について、学生が自身の学修方法・学修成果を確かに実感できるよう、そして、少しでも現状で抱いている不安が解消されるよう、授業方法や課題の提示・提出方法等について工夫するとともに、丁寧な説明や課題・質問に対する細やかなフィードバックが必要と考えられる。
オンラインでの授業実施は、学修者だけでなく授業担当者にとっても負担が大きくなっていることと思われるが、その中でも学生の学びの質を保証し学修意欲を維持し高められるよう努めるとともに、この度のアンケート結果ならびにオンライン授業での工夫とそこでの経験を、以降のオンライン授業ならびに本学の今後の教育の質の向上に生かしてていく所存です。
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