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第4章 まとめ
 今回の調査は文教大学内のみのものであり、着メロ普及率はほぼ100%であった。限られた調査対象層ではあるが、わかったことは以下の通りである。

1. 普及率の割にアクセス数は少ない。しかしアクセスするたびに一曲以上はダウンロードしてい     る。
  アクセス数の少なさは意外だったが、“アクセスしたらダウンロードはまとめて”という『まとめど    り』の発想を発見した。

2.  着メロは“聴くもの”として確立している。
 気分転換や暇なときに聞くことが多く、一種の音楽鑑賞   といえる。CDとの違いは手軽さにあ     ると考えるが、この調査では断定できない。

3. アクセス頻度増加者は、活発で探求心に富んでいる性質の人が多い。対して、変更頻度増加者    では、内気で消極的な傾向が強い。
  両者に共通していることは、情報や新鮮さ、変化など、着  メロに何かを求めていることで、存     在価値は大きい。

4. 着メロを意図的に聞かせる人が増えている(他人指向型)。このような人にはミーハーや淋しがり   やが多い。
  淋しがりやは、いっしょに楽しむことで淋しさを解消し、喜ばれることで他者からの承認を求める   気持ちを満たしている。

5. 自分指向型には着メロはコミュニケーション材料になりにくい。
 自分以外と着メロが触れあうことがないため。当初「着メロはコミュニケーションの情報源にな     っている」と仮説立てたが、自分指向・他人指向によって傾向に違いがあったことで、全ては    実証されなかった。しかし、“着メロ の接触頻度とコミュニケーション材料としての評価は比例して  いる”という新たな事実を発見することができた。

6.  他人指向型は周囲の着メロも気にしている。
 →“聞きたいから聞かせる”気持ちの表れ。「聞かせる人は人のも聞きたい」との仮設は実証され    た。
 
 着メロ産業が新たな展開を見せるたびに、その用途も広がっていくに違いない。事実、着メロは一種の音楽として、コミュニケーション材料として確立されていた。「ダウンロードする」ことは、同じくネタを提供する「雑誌を眺める」「音楽を聴く」のと似た感覚があり、メディア的要素の一面も持っていた。
 
 着メロ利用の背景には、性格の違いや進化が利用の仕方にも変化を与えており、様々なものが介在している。それらに着目し、利用者を魅了するような着メロの登場が今後も期待される。やみくもに和音数を増やすだけではなく、どんなものが求められているのか、更に具体的な調査が必要であろう。
 
 
 
 

▼引用文献・参考資料

 「infoPLANT」 http://www.info-plant.com
 「株式会社レッドスターオフィシャルサイト」 http://www/redstar.co.jp/
 「エムレポート」  http://www.m-report.net
 「着メロ配信利用者が6割に上る」 インターネット白書2003 
                      発行 株式会社インプレス P275



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