若者の携帯電話利用に見られる傾向
@ 携帯電話は内輪的コミュニケーション
A メール利用における人付き合い下手の促進
実際にコミュニケーションが狭まったと感じる人は少ないが、携帯電話の機能として繋がりたい人とだけ繋がれるのがよいや、相手によって機能の使い分けをできるのがよいと感じている人が多いということがわかった。この2つの機能は、選択的人間関係を
促進させる機能であることから実際にそう感じている人は、内輪だけの付き合いを重視していると考えられる。
そして、携帯電話利用では電話利用よりもメール利用のほうが、内輪だけの付き合いを重視している傾向が見られた。
Bメール利用による自己中行動の増加
携帯電話利用により人付き合い下手になったと感じる人は少なかったが、直接会って話すことが苦手な人や電話で話すことが苦手な人が多いことがわかった。また、携帯電話のメール機能に頼っている人が多いこともわかった。このことから、最近の若者は、元々人付き合いが下手な人が多いと考えられる。
さらに、人付き合い下手度が大きい人の方が、メール機能に頼っている傾向が見られた。それは、メールは顔や声がわからないため、普段話し下手な人なども気軽に会話することができるからと考えられる。
ということは、携帯のメール機能が人付き合い下手を助長させると考えられ、結果的に人付き合い下手な若者は携帯電話に頼るようになっていくと考えられる。
携帯電話の利用によって、自己中になる人は少なかったが、携帯電話の利用において不快に思うことをされた経験のあることがわかった。
携帯電話の電話機能よりメール機能のほうが、自己中な行動が顕著に表れていた。
メール機能は、お互いの素直な反応がわかりにくいため、自己中な行動をとることが可能になっているのだと考えられる。
最近の若者にとって、携帯の電話機能よりメール機能の方がコミュニケーションの主流になっている。このようなことから、今後私たちの周りには、メール機能により相手への配慮の欠けた行動をとる人たちが増えると考えられる。
携帯電話のメール機能は上手く使うことが出来れば、人とのコミュニケーションを円滑に進めることが出来るが、メール機能に頼りすぎると直接相手の反応を意識しながらの会話が苦手になり、配慮を欠いた行動をとりやすくなると考えられる。
・移動電話利用におけるメディアの特性と対人関係―大学生を対象とした調査事例より―
岡田 朋之・松田 美佐・羽渕 一代
http://www.10.plala.or.jp/misamatsuda/jyoho-tsuushin.html・ケータイメールな人間関係(「中央調査報」より)
http://www.crs.or.jp/52411.htm・携帯電話の利用と友人関係―<ケータイ世代>のコミュニケーション
http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOU/VOL630/GIF/S8630012.PDF
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