回答者は、123名で、性別は、男性51.2%、女性46.3%と、男女ほぼ同程度であった。また、学年は、1年生2.4%、2年生36.6%、3年生48.8%、4年生9.8%であった。情報システム学科2年生が中心の「データ・モニタリング」と、広報学科3年生が中心の「広報論」の授業でアンケートを実施したため、2年生と3年生で約9割となった。
2.2 『完全版』と『ベストアルバム』の知名度と購入率
ここではまず、マンガの『完全版』が一体どの程度知られているのか、また、実際に購入している人がどのくらいいるのかについて見てみる。次の図2−2−1は、マンガの『完全版』または、CDの『ベストアルバム』を知っている人がどの程度いるのかを集計した結果である。
マンガの『完全版』を「知っている」と回答した人は約70%となっており、4分の3とはいかないものの、約7割の人が知っていることが分かった。また、CDの『ベストアルバム』を「知っている」と回答した人は約97%で、マンガの『完全版』と比較すると、CDの『ベストアルバム』の方が断然知られている事が分かる。
図2−2−2は、図2−2−1で『完全版』を「知っている」と回答した人を対象に、『完全版』として再発売された作品の中に気になった作品があるかどうかを聞いた結果と、『ベストアルバム』を「知っている」と回答した人を対象に、『ベストアルバム』として発売された作品の中に気になった作品があるかどうかを聞いた結果を示したものである。マンガの『完全版』で「気になる作品がある」と回答した人は65.5%で、『完全版』を「知っている」と回答した人の半数以上の人に、気になる作品があることが分かった。また、CDの『ベストアルバム』で「気になる作品がある」と回答した人は約84%で、『ベストアルバム』を「知っている」と回答した人のほとんどに、気になる作品があることが分かった。ここでも、CDの『ベストアルバム』の方が「気になる作品がある」と回答している人が、多いことが分かる。
次に図2−2−3であるが、これは、図2−2−2のマンガの『完全版』で「気になる作品がある」と回答した人を対象に、『完全版』を実際に購入したかどうかについて聞いた結果と、CDの『ベストアルバム』で「気になる作品がある」と回答した人を対象に、『ベストアルバム』を実際に購入したかどうかについて聞いた結果を示したものである。マンガの『完全版』は、実際に「購入していない」と回答した人は約61%と、購入していない人が多いことが分かった。しかし、逆にCDの『ベストアルバム』では、実際に「購入した」と回答した人が約73%と、購入している人が圧倒的に多いことが分かる。
以上の3つのグラフの結果を元に、『完全版』と『ベストアルバム』それぞれで、「作品を実際に購入した人」、「気になった作品はあるが購入しなかった人」、「『完全版』または『ベストアルバム』を知っているが気になる作品がない人」、「『完全版』または『ベストアルバム』を知らない人」が回答者全体で、どの程度いるのかを示したものが次の図2−2−4はである。CDの『ベストアルバム』を購入し人は約60%と、マンガの『完全版』を購入した人に比べ、圧倒的に多いことが分かる。また、『完全版』と『ベストアルバム』を知らないと回答している人は、マンガの『完全版』の方が30%と、『ベストアルバム』に比べ、断然多いことが分かる。反対に、「気になる作品があるが購入していない」人や、「気になる作品がない」と回答している人は『ベストアルバム』の方が少なかった。
こうして、マンガの『完全版』とCDの『ベストアルバム』を比較すると、知名度、気になった作品の有無、実際に購入している割合のどれについても、『ベストアルバム』方が多く、『完全版』と『ベストアルバム』の差は歴然であることが分かる。その理由について、マンガの単行本や、CDの所持数から検証していきたい。
次の図2−2−5は、マンガの単行本をどのくらい持っているのかについて聞いた結果を示したものである。マンガの単行本を「持っていない」と回答した人が11.4%であった。
これに対し、図2−2−6はCDをどのくらい持っているかについて聞いた結果を示したものである。CDを「持っていない」と回答した人は0%であった。こうした所持数の違いから、大学生の間では、マンガよりも音楽の方に関心が向いていることがわかる。また、関心度の違いが、『完全版』と『ベストアルバム』の知名度の差や購買率の差に繋がっていると考えられる。
しかし、単行本やCDを、一人につき何冊(または何枚)持っているかを計算してみると、マンガの単行本では、一人につき約72冊、CDでは、一人につき約57枚となった。このことから、CDは、枚数は少ないが誰でもまんべんなく持っているのに対し、マンガの単行本は、持っていない人もいるが、持っている場合にはその冊数も多いことが分かる。