オペレーションズ・リサーチ

双対問題

演習8

文教養豚所では,飼育している豚に3種類の栄養素A,B,Cを毎日ある必要量与えなくてはならない(一日の最低必要量以上であれば,多く与えるのは問題はない).

そのために最近発売された2種類の飼料P,Qの購入を検討している.それらのデータをまとめると以下のようになる.

このとき,以下の問いに答えよ.

  1. 総費用を最小にするような飼料P,Qの購入量を求めたい.この問題を定式化せよ.
  2. 最適な購入量を提案しなさい.
  3. 小問1で求められた線形計画問題の双対問題を求めよ.
  4. 小問3で求めた双対問題の最適解を求めよ.
  5. 小問3で求められた双対問題は,この問題設定に沿って想像すると,どのように最適化問題として解釈することが可能か.文章で簡潔に解説せよ.また,小問4で求めた最適解はその解釈ではどのような意味を持つのか.併せて解説せよ.

 

作成者:根本俊男(文教大学情報学部経営情報学科),1997年12月作成;1998年11月改題

 

演習9

文教工業ではある原料A,Bから専用設備を使用して2種類の工業薬品PとQを生産している.薬品Pを1リットル作るには原料Aは4Kg,原料Bは2Kg必要で,専用設備を2時間使用し完成する.一方,製品Qを1リットル製造するには,原料Aは5kg,原料Bが5kg必要で,専用設備を1時間使用し完成する.

原料の1日当たりの使用可能量は原料Aが30kg,原料Bが25kgである.また,専用設備は1日最大12時間までしか使用できない.

現在の製品の1リットル当たりの利益は製品Pが5万円,製品Qが9万円である.

製品Pと製品Qの製造によって得られる利益を最大にしたい.製品Pと製品Qをそれぞれ1日当たり何リットル生産すれば良いのだろうか.以下の問いに答えよ.

(1) 製品Pと製品Qをそれぞれ1日当たり何リットル製造すれば良いか求めたい.製品Pの生産量をx1,製品Qの生産量をx2として,問題を定式化せよ.
(2) 総利益を最大にする生産計画を具体的に提案せよ.
(3) 小問(2)にて提案した製造量で生産を行うとき,専用設備は1日当たり何時間使用しているか.
(4) 現在,小問(2)にて提案した製造量で生産を行っていると仮定する.もしも,原料Aの現在の1日当たりの使用可能量のみが1kg増えた(原料Bの使用可能量や専用設備の使用可能時間は変化しない)とすると総利益はいくら増えるか.
(5) 小問(4)で求めた数値にはどのような意味があるか.簡潔に解説せよ.
(6) 小問(5)で求めた数値の割合で総利益が増えるのは,原料Aの1日当たりの使用可能量をどこまで増やしたときか.
(7) 小問(6)で求めた数値まで原料Aの使用可能量を増加させたとき,専用設備は1日当たり何時間使用されているか.
(8) 文教工業では新製品Rを開発している.新製品Rを1リットル生産するには原料Aを3kg,原料Bを2kg,専用設備を1時間使用する必要がある.現在小問(2)で提案された生産計画で生産を行っているする.新製品Rの生み出す利益が1リットル当たりいくらだったら新製品Rの生産をはじめるべきか.適切にアドバイスせよ.
(9) 現在,小問(2)にて提案した製造量で生産を行っていると仮定する.製品Qの1リットル当たりの利益が7万円にダウンした. 生産計画を変更すべきかどうか判断せよ.
(10) 適当な変数を用いて,小問(1)で定式化した線形計画問題の双対問題を答えよ.
(11) 小問(10)で求めた双対問題の最適解と最適値を答えよ.
(12) 小問(10)で求めた双対問題はどのような意味を持つ最適化問題なのだろうか.この問題の設定から想像して答えよ.
   

 

作成:根本俊男(文教大学情報学部)
作成日:1999年11月29日
(1998年度後期期末テスト問題1より)