オペレーションズ・リサーチ 中間試験

1997117日実施

 

解答上の注意: 解答用紙には,解の導出過程も記述すること.

問題1

文教食品では,これまで「から揚げ弁当」と「幕の内弁当」を工場で製造し,販売所に運び販売を行ってきたが,今度従来の商品に加えて新しく「特大ハンバーグ弁当」を製造販売することになった.

そこで,これらの弁当をどのくらいずつ製造したら利益が最大になるか見当をつけたい.予想製造コストと予定売価から計算すると,製品一つあたりの利益は「から揚げ弁当」が160円,「幕の内弁当」が150円,「特大ハンバーグ弁当」180円であった.また,各部門に相談したところ弁当の製造には以下のような制約が存在することがわかった.

  • 仕入れ部門より:

    弁当一つあたりの米使用量は「から揚げ弁当」が150g,「幕の内弁当」が120g,「特大ハンバーグ弁当」が150gである.工場の精米(玄米から白米にする)能力は一日あたり500Kgだが,近所の精米業者に頼めば随時必要な量を補充できる.

  • 製造部門より:

    各弁当はどれも「ご飯工程」と「惣菜工程」を通る.「ご飯工程」における各弁当一つあたりの製造に要する所用時間は「から揚げ弁当」が2分,「幕の内弁当」2分,「特大ハンバーグ弁当」が1分である.また,「惣菜工程」では「から揚げ弁当」が2分,「幕の内弁当」1分,「特大ハンバーグ弁当」が2分である.「ご飯工程」の一日の総作業時間は最大15時間,「惣菜工程」では最大16時間である.

  • 運搬部門より:

    製造された弁当は,弁当搬送用トラックにより一日3回販売所に運ばれる.弁当の容積は「から揚げ弁当」と「幕の内弁当」は同じであるが,「特大ハンバーグ弁当」は「から揚げ弁当」の2倍である.トラックで一回当たり運べる量は「から揚げ弁当」に換算して300個である.

  • 営業部門より:

    その日に生産した弁当はその日のうちに販売所に並べなくてはならない. また,販売所に並べた弁当は確実にすべて売れると思われる.

    1. この問題を線形計画問題として定式化しなさい.定式化した線形計画問題を解きなさい.文教食品は利益を最大にするには各弁当をどれくらいずつ製造すればよいのですか.

     

    問題2

    次の線形計画問題を指定した方法で解け.

    1. 2次元のグラフを描いて解け.
    2. 総当たり法を適用して解け.
    3. シンプレックス法を適用して解け.

    問題3

    以下の(1)または(2)から一問選択して答えよ.(時間がある場合は,二問共解答して差し支えない.その場合は良い点数を得た方を選択した問題として総合点数に加える.

     

    1. 以下の方程式をガウスの消去法を用いて解きなさい.

    2. 都市計画にORを適用する際にはいくつかの困難が存在します.例えばどのような困難が存在するのか,1031日の講演内容に沿って簡潔に指摘せよ.

     


    解答・解説