文教大学

数理計画ソフトウェア LINDO の使い方 最初の一歩

 

オペレーションズ・リサーチ(OR)にて用いられる手法の大きな柱の一つである線形計画問題や整数計画問題を解くためのソフトウェアの一つがLINDO(Linear Interactive and Discrete Optimizer)です.文教大学では,5101端末室にLINDOを配置し,いつでもORの学習・研究に利用できるよう整備しています.

 

LINDOを利用するのに必要な知識

新マシンの使い方を知らない人は,「文教大学 新マシン 使い方の最初の一歩」,または 教育システム室作成・配布「新パソコン教室利用の手引き」を参照してください. 「文教大学 新マシン 使い方の最初の一歩」はインターネットでも読むことができます(URL http://www.shonan.bunkyo.ac.jp/~nemoto/lecture/software/newmachine/index.html)



オペレーションズ・リサーチの講義や教科書で学習しましょう.線形計画問題とは何かを知らずにLINDOを使うことは無意味です.

 

 

 

LINDOを利用するのに必要なもの

フォーマットは,1.44MBで行いましょう.DOS/V向けのフォーマット方式.NECPC98シリーズでフォーマットされたフロッピーは使えない可能性があります.Windows95でディスクのフォーマットをどのようにしてよいかわからない人は,書店に行って「Windows95」の使い方のマニュアルを買って勉強しましょう.

 

 

 

LINDOを立ち上げる(利用できる状態にする)

 

  1. Windows95を立ちあげる.
  2. 画面左下のスタートボタンに,マウスをあわせクリックする.
    (クリックとは
    ? マウスの右側ボタンを一回押すこと)
  3. 長細いリスト(スタートメニュー)が出てくる.リストの中で「プログラム」という項目がある.そこにマウスを移動する.すると,右側に新たな長細いリストが現れる.そのリストの中に「Lindo」という項目がある.そこにマウスを移動する.すると,また右側に新たなリストが現れる.その中の「LINDO」にマウスをあわせクリックする.(右上図参照)
  4. 画面中央に新たなWindow(下図参照)が現われ,LINDOが使える状態になる.

 

LINDOスタート時の画面 (windowの呼び名を確認しよう)

 

LINDO」と記されている外側の画面は「フレームwindowLINDOで使用する画面はすべてこのフレームwindow内に表示される.

 

内側の「untitled」と記された小さ目のwindow「モデルwindow

 

 

 

 

 

モデルの入力

 

LINDOで線形計画問題を計算するには,定式化したモデルを,ほぼそのままモデルwindow(前項参照)に入力して, solveボタンを押すと別な「レポートWindow」が現われ,問題の解が表示されます.

 

モデル入力から解を求めるまでを以下の例題を用いて説明しましょう.

例題 以下の線形計画問題を解きなさい.

 

LINDOに問題を入力する時は,モデルwindowを用います.(右図:例題をモデルwindowに入力した状態)

 

 

モデルには,目的関数,変数,制約条件式の3つが必要です.

 

 

各項目の書き方

 

 

モデルを解析する(問題の解を求める)

 

モデルの入力が終了したら,モデルの解析を行います.モデルの解析は,フレームwindowのツールバーにあるsolveボタンにマウスを合わせてクリックします.

入力が正しく行われていると,「DO RANGE(SENSITIVITY) ANALYSIS?(感度分析を行いますか?)」と聞いてきます.使うのに慣れるまでは「いいえ」で答えましょう.

感度分析とは? ORにおいて「もしもこうなったらどうなるか?」という探索的思考は重要な意味を持ちます.この思索に必要なデータを提供してくれるのが感度分析の数値です.LINDOに慣れたら,ここで「はい」と答えて,感度分析のデータも見るようにしましょう.

 

 

入力にエラーがある時は,An error occurred during compilation on line: ** (**行目で実行中にエラーが起きました)」と表示されます.モデルwindow**行目付近を見てエラーを訂正しましょう. かならず入力に間違いがあるはずです.

 

「いいえ(又は,はい)」に答えると,ステータスwindowレポートwindowが現れます. ステータスwindowは右下の「Close」を押して閉じてもかまいません.

 

ステータスwindow

ステータスwindowは問題の解かれ具合を報告しているデータです.(数理計画問題は現実的にはいつでも解けるわけではない!!)この表の読み方は,「始めの一歩」のレベルでは不要なので割愛しますが,LINDOに慣れたら読めるようになってください.

 

 

 

 

 

 

 

レポートwindow

 

このwindowでは問題の最適値(OBJECTIVE FUNCTION VALUE),最適解(VALUE),既約費用(REDUCED COST)や,各制約条件式に対するスラック(サープラス)や双対変数の値(DUAL PRICE)を表示しています.最後の行の No. ITERATIONはこの問題を解くのに何回繰り返し計算を行ったかを示しています.(シンプレックス法の反復計算をイメージしよう.)このレポートwindowのデータを読めるようになるのが線形計画問題をORの手法として利用するための基本です.

 

 

各データを保存する.

 

LINDOの各windowは適当な名前で保存することができます.

  1. フォーマット済みのフロッピーをAドライブに挿入する.
  2. 保存したいwindowにマウスを合わせクリックする.windowの上部にあるタイトルバーが青色になる.)フレームwindowの左上にある「File」にマウスをあわせクリックする.縦長のリストからSaveを選びクリックする.
  3. 保存用のwindowが現れる(下図参照).Aドライブを選び,適当な名前を付けて,OKのボタンを押す.

 

 

データの読み出し

一度保存したデータは読み出すことができます.フレームwindowの左上にある「File」にマウスをあわせクリックする.縦長のリストから「Open」を選びクリックする.読み出し用のwindowが現れ,Aドライブ(フロッピー)からデータを呼び出す.

 

 

LINDOを終了させる

 

  1. 保存しておくべきデータを自分のフロッピーディスクに保存する.
  2. LINDOのフレームWindowの左上に「File」という項目があります.そこにマウスをあわせクリックする.
  3. 現れたリストの中に「Exit」という項目があります.そこにマウスをあわせクリックする.
  4. LINDOが終了する.

 


注意:どうもうまくコンピュータが作動しないまたは終了できていない様子の時は
, プログラム相談員(たいていの時間プログラム相談室(3101教室)で待機してくれていて,相談にのってくれる人たち)か教育システム室に報告・相談しましょう.異常が起きたのに無視する態度は共同利用の施設を使う者としてマナー違反です.

 

 

以上が5101端末室の数理計画用ソフトLINDOを使うときの最初の一歩です.この一歩を踏み出したら,2歩目からはあなた次第です.がんばって!

 

更にLINDOを使いこなすための参考書

 

この手引きを作成するにあたり,以下の資料を参考にさせていただきました

  • 真鍋龍太郎著:LINDOの使い方(MSDOS版用),1995
  • SCS編:LINDO users manual

 

この手引きは個人的に作成したもので,教育システム室等が正式に作成したものではありません. 当資料の利用は個人の責任でお願いします. マシン・ソフトウェアに関する,公式・最新の情報は教育システム室等にお問い合わせください.

 

作成:平成9年10月6日(初版)

文教大学情報学部経営情報学科 根本 俊男(3209研究室・内線349)