オペレーションズ・リサーチ

数理モデルへの定式化 演習 III

 

以下の問題を数理モデルに定式化し,LINDOなどを利用して最適な解を求めよ.

注意:

  1. (決定)変数に何を取るか, 目的関数,制約条件は何か良く考えること.
  2. LINDOに定式化した問題を入力する時は,変数の名前をわかりやすいように工夫した方が良い. 問題にある数値がそのままモデルの中の係数(数字)になるとは限らない.数値データの単位の統一に気を付けよう.

 

演習1

文教薬品では来月薬品A〜薬品Fの6種類の薬品を製造し出荷する.薬品工場の製造部長はどの機械でどの薬品をどのくらい製造するか指示を出さなくてはならない.各機械はどの薬品でも製造することが可能で, 1つの薬品をいくつかの機械に分割して製造することも可能である.

不況の折りから製造コストを押さえて利益を最大にするような生産体制を取るように強く本社から命じられている.(決定に関連すると思われるデータは以下の表1にまとめてある.)

さて,各機械にどのように生産するように指示を出せば良いのか.製造部長に最善案を提案してください.

 

表1:文教薬品の薬品製造に関するデータ(社外秘)

  薬品1kg当たりの生産時間

(時間/Kg)

薬品1kg当たりの生産費用

(万円/kg)

 
来月の生産量(Kg)

機械

1

機械

2

機械

3

機械

4

機械

5

機械

1

機械

2

機械

3

機械

4

機械

5

卸値

(万円/kg)

薬品A 50 0.5 0.75 0.9 0.8 0.6 200 250 275 245 230 500
薬品B 100 0.75 1.125 1.35 1.2 0.9 325 350 375 350 285 1000
薬品C 150 0.4 0.6 0.72 0.64 0.48 185 200 225 200 175 800
薬品D 200 0.3 0.45 0.54 0.48 0.36 210 230 250 225 200 650
薬品E 125 1.25 1.875 2.25 2 1.5 520 600 750 800 700 1400
薬品F 75 0.6 0.9 1.08 0.96 0.72 910 950 1120 1000 980 2000
来月の各機械の

稼動可能時間(時間)

120 140 120 110 150  

 

演習2

文教石油ではA,B,C 3種類の燃料を販売している.

使用できるガソリンの上限は一級ガソリンが200kl/week, 二級ガソリンが300kl/week, 三級ガソリンが400kl/weekで,A,B,Cの販売利益はそれぞれ一リットル当たり70円, 90円,120円である.

(1)週当たりのA,B,Cの最適生産量を求めるためにこの問題を定式化せよ.

(2)最適解を算出し,最適生産計画を提案せよ.

(3)もし一級ガソリンおよび三級ガソリンがもっと手に入るとしたら,最適生産はどのように変化するか.簡潔に解説せよ.

(4)A,B,C3種類の燃料を生産しても,総利益が減らないようにするには,Bの利益をどれほどにすれば良いか.ただし,燃料A,Cの一リットル当たりの利益は変えないとする.

(5)燃料Cの品質を上げて1級ガソリン70%,2級ガソリン30%にしたい.価格をどのように設定すれば適切なのか提案せよ.

 

演習3

文教製紙では幅540cm,長さ50mの紙ロールを生産している.

これを用いて幅150cm,長さ50mの紙ロールを10本,幅120cm,長さ50mの紙ロールを20本,幅70cm,長さ50mの紙ロールを30本作りたい.

最小限必要な紙ロールの数は何本くらいか?

注意:

(演習2・3の出展:大鹿譲,一森哲男著「オペレーションズ・リサーチ モデル化と最適化」,p91-93 練習問題を一部改題,(共立出版,1993))

 

演習4

文教石油では下表2の4種類の原油を混合してできるだけ原料費が安く, しかも重量に対する硫黄分の割合が1%以下の重油を10000kl(キロリットル)生産したい. 最適な各原油の混合計画を提案せよ.

 

表2:各原油に関連するデータ

  原油A 原油B 原油C 原油D
比重(=重量/体積)(t/kl) 0.85 0.9 0.95 0.92
重量に対する硫黄分の割合(%) 0.4 0.2 4 2.5
使用可能限度量(kl) 10000 2000 15000 10000
仕入れ価格(円/kl) 15000 10000 7000 8000

 

作成: 根本 俊男(文教大学情報学部経営情報学科)
e-mail: nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp
URL: http://www.bunkyo.ac.jp/~nemoto/lecture/or/
作成日: 1998年11月25日