演習3-7

回転自動式4軸歯切盤の有効利用

回転自動式4軸歯切盤により,4種類の部品

の歯切り作業を行う.

作業に要する時間は以下の通りである.

部品名 F S C D
所要時間(分) 6 4 3 3

段取りとして,1軸にひとつのギアを加工する準備のために2時間必要である.

(1)

各部品とも600個加工しなくてはならない.

この回転自動式4軸歯切盤で各部品600個を加工する作業をなるべく早く終わらせるにはどのようなプランで各部品の加工を行えば良いか.4軸の加工順のプランを提案しなさい.

   
(2)

急に注文が入り,各部品とも600個加工する上にSを200個,Cを100個さらに生産しなくてはならない.(つまり,Fが600個,Sが800個,Cが700個,Dが600個生産しなくてはならない.)

この回転自動式4軸歯切盤で作業をなるべく早く終わらせるにはどのようなプランで各部品の加工を行えば良いか.4軸の加工順のプランを提案しなさい.

 

注意:

  1. 4軸歯切盤を利用するので,同時に4個の歯切り作業ができる.つまり,部品Fだけを4個ずつ加工することもできるし,Fを1個+Sを3個ずつ加工するということもできる.また,必ずしもすべての軸で加工作業をする必要はない.3つの軸のみで加工を行い,ひとつの軸は遊んでいてもかまわない.
    ただし,4つの軸は同時に動くので,ある軸のセットアップをする時は,すべての軸の作業は中断する.
  2. 段取り時間=セットアップ時間:一つの作業を終えて,次の作業を行うための準備時間.同じ軸で,同じ部品を加工する場合は段取りの必要はない.(あらかじめ加工資材をセットアップしておけばよい.)
  3. この問題に対しては,多分,ジョンソン法のようなすっきりとした解法は利用できないと思われる.しかし,現実にはこのような問題が多いので演習に取り上げてみた.実際の問題というものは,すっきりとした解法が存在するほうがまれで,むしろ泥臭い計算や考察が要求されることが多い.ただ,そのような場合でも,シンプルな問題設定に対してのすっきりとした解法に関する知識が役に立つことが多いのも事実である.その意味で,シンプルな問題設定に対するアプローチの仕方を定番として数多く理解しておくのは重要である.