オペレーションズ・リサーチ 1999年度 秋学期 中間試験問題

実施:1999年11月9日

解答上の注意

 

問題1

ある液体燃料で飛行する飛行機が基地に2機ある.それぞれをA機,B機とここでは呼ぶ.A機,B機はそれぞれの性能は以下に示すとおりである.

  燃費 搭載可能燃料量
A機 1キロリットル(kl)の燃料で1/4キロメートル(km)飛行する 1200キロリットル
B機 1キロリットル(kl)の燃料で1/2キロメートル(km)飛行する 800キロリットル
 

A機,B機は飛行中に互いに空中給油可能で搭載可能燃料量内であれば液体燃料を何度でも融通しあうことが可能である.

さて,2機ある飛行機で協力し,どちらか1機を基地から遠くに飛ばしたい.ただし,もう1機は基地に戻らなくてはならない.A機,B機のどちらが遠くまで飛び,どちらが基地に戻ってくるかは指定されていない.どのようなA機,B機の飛行計画を立てればよいか.次の問に答えよ.

(1) A機を基地に戻し,B機をなるべく遠くまで飛ばす場合の最適な飛行計画を導出したい.適当な(決定)変数を導入して,この場合の問題を最適化問題として定式化せよ.また,この場合の最適な飛行計画を提案せよ.
(2)

最適な飛行計画を提案せよ.

問題2

ある人が成人病の予防にと毎日ビタミンAを少なくとも4000国際単位(IU),ビタミンB1を少なくとも6mgずつ摂取するように医者から命じられた.

その人が身近で購入できる薬品は薬品P(1gあたり500円)と薬品Q(1gあたり600円)の2種類がある.成分表を見てみると,薬品Pには,1gにつきビタミンAが2000IU,ビタミンB1が2mg含まれている.一方,薬品Qには,1gにつきビタミンAが1000IU,ビタミンB1が3mg含まれている.

この時,最低費用で所要量を摂取するには薬品Pと薬品Qを毎日何グラムずつ取ることにすればよいか.また,その時の毎日の最低費用はいくらか.

(1) 薬品Pの摂取量をx1g,薬品Qの摂取量をx2gとして定式化せよ.
(2)
最適な購入計画を提案せよ.

 

 

問題3

次の線形計画問題に関し以下のの問に答えよ.

min.   -3x1-x2    
s.t.   x1+3x2 15
    2x1+x2 10
    x1 4
    x1,x2 0

 

(1) 上記の線形計画問題の実行可能領域を図示せよ.
(2) 小問(1)で図示したグラフを用いて上記の線形計画問題の最適解と最適値を導出せよ.
(3) 上記の線形計画問題の各制約条件式にスラック変数s1,s2,s3を導入することにより,標準形に変形せよ.
(4) 総当たり法を用いて上記の線形計画問題の最適解と最適値を導出せよ.
(5) シンプレックス法を用いて上記の線形計画問題の最適解と最適値を導出せよ.

 

 

作成: 根本 俊男
  文教大学 情報学部 経営情報学科
  e-mail: nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp

配点/テスト結果および講評