2000年 生産管理論 中間試験 配点・結果及び講評

 

ジョブショップスケジューリングと在庫管理に関する理解を確かめる基本的な問題を作成しました.

定番といえそうなタイプの問題をひねることなく出題したので,基本をしっかり理解している人には難なく高得点を取れる問題だったと思います.実際,得点を見てみると高得点者続出.よい傾向です.

ただ実際にこれらの手法を利用しようという場面でも基本的なものばかりではない講義で触れたような様々なほかの工夫が必要なことはしっかり覚えていてください.試験が終わったら忘れてしまうでは意味がありません.

問題1(40点)

(1)〜(3)は,導入用の問題.(4)は説明問題.あまり私は(4)のような問題は好きではありませんが,今年の受講生の理解度を言葉で示して欲しかったので出してみました.

(1) (5点) ガントチャート等を用いて終了時間の導出が必要.いきなり数字が出てくる人もいましたが,どうやって導出したのでしょうか?
(2)  (5点) ほとんど数学の問題.階乗を覚えていたかな?
(3) (10点) ジョンソン法を適用すればよい.どのようにして求めたか説明のない人は減点.
(4) (各10点) 解答は講義内容参照.(a)を選択した人はいませんでした.講義ではきちんと説明しているのですが….手法にばかり目がいくと大局を見失いますよ.(b)の総当り法ではn個のジョブの並べ方がn!個あることと,階乗のオーダーはnが大きくなると大きな数になることをコンピュータのスピードを含めて明記することが大切.(c)では正当性を示してくれた人は少数でした.講義ではしっかり時間を取ったのですが….
平均点27.2点;最高点39点,最低点0点.

問題2(60点)

在庫管理の基本的な問題.特に問題にひねりを加えることもなく直球で出題してみました.結果は,お見事.皆さん高得点でした.

(1) (平均導出5点,標準偏差導出10点) 統計の計算問題.標準偏差の推定値の出し方はいろいろありますが,どんな方法でも適切な方法は当たりです.
(2)  (15点) EOQの導出にEOQ公式を使うならどうして利用できるかの正当性の記述が必要です.利用できるモデルであることの説明がなく,ただ公式に当てはめて導出した人はマイナス5点.
(3) (15点) 発注点法で在庫管理を行う場合に決めなくてはいけない数値は「発注点」.「発注量」はEOQであることにも言及しよう.
(4)  (15点) 定期発注法で決めなくてはいけない数値は「発注サイクル」と「発注量」.発注サイクルはEOQから求められる.発注量は,需要予測期間の需要量から在庫量と発注残を引いたもの.ただし,この問題では発注残は存在しないはず(確認してみよう).よって,在庫量のみを引く導出法を示せは十分.
平均44.1点 最高点58点 最低点5点

得点データ

平均点は予想(60点)を上回り71.3点.なかなかすごい平均点です.多くの人が60点を越え,頼もしい限りです.

最高は96点,最低点は27点.後半もしっかりがんばって欲しい.


2000年11月20日作成

中間試験問題

試験対象:主に経営情報学科2年
2000年11月17日試験実施
根本 俊男(情報学部経営情報学科)
nemoto@shonan.bunkyo.ac.jp