卒業論文概要

「日本の葉茶人口は本当に減少するのか」

文教大学情報学部経営情報学科4年 大島 靖雄



 
 今年の2月19日に現代喫茶人の会主催による茶のシンポジウムが開かれました。そこで問題となったのが日本人の葉茶
(茶の葉っぱ)に関する意識が薄れてきており葉茶からお茶を飲む習慣がなくなってしまうのではないかという危惧が
されています。このことによって大変な痛手を受けるのが葉茶を扱う業界で深刻な問題になっています。またこのまま
だとお茶を飲む習慣自体が無くなるのではないかというところまで話が進んでいます。この議論自体に関しては議論と
して大々的に話されたのがこのシンポジウムが初めてであり話の焦点はその葉茶離れをくいとめる打開策が中心となっ
ています。しかし本来日本は古来より葉茶からお茶を愛飲してきた民族でありその歴史の長さからして容易にその習慣
は無くなりはしないだろうというのとかなり主観的な意見で議論が進んでいるのではないかというのが私の思ったこと
でした。
 今回の私の研究は茶のシンポジウムで話されている打開策を考えたのでは一方通行な考えしか導き出せないと思い、
逆にそもそも本当に減少するのかという原点に振り返りそこを明らかにすることによりこの問題の役に立てればと考え
ています。
 缶コーヒーが一般化してコーヒーが手軽に飲めるようになったことによりお茶を飲むという習慣が徐々に減少する傾向
が現れ始めました。困った茶業界の人達は缶茶で巻き返しを計ります。この作戦は見事に成功しいくらかの茶人口を復活
させましたがこの御手軽にお茶が飲めることが仇となり本来葉茶人口を獲得し直すための一環として始めたこの作戦がま
すます葉茶離れさせる原因となってしまいます。それを裏付けるように茶の生産量、家庭の年間購入量と支出を見ると確
かに減少の道程をたどっていることがわかりました。またこれは各時代における経済、文化(食文化も含めて)に大きく
左右されることも起因していることがわかりました。
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