まず、私は研究をする前に、これから先近い将来に自分の為に役立つ事をしたいと思い研究課題を考えました。そして、先生の助言で一つのテーマに注目しました。人事評価というテーマです。これこそが自分の為に役立つ事だと感じ取り掛かった次第です。
人事評価といえども、各々の企業によって評価項目、評価の仕方は様々ですが、ここで行なう私の研究は、これから終身雇用の時代が過ぎ能力の評価による人事制度が行なわれていくにふさわしい提案があったので、私もそれを試みたいと思います。
そこで、私は現実に使用されている評価では、評価される側(被評価者)は一方的に評価されるだけだから、何かと不満が生じると思いました。一方的な年功序列の評価では仕事に対する意欲がわかないだろうし、見返りというか成果に対する評価は必要です。そして人事側も、一方的な評価よりお互いが納得できるような評価を理想としていると思います。
上記の通り被評価者の不満を少しでも取り除くことが経営者側(人事側)の為になると思い、グループAHPを利用した人事評価なら相互に不満がなくなり、合理的だと思い、グループAHPを利用することが私の提案です。
まず、グループAHPを説明する前にAHP(Analytic Hierarchy Process)を説明します。AHPは階層分析法とも呼ばれ、その名前が示す様に、まず問題を階層化します。複雑な状況化にある問題を階層構造に分解します。階層の最上層は1個の要素からなり、その下に評価項目という各レベルが存在し、最後に階層の最下層に代替案をおきます。そして、各レベルの要素間の重みづけをします。これが一対比較と呼ばれるもので、1、3、5、7、9の数を使用し(2、4、6、8は補間的に用いる)、2個の評価項目で行ないます。次に、優先度の計算をします。一対比較によって得られた数値をもとに階層全体の重み付けが計算され、階層全体の重み付けを行ないます。これにより、総合目的に対する各代替案の優先度が決定します。以上がAHPの概要です。そこでグループAHPとは、前のAHPに集団の意思が合意されたAHPのことをグループAHPと言います。<参考文献1,2より抜粋>
私はあくまで被評価者の不満をなくすところに着眼しているので、評価項目を話合いで決め、一対比較値も話合いで決めウエイトをだします。各評価項目の重みをだしたところで自己評価を行なってもらいます。そして、私の評価と照らし合わせて成績をつけたいとおもいます。
上記の自分の意見で述べたとおりの成績の付け方で実際にバイト先の評価を行なってみることにしました。下の表は一対比較を行ないその結果得られた重みを表しています。
評価項目の簡単な説明
勤務態度 | 能力 | 勤続年数 | ウェイト | |
勤務態度 | 1 | 5 | 7 | 0.71 |
能力 | 1/5 | 1 | 5 | 0.22 |
勤続年数 | 1/7 | 1/5 | 1 | 0.07 |
勤務態度 | 接客 | 出欠勤 | 積極性 | ウェイト | |
接客 | 1 | 5 | 1 | 0.3195 | |
出欠勤 | 1/5 | 1 | 1/5 | 0.071 | |
積極性 | 1 | 5 | 1 | 0.3195 | |
能力 | 技術 | 吸収力 | 管理能力 | ランク | ウェイト |
技術 | 1 | 7 | 5 | 9 | 0.1364 |
吸収力 | 1/7 | 1 | 1/5 | 9 | 0.022 |
管理能力 | 1/5 | 5 | 1 | 7 | 0.0528 |
ランク | 1/9 | 1/9 | 1/7 | 1 | 0.0088 |
評価 | 接客 | 積極性 | 出欠勤 | 技術 | 吸収力 | 管理能力 | ランク | 勤続年数 | 総合 |
Y君 | 31.95 | 31.95 | 6.39 | 10.912 | 2.2 | 5.28 | 0.88 | 7 | 96.562 |
N君 | 15.975 | 22.365 | 7.1 | 9.548 | 2.2 | 2.64 | 0.352 | 5.6 | 65.78 |
S君 | 25.56 | 22.365 | 7.1 | 9.548 | 2.2 | 3.696 | 0.352 | 6.3 | 77.121 |
D君 | 22.365 | 19.17 | 5.68 | 8.184 | 2.2 | 2.112 | 0 | 3.5 | 63.211 |
私のバイト先は接客業なので、勤務態度に非常にウエイトが高くなっている所が伺えます。能力より態度がウエイトが高いので、能力があっても接客が良くなくては評価は良くならないことも分かりました。従って、勤務態度の接客、積極性が良ければその人の評価は非常に高くなります。(表の赤いところが非常にウエイトが高くなっていることがわかる)
私はグループAHPによって、評価される側の不満を少しでも解消することに着眼してやってきましたが、私の成績の付け方でも不満が生じてしまう事が分かりました。やはり、何かや誰かを評価をするというのは容易にはいかなく、今後、成績の付ける所で相互の不満を解消するようにさらなる工夫をすることが望まれます。
謝辞
最後に研究をするに当たって、いたらない私に御指導、アドバイスして下さった根本俊男講師に厚く御礼申し上げます。研究室のメンバーにも深い感謝の気持ちでいっぱいです。
参考文献