概要
座れる東海道線を目差して

情報学部 経営情報学科 4年 平井理文



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目的


もし朝のラッシュ時の電車に座れる事ができるならば、ゆっくり座って新聞や本を読める。そして、ノートパソコンや携帯電話によってインターネットやE-mailなどの軽い仕事ができるだろう。現状では夢に近い状況と思われるが、での程度の夢なのかを計ってみたいと考えた。そこで理想に近い東海道線に変えるためのシミュレーションを行ってみたい。もしこのシミュレーションから良い提案を生み出すことができたら、同じ中・長距離線である常磐線や高崎線などにも応用出来ると予想される。そうすればこれからの社会にとって電車の時間がとても重要な時間になるであろう。

シミュレーション内容


この研究では東海道線の改善案の一案を提案する。提案するにあたりまず、東海道線の利用人数を都市交通年報という書籍の中のデータから調べ、朝のラッシュ時での駅から駅までの乗車人数を出した。そして、WEB上の車両大図鑑というHPから車両の種類や特徴なども加味し、座れる東海道線を目指してシミュレーションを行うというものである。

朝のラッシュ時でも座れる東海道線を目差した「着席通勤」。これは座席数の多いボックスシートとグリーン車用二階建ての2種類の車両で編成した。そして、朝のラッシュ時にせめて新聞や本を読めるような個人のスペースを確保した東海道線を目差した「新聞通勤」これは定員数の多いロングシートで編成した。解決案として、この二つの東海道線を検証した。

特色


朝のラッシュ時でも座れる東海道線を目指すためにまず、車両の増結、次に列車の増発を考える。しかし、東海道線の場合はこうした対策がほぼ限界に達しているという。それでも貨物路線を利用して湘南ライナーをできる限りに有効に走らせているのが現状である。列車の増発は解りますが、車両の増結はホームの制約のために不可能であるという。しかし、私は朝のラッシュ時に座れるのならばもしホームの長さより電車の長さの方が長くて、その両端がホームから飛び出ることになっても車両内を歩いてその両端の車両へ移動してもらおうと考えている。東海道線は一つ一つの駅間が平均7分と長いので少し歩くぐらいの苦労は座れるのなら問題無いと考ている。そこで私の場合車両の組み合わせが大切な問題になる。しかし、車両を増結しても約50両ぐらいの長さになってしまう。電車は10両で約200mあるので50両は約1000mといくらなんでも長すぎる。東海道線のラッシュには最も乗車人数を減らせる路線の複々線化を用いるしか方法がないのである。そして、その複々線化した路線を東海道線αと呼ぶことにする。

結果


「着席通勤」の一本の車両数は86両となり、無駄な車両数は301両となる。そして、複々線化する駅間は横浜駅、川崎駅、品川駅、新橋駅、東京駅となる。一本の電車は長さにして1720m、ホームの長さを300mとすると片側710mもでる。座るために710mも車内を歩かなければならない。しかも、車掌が一本5人も必要となる。現実では考えられない数値である。

「新聞通勤」は一本あたり29両となる。長さにして580m、片側140mホームから出る。複々線化する駅間は横浜駅、川崎駅、品川駅、新橋駅、東京駅となる。車掌は2人必要である。乗車人数÷定員数で比較をしてみると現状では定員数の7倍もあった新橋駅と東京駅間が定員数の1.5倍にまで下がっている。しかも全駅間も定員数の2倍以下に下げることができた。