シミュレーション 前期期末試験

平成9年7月4日実施

 

解答上の注意解答の導出が明らかでない問題に関しては,解答のみでなく,解答の導出過程もわかりやすく記述すること.解答用紙のホチキスははずさないこと.

 

問題1

在庫問題に関して以下の問いに答えなさい.

  1. 在庫を経済的に管理する代表的な二つの基本的な方法(在庫管理法)として「発注点法」と「定期発注法」がある.これら二つの管理法の違いを明確にしながらそれらの特徴を説明せよ.
  2. ある品物の年間必要量をm,商品一つあたりの年間保管費用をa,1回あたりの発注費用をbとおいたとき,在庫関連費用を最も少なくする一回あたりの発注量(経済的発注量)はで与えられる.なぜこの値が導かれるのかわかりやすく説明せよ.
  3. 文教商事では高級バック「SYO−TO」を販売している.販売データは表1のとおりである.毎回の経済的発注量はいくつか.
  4. 文教商事では「SYO−TO」が在庫切れを引き起こす確率を5%以内にしたいと考えている.発注点はどのくらいになるか.


表1.「SYO−TO」販売管理データ

原価 10,000円
保管費 在庫価値額の2%
一回当たりの発注費用 45,000円
発注から納入までに要する期間 4ヶ月
一ヶ月当たりの平均売り上げ 150個
一ヶ月当たりの売上量の標準偏差 20個
在庫の管理方法 発注点法

表2.品切れを起こす確率と安全係数

品切確率 1 2.5 5 10
安全係数 2.33 1.95 1.65 1.28

問題2

文教食品では,弁当作りの工程を自動化したいと考えている.自動化導入に必要な資金は銀行から年利率10%で借りられる.

自動化を行うための装置の選定を行ったところ,2つの装置が候補に残った.社長は経営状態がそれほどよいというわけではないので,コスト面を重視した選定を望んでいる.さて,社長は自動化装置を導入を実施すべきでしょうか.導入するならば,どちらの装置を選ぶべきでしょうか.社長に対して適切な助言をしてください.

 

表3.二つの装置のデータ

  初期投資費用 年間当たりの予想利益 年間当たりの操業維持費用 耐久年数
装置A 900万円 700万円 300万円 5年
装置B 2000万円 800万円 100万円 5年