2−4 今後の加入意向                     目次へ戻る

 それでは非加入者が今後ケーブルテレビに加入する可能性はどの様になっているのだろうか。非加入世帯の現在のテレビ・メディアは、大きく見ると地上波テレビか、衛星放送(地上波を含む)である。そこで今後の加入意向についての回答を、現在の非加入世帯のメディア別およびケーブルテレビへの加入の検討の有無別に整理し、図7に示す。


図7 メディア別の今後の加入意向層(メディア別、検討の有無別)

 現在のメディア別に見た加入検討層は、地上波では二七%(N=44)、衛星放送(BS)では三二%(N=18)で、大体三割程度が地上波、衛星放送ともに検討層と言うことになる。さらに検討層と非検討層の間で加入意向の回答を比較すると、地上波でも衛星放送でも同じような傾向で、検討層ではいずれのメディアでも「1 加入意向あり」は五五%前後の水準にあるが、非検討層では二〇%前後である。一度加入を検討した層は、ケーブル加入に近い存在と見られる。

 ここで興味を引かれるのは、衛星放送も地上波もともに同程度に、ケーブルテレビへの加入意向があるという点である。加入理由を見ると、地上波においては「衛星放送」五六%、「テレビ映り」五一%、「映画・音楽」四二%であるのに対し、衛星放送の場合は「映画・音楽」七二%、「テレビ映り」五六%、少し減って「内外ニュース」二八%である。衛星放送では充足されないニーズの存在が理解される。

 以上より次の二点を言うことが出来よう。
@ケーブルテレビ加入に至るパスには、地上波→ケーブルテレビ、地上波→衛星放送→ケーブルテレビの2つが考えられるが、両方とも成立する。現時点での衛星放送とケーブルテレビは利用者の選択に際して競合関係にあるとは考えられない。
A検討層の加入意向層を次のケーブルテレビ加入の有力潜在層と見るとして、その規模は調査地域の世帯の約14%(ウエイト調整後)で、これは現在の加入率の約2倍である。


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