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第一章 研究の概要
 

1.1  研究の背景と目的
 

 大学生にとってお酒は法律的にも飲める年齢になり、サークルやゼミ、バイト仲間、友人、親戚等親睦を深める上で飲み会などが行われ対人とのコミュニケーションを図るために用いられている。私事ではあるが私の学生時代もお酒によって交友関係が広がり、親睦や絆が深まった経験をしてきた。
 しかしお酒の好き嫌いは人によって様々である。お酒自体の味が好きだという人や、お酒自体は好きでなくても飲み会の雰囲気が好きだという人だって存在する。また人によってお酒の効用・効果やシチュエーションも変わってくる。コミュニケーションおけるお酒や、気分転換によるお酒、人づきあいでのお酒…。
 そこでお酒が飲めるようになった大学生は普段日常生活においてどのくらい密着しているか。お酒を飲める人・飲めない人のお酒の日常での用い方や性格・性別・両親など条件の違いによって飲酒行動に違いが出るだろうか。特に大学生におけるコミュニケーションの観点から見る飲酒行動の違いと、正しいお酒の付き合い方について検証したいと思い、調査を実施した。
1.2 研究の方法

(1)進捗経緯
 

・ 6月:テーマ企画。文献や、インターネットでの調査を参考に企画の骨子を練った。
・ 7、8月:テーマ討論会。具体的な調査票を作成し、ゼミのメンバーで討論し試行錯誤した。
・ 9月:ゼミ討論会において、調査票最終案完成。
・ 10月:調査票の配布、回収。単純集計を行った。
・ 11月:単純集計結果をゼミ内で発表。
・ 12月:研究結果提出。
(2)研究の概要

a.調査の意図

・ 学生の日常生活における飲酒の状況について(好き嫌い、頻度、よく飲むお酒・好きなお酒…)
・ 大人数・少人数で行われる飲み会に違いはあるか。(メンバー、雰囲気など)
・ お酒の持つメリット・デメリットとはなにか。
・ お酒をコミュニケーションに積極的に取り入れている人とそうでない人の違いについて(性格・遺伝・お酒の好き嫌い)
b.主な調査項目
・ お酒の好き嫌い、頻度、お酒を飲む相手は誰か(日常とお酒の関連性を計る設問)
・ 飲み会の参加状況と飲み会の雰囲気(大人数と少人数の場合)
・ お酒を飲む行為をどのように感じているか
・ お酒の席や酔っ払いの迷惑行為、お酒の失敗経験について
・ 両親の飲酒状況
・ 付き合いでの飲み会参加について
・ 回答者のプロフィール


c.調査方法:アンケート調査(手配り手回収)
 

d.調査対象者:文教大学生
 

e.依頼数と回収数

依頼数:「プロモーション・デザイン論」(菊地勉先生)→約70枚
      「経営学」(三木佳光先生)→約60枚  
      その他手渡し→約10枚
回収数:129枚
1.3 成果の概要
研究の結論として得られた骨子を以下にまとめる。

・ 学生のお酒好きは半数弱程度、飲む頻度は月に1回が多く約3割で依存度はそれほど多くはない。

・ 普段お酒を飲む相手は身近な人が多い傾向が見られる。また一人での飲酒も3割弱の人が時々飲むことがあり、その理由はストレス解消が約3割を占めた。

・ お酒が好きな人は大人数・少人数問わず飲み会の参加度は高い傾向が見られる。またお酒に対する効用も肯定的な評価を与えていることが分かった。

・ お酒を飲む雰囲気は大人数・少人数ともにワイワイ盛り上がることが多いが、好きなのは雰囲気というのはしっとり語る飲みのようだ。

・ 性格や両親の影響によって飲酒行動は変わってくる。外交的性格や友好的性格の人ほど対人とのコミュニケーションに積極的である。また両親の飲酒行動の影響、お酒の好き嫌いや飲み会の参加度に違いが出ることが分かった。

・ 学生でも付き合いで飲み会に参加することも多くある。経験者は8割程度にのぼり、その理由は人付き合いだからという人が最も多く約6割である。

・ お酒の席で迷惑と感じることは平均してお酒好きの人よりお酒嫌いの人が強いことが分かった。また同様に男性よりも女性のほうが平均して迷惑と感じる傾向があった。

以上のことを踏まえ、次に表したのが研究の成果である。
 


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