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第三章 まとめと今後の課題
 
 

<学生の飲酒状況の面から>

 調査で分かったことは学生は思ったよりもそれほどお酒は日々習慣化されておらず、サークルやバイト仲間、昔からの友人と飲まれることがきっかけとなっているということが分かった。そういった面でお酒は人付き合いのツールとして用いられるということが分かる。しかし一方で学生でもストレス解消のためにお酒が用いられていることが分かり、現在の若者文化を象徴するものであった。
 

<対人コミュニケーションの面でのお酒>

 冒頭などで挙げたようにお酒は人と人とを結ぶ潤滑油であるというのは調査を通じて証明できた。やはりお酒を共に飲むことで楽しく、絆が深まり、本音を打ち明けられる場としてはふさわしい場であることは間違いない。学生にとってお酒とは習慣性や依存性といった個人的満足よりも他人とのコミュニケーションを図る手段となっているほうが強い傾向にあることが分かった。そうした飲酒行動の背景にはお酒の好き嫌いや、性格、両親の影響の条件によって変わってくるようだ。お酒が好きな人は日々の飲酒行動やお酒の効用に関しても肯定的である。また他人に対して外交的な性格や友好的性格の人、両親と飲酒する人も同様のことが言えるようだ。
 

<お酒が他人に与える迷惑行為>

 お酒の付き合いは大切であるが、決して一概にそれは楽しいだけのこととは言えないようである。付き合いで飲み会に参加することは多々あり、それは集団に所属していればその傾向が強いことが分かった。またお酒の好き嫌いや性別でも飲み会の感じ方も変わってくることが分かった。それは飲み会の雰囲気ひとつとってみても分かる。概して無理をさせられるのが他人にとって嫌なことであると言えよう。また酔っ払いがする迷惑行為も周囲や他人に迷惑をかける行為が最も煙たがれるというのが調査を通じて分かった。
 

<正しいお酒との付き合い方>

 このような点を踏まえ、正しいお酒との付き合いについて考えていきたい。1番に言えることは様々な面で他人に無理をさせない、自分も無理しないことである。調査でも分かったようにお酒の席で感じる嫌なことで一番多かったのがお酒を無理やり強要させられることであった。また好きな飲み会の雰囲気を見ても分かるようにじっくり語る飲み会が好まれるようである。ワイワイ盛り上がるのも学生らしく楽しいが、無理なテンションは逆にお酒によるストレスの元である。他人に無理をさせずにゆっくり自分のペースでお酒を飲むことがお酒の上手な付き合い方であり、お酒を自分も飲む相手も充分に楽しめることが出来るといえよう。今後大人になるにつれお酒との付き合いは多くなる。お酒が好きな人・嫌いな人関わらず正しいお酒との付き合い方をしていくことが必要であろう。
 
 

参考文献

・メルシャンホームページ     http://www.mercian.co.jp/
・キリンビールホームページ  http://www.kirin.co.jp/
・宝酒造ホームページ  http://www.takarashuzo.co.jp/
・「性格心理学への招待」[改訂版] サイエンス社  詫摩武俊、瀧本孝雄、鈴木乙史、松井豊共著 1990
 
 
 


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