お知らせ
受講生の皆さんへ
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学期後半もがんばろう!
講義で必要なもの:赤ペン、電卓、A4レポート用紙
講義の連絡等はこの掲示板を用いて行います.定期的にチェックしてください.
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講義概要
オペレーションズ・リサーチ(Operations Research, 以下OR:オーアール)とは,経営・政策における諸問題に対する問題解決・計画立案のための科学的な知恵の集大成である。(科学的とは,例えば,複数の計画案があるとき,経験と勘でこの案が望ましいと判断するのではなく,数理モデル・統計分析等を用いて各案の望ましさを数量的に表し,その中から最良の案を決定することである。)ORは多くの企業で呼び方こそ様々だが実際に利用されている実践的な学問である.経営情報を真に習得しようとする者は必須の知識であるし,経営情報学科出身者として企業が期待しているIT(情報技術)の中核の一つでもある.
経営情報学科ではこのOR関連の講義として
- 第3セメスタに「OR」
- 第4セメスタに「生産管理論」
- 第5セメスタに「数理計画」および「原書購読(OR)」
- 第6セメスタに「経営シミュレーション」および「意思決定論」
を配置し,経営情報のエキスパート養成の大きな柱の一つとしている.本講義はその柱の基礎として,ORの基本的な手法や考え方を最新の話題も交えて学習する。
ORを利用した現実の問題解決場面ではコンピュータを利用することが多い。しかし時間の関係で,本講義においては,コンピュータを用いた実習を行う余裕は無い。そこで「ソフトウェア演習」などの情報処理演習科目も取得し補完しておくことが望まれる.また,ORを修得するには多くの問題例に取り組む必要があるが,講義時間だけでは足りないので相当量の課題を毎回課す予定である.受講者は実習・課題に取り組む十分な時間を確保しておいて欲しい.逆に,バイト等でORの学習に十分な時間を確保できない人は単位取得は難しいであろう.
「OR」の単位取得は,3年次において根本ゼミナールを希望する場合の履修条件になる予定である。
根本ゼミナールを希望する予定のある者は必ず単位を取得しておいてほしい.また,他のOR系のゼミナールを希望する場合にも履修条件となる可能性がある.OR系のゼミナールを希望する予定のある者は十分留意してほしい.
Course Description
Operations Research
This course introduces Operations Research (OR)
techniques and their application to problem in business, industry, and government.
Emphasis is on deterministic models and extensions. Theoretical concepts are presented to facilitate
an understanding of the capabilities and limitations of these methods.
講義計画
ORで学んで欲しい素材はたくさんありとてもすべては教えきれません.他大学の講義内容を見るとなるべく基礎的な内容をまんべんなく教えるようになっています.しかし,ORが重要な学習科目の一つとなっている文教大学経営情報学科では週2回という比較的多くの時間が割り当てられていることを活かして広く基礎的な部分はもちろん、理解が表面的なもので終わらないように,取り上げるテーマによっては,深い部分にも取り組んでいきたいと考えています。
春学期
- ORの醍醐味
=経営情報を活かす手法=
- スケジューリングの手法(その1)
(その2は第4セメスタの生産管理論で扱う)
- 日程計画(PERT)
プロジェクトをいかに管理するか
- 費用を考慮したスケジューリング
- スケジューリングの作成の理論と実際
- 問題の発見とその答え
- システムを点と線で表現する
- ネットワーク上の最適化問題
- 最小木問題とその応用
コストの少ないネットワーク網をデザインする
- 最短路問題とその応用 最短経路を探せ
- 最大流問題とその応用 輸送経路の能力を測れ
- 最小費用流問題とその応用
いかに安く品物を届けるか
- ロジステックス戦略とその先端技術
よい物流システムを構築する
教科書・参考書
講義をしながら、受講生の様子を見て内容の難易度を変化させていくので、特に教科書と俗に認識される本は使用しないつもりです。
講義内容を補完するために自学を進める本として以下の参考図書を推薦しておきます。(私も講義内容の参考に使っています.)多くの本を紹介しますが自分に合う本を見つけて読み切るのが良いと思います.以下に紹介した本はほとんど図書館にそろえてあります.研究室にもあります.
OR全般の初心者向き入門書
- おはなしOR、森村英典著、日本規格協会(1983) (お勧め!)
- ORのはなし,大村平著,日科技連(1989),1550円+税.
- オペレーションズ・リサーチ読本、刀根薫著、日本評論社(1991)、1800円
(お勧め!)
- 問題解決のためのオペレーションズ・リサーチ入門、高井・真鍋編著、日本評論社(2000)、1800円.(情報システム学科の真鍋先生の本です.)
オペレーションズ・リサーチ全般のテキスト
- オペレーションズ・リサーチ、真壁他著、日本規格協会(1980)、2472円
- オペレーションズ・リサーチ モデル化と最適化, 大鹿 譲・一森 哲男著,共立出版(1993),2200円+税
- オペレーションズ・リサーチ 経営科学入門,岡太・後藤著,共立出版(1987),2900円+税
- 経営科学、定道宏著、オーム社(1989)、2816円
- 現代OR入門、西田・田畑編、現代数学社(1995)、4300円
- 初等ORテキスト、OR演習部会編、日科技連(1972)、2816円
- ORワークブック、OR演習部会編、日科技連(1984)、3592円
- ORの基礎,平井利明・横田雅利著,ムイスリ出版(1993),2250円+税
- ORの基礎 AHPから最適化まで,加藤・小沢著,実教出版(1998),2000円+税.
- 例解 OR 意思決定へのアプローチ,小和田正・加藤豊著,実教出版株式会社
- 初等オペレーションズ・リサーチ,小田中・正道寺著,槙書店(1995),3000円+税.
- 経営意思決定手法の基礎,中村雅章著,同友館(1997).
- 入門経営科学、宮川・野々山・佐藤著、実教出版(1999)、2800円
オペレーションズ・リサーチが経営情報の中でどのような位置
付けなのかを示した本
- 入門ガイダンス 経営科学/経営工学,古殿幸雄著,中央経済社(2000),2900円+税
- よくわかる経営工学,西村克己著,日本実業出版社(2001),1600円+税
ネットワーク計画関連テキスト
- グラフ,ネットワーク,組合せ論,藤重悟著,共立出版(2002),2800円+税.(お勧め!.グラフとネットワークを最適化の観点からまとめた日本語の本はとても少ないのですが,その中の代表的な1冊です.特に,3部構成の前半2部=グラフとネットワーク=をお勧めします!)
- 組合せ最適化とアルゴリズム、久保幹夫著、共立出版(2000)、2400円.(お勧め!)
- 情報の構造(上・下)、浅野孝夫著、日本評論社(1994)、各2900円(グラフ・ネットワークに関する解法が高度な手法まで多く解説されています.)
- 計算とアルゴリズム、浅野孝夫・今井浩著、オーム社(2000)、2800円.(アルゴリズムに関する知識の補充にお勧め)
- Network Flows、 Ahuja,Magnanti and Orlin著、Prentice-Hall(1993),約$70
ORの醍醐味を味わえる本
- 組合せ最適化[短編集],久保幹雄・松井知己著,朝倉書店(1998),3200円+税.
(お勧め!)(2000年度堀田ゼミナールテキスト)
- 巡回セールスマン問題への招待、山本・久保著、朝倉書店(1997)、3000円.(.根本ゼミナール 99年テキスト.)
- 最適配置の数理、岡部・鈴木著、朝倉書店(1992)、2900円.
(2000年度根本ゼミナールテキスト)
- 最適化の手法、茨木・福島著、共立出版(1993)、2800円(手法に興味のある人向き)
- 数理計画法入門 キャンパスのOR、今野浩著、朝倉書店(1992)、2600円
(ちょっと入門には難しいかも. 根本ゼミナール 97年テキスト.)
- 実践 数理決定法,今野浩著,日科技連(1997),2500円+税.
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応用数理計画ハンドブック,田村・久保・松井編根本他著,朝倉書店(2002),36000円+税.(数理計画の最前線情報が日本語で網羅されています.これはすごい!(価格もすごい!)図書館とか研究室に配架されてると便利だね.
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Excelによるシステム最適化,大野編,田村・伊藤著,コロナ社(2001),2500円+税.(Excelのソルバーやマクロを利用して線形計画を解きます.分枝限定法まで,マクロで実現しようという試みはすごいです.
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評価は2回(中間・期末試験)行うテスト結果により行う。
ただし,試験の点数(100点分)に,日頃の講義への積極性や毎回課す課題等の状況もプラス点として考慮する場合もある。
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更新日時: 2003年4月10日