目次へ戻る


4.6 他地域の分析

(1)分析のデータ

 これまではジェイコム湘南のデータをもとに分析を進めてきたが、ここでは同じ様な分析を96年9月に調べた横浜テレビ局のデータ(八ッ橋 1998)を用いて行った結果を示し、双方を比較して知見を整理する。

 表4.6-1は同調査における関連する分析のための変数表である。大きくは加入動機・関心、視聴傾向、世帯収入や家族数、電波障害などが挙げられている。なお同表では回答者を戸建て住宅に限定している。それは集合住宅では加入意志があっても物理的に加入できない加入者がおり、そのサンプルを分析対象には加えることが出来ないためである。
 

表4.6-1 横浜テレビ局調査のデータの変数とその内容
変数 内容(変数の選択肢) 平均 標準偏差
[加入動機/関心](1.重視・関心〜3.無し)
N12A N12.CATVへの関心.a.難視対応
1.68317
.87452
N12B N12.CATVへの関心.b.よりよい映像
1.85644
.85471
N12C N12.CATVへの関心.c.BS視聴
2.04950
.89082
N12D N12.CATVへの関心.d.多くのCHで色々な番組
1.76238
.83634
N12E N12.CATVへの関心.e.ケーブルで映画
1.95050
.82711
N12F N12.CATVへの関心.f.ケーブルでニュース
2.17822
.79044
N12G N11.CATVへの関心.g.ケーブルで音楽
2.28218
.78200
N12H N12.CATVへの関心.h.ケーブルでスポーツ
1.91584
.83329
N12I N12.CATVへの関心.i.ケーブルで学習番組
2.47030
.61621
N12K N12.CATVへの関心.k.ケーブルで経済ニュース
2.46535
.65509
N12L N12.CATVへの関心.l.ケーブルで地域放送
2.23267
.76641
N12N N12.CATVへの関心.n.ペイチャンネル視聴
2.62376
.66694
N12O N12.CATVへの関心.o.アンテナ更新不要
2.04455
.87132
N12P N12.CATVへの関心.p.アンテナ不要で家の美観向 
2.14356
.88895
N12Q N12.CATVへの関心.q.今後の多面的利用
1.92079
.76858
視聴傾向(1.よくする〜3.しない)
Q3A1 Q3a[1.あなた]見たい番組だけつける
1.59406
.71485
Q3B1 Q3b[1.あなた]仕事等でも何となくつける
2.53960
.77966
Q3C1 Q3c[1.あなた]事前に調べて決める
1.77723
.81946
Q3D1 Q3d[1.あなた]直前に番組を調べる
1.88119
.86141
Q3E1 Q3e[1.あなた]つけて番組を探す
2.02970
.89726
Q3F1 Q3f[1.あなた]コマーシャル時は別のチャンネル
1.96040
.90791
Q3G1 Q3g[1.あなた]番組探しでチャンネルを回す
1.76733
.85828
Q3H1 Q3h[1.あなた]0時過ぎまで見る
2.43069
.86251
Q3I1 Q3i[1.あなた]他人の番組をつきあいで見る 
2.36139
.75514
Q3J1 Q3j[1.あなた]つまらなくてもつい見る 
2.52475
.72749
Q3K1 Q3k[1.あなた]見たい番組無いとこまめに消
1.87129
.84245
F11 F11.世帯年収 (1.300万円未満〜6.2000万円以上)
3.22277
1.07198
Q1_1 Q1(1)家族数 (1.1人〜8.8人以上)
3.66337
1.43709
Q2 Q2.普段見ているテレビ台数 (1.1台〜5.5台以上)
2.46040
1.01281
Q6 Q6.電波障害 (1.見えない〜4.影響無し)
2.89109
1.22089
Q14B Q14.費用感.b.キャンペーン加入費2万円 (1.安い〜5.高い)
2.76733
1.28533
Q14C Q14.費用感.c.CATV基本料3000円/月(1.安い〜5.高い)
3.56931
1.06862

(注)サンプル数:202 集合住宅では加入意志があっても物理的に加入を阻害される場合がある。その様なサンプルは自由な意志決定を前提とする今回の分析の対象には適さないため、ここではサンプルを戸建て住宅に限定している。

(2)因子分析

 表4.6-1の変数を用いて因子分析を行った結果を表4.6-2に示す。特徴的な点は、因子の順序は若干異なるが、表4.3-2に示したジェイコム湘南の場合とほぼ同じ因子が得られている点である。因子として唯一異なる点は第9因子で、ジェイコム湘南では協調(節約)視聴というべき内容の因子であったが、この場合には確認視聴と呼ぶべき因子が得られている。この様にほぼ同じ因子が異なる地域のデータから得られることは、この様な構造が様々な地域にまたがって存在し、従ってこの構造を用いて加入問題を議論できることを示している。この点はかなり興味のある発見である。

表4.6-2 横浜テレビ局の場合の因子分析の結果
因子(平方和、寄与率) 因子に関与する変数と因子の内容 因子スコア
第1因子(3.1, 9.8%)
映画娯楽指向
N12D, N12C, N12E,N12Q,N12H,N12L
多チャンネルでの映画やスポーツ番組を望む傾向
FSCANA1
第2因子(2.7, 8.5%)
社会教養指向
N12K,N12F,N12I,N12G
経済ニュースをはじめとしてニュース、学習番組、音楽番組を望む傾向
FSCANA2
−(注3)
第3因子(2.2, 6.9%)
環境テレビ視聴
Q3B1, Q3K1(-)(注2), Q3J1,Q3A1(-)
とにかくテレビを点け、こまめに消すことはなく、つまらなくても見て、見たいの以外の番組も見る傾向
FSCANA3
第4因子(2.1, 6.7%)
走査視聴
Q3g,Q3f,Q3e
チャンネルを頻繁に回したり、点けてからチャンネルを回して番組を探したり、CM時には他局を見たりする傾向
FSCANA4
第5因子(2.0, 6.4%)
反アンテナ指向
N12P,N12O
メンテナンスや家の美観上でアンテナを嫌う傾向
FSCANA5
第6因子(1.8, 5.8%)
画質向上指向
N12A,Q6,N12B
電波障害の場合も含めて、テレビをきれいな画面で見ようとする傾向
FSCANA6
第7因子(1.8, 5.5%)
家族規模
Q1_1,Q2,F11
家族数や見ているテレビの台数、世帯収入など、家族の規模を表す
FSCANA7
第8因子(1.5, 4.8%)
割安感
Q14C,Q14B
ケーブルテレビの加入費用や毎月の基本料に対するコスト感
FSCANA8
第9因子(1.4, 4.3%)
確認視聴
Q3D1,Q3I1
直前に番組を確認して見たり、他者の見ている番組を見る傾向
FSCANA9
第10因子(1.3, 4.2%)
計画視聴
Q3C1,N12N,Q3H1
事前に見る番組を調べて決めておく傾向
FSCANAA

(注1)平方和と寄与率はバリマックス回転後の値である。寄与率の合計は62.7%である。
(注2)因子スコアに寄与する変数の符号が逆転する(係数が負の場合)場合、(-)でそれを示した。
(注3)映画娯楽指向が強まると、その因子スコア FSCANA1 は負で絶対値が大きくなる。この様な場合には−で示した。傾向が強まると正で絶対値が大きくなる場合には+で示している。

(3)判別分析

 因子分析であられた因子スコアを用いて判別分析を行った結果を表4.6-3に示す。各ケースともに10個の因子のうちの3〜5個の因子が判別係数を持っている。判別係数の傾向は、表4.3-3に示すジェイコム湘南の場合と同様に現れている点もあれば異なって現れている点もある。それらの比較をしながら様々な傾向を見ていく。

表4.6-3 横浜テレビ局の場合の判別分析と判別係数
因子スコア ケース1
加入(-) VS 非加入(+)
ケース2
加入・検討(-) VS 未検討(+)
【参考】(注1)
加入(-) VS 検討(+)
1.映画娯楽指向
FSCANA1(−)
 
0.476 (3)
 
2.社会教養指向
FSCANA2(−)
     
3.環境テレビ視聴
FSCANA3(−)
0.439 (4)
(注2)
0.417 (4)
 
4.走査視聴
FSCANA4(−)
     
5.反アンテナ指向
FSCANA5(−)
   
0.470 (3)
6.画質向上指向
FSCANA6(−)
0.767 (1)
0.618 (2)
0.806 (1)
7.家族規模
FSCANA7 (+)
     
8.割安感
FSCANA8(−)
0.518 (2)
0.389 (5)
0.530 (2)
9.確認視聴
FSCANA9(−)
0.462 (3)
0.619 (1)
 
10.計画視聴
FSCANAA(−)
     

グループ 加入 非加入 加入・検討 未検討 加入 検討
分析サンプル数
118
84
146
56
118
28
判別関数重心値
-0.524
0.736
-0.390
1.016
-0.188
0.790



Wirks'λ
0.720
0.714
0.869
判別式の検定
0.0000
0.0000
0.0002
正準相関係数
0.529
0.534
0.361
正判別率
73.3%
73.8%
73.3%

(注1)【参考】の場合、データから未検討グループを除外したために、10個の因子スコアの独立性は失われ、変数間に相関が生じる。この場合には「反アンテナ指向」、「割安感」と「協調視聴」の相関係数は大きい場合で-0.078の水準にある。しかしこの程度の相関は判別係数の順位に影響してはいない。
(注2)( )番号は判別係数の絶対値の大きさの順位を表す。

a.ケース1:加入グループ VS 非加入(検討非加入・未検討)グループ

 ケース1では正準相関係数は0.529であり、正判別率は73.3%である。この点ではジェイコム湘南とほぼ同じ水準にある。この水準の判別を実現する判別係数は4つの因子が持っており、解釈は次のようになる。先有傾向としては、直前にテレビ番組を確認してテレビを見る確認視聴と環境テレビ視聴の強い世帯主が、画質向上を加入動機としてケーブルテレビに関心を持ち、そのうちでも割安感の強い者が加入者になる。最も寄与が大きいのは画質向上指向であり、次いでコスト感、次いで先有傾向となっている。

 この様な判別の状況を、因子スコアの平均値で見ると、図4.6-1となる。同図では平均値が有意差を持つ4本の軸が、それぞれ判別分析の係数を持つ軸に対応している。これらの4本の軸では明らかに加入者の傾向が非加入者の傾向より強いことを示している。


図4.6-1 加入グループと非加入グループの因子スコア平均値
(注)グラフの軸は外側ほど絶対値が大きく符号は負である。したがって、外側ほど軸の傾向が強いことを表している。

 次に表4.3-3のジェイコム湘南の場合と比較して特徴を列挙すると、次のようになる。

  1. ジェイコム湘南では画質向上指向が最も絶対値が小さい係数であるのに対して、横浜テレビ局では最も大きい係数となっている。
  2. ジェイコム湘南では加入動機に社会教養番組、映画娯楽番組が強く上がっていたのに対して、横浜テレビ局では両方とも現れていない。
  3. ジェイコム湘南では先有傾向として第9因子に協調(節約)視聴が効いていたが、横浜テレビ局では同じ第9因子は確認視聴で、これが判別に効いている。
  4. 双方に環境テレビ視聴があり、この因子は共通する先有傾向となっている。
  5. 双方で割安感(コスト感)も共通し、いずれの場合も判別には大きい貢献をする。

 1〜3は相違点であり、4〜5は類似点である。このうち1と2が生じてきた原因としては次の状況を挙げることが出来る。

 まず1についてである。ケーブルテレビのサービスの環境条件であるが、横浜テレビ局のエリアは都市構造物や地形による難視が多く、加入者の1/3程度が何らかの電波障害を経験し、その結果として電波障害故の加入が目立っていた。電波障害がなかったら加入してはいなかっただろうと思われる加入者が相当数含まれていると考えることが出来る。それに対してジェイコム湘南の調査地域は海岸の平地であり、電波障害による加入については有意性がなかった。このため横浜テレビ局の場合には画質向上指向が最重要な加入動機となり、番組に関する動機はマスクされて独立の要因としては現れなくなってしまった。それと対極にあるジェイコム湘南では電波障害の加入動機がなく、したがって画質向上指向が最も弱い要因となっている。したがってこの点は明らかにサービスエリアの相違を反映しているものと考えられる。

 図4.6-1と同じグラフだが、加入者を電波障害の有無で2グループに分けて平均値を求めたグラフを図4.6-2に示す。同図によると、電波障害のない加入グループは加入動機の映画娯楽指向が強く画質向上指向が弱いのに対して、電波障害のある加入グループは画質向上指向が強く、映画娯楽指向が弱い。この点が双方で最も大きい相違点であることが分かる。図4.6-1はこの2つが平均されて現れていたものである。


図4.6-2 加入グループ(電波障害有無)と非加入グループの因子スコア平均値

 次いで2は次の点に起因していると考えられる。横浜テレビ局の場合には、調査時点での世帯加入率は8.2%であった。これに対してジェイコム湘南の場合には世帯加入率は12.7%で、世帯普及で見れば約1.5倍の水準にある。ロジャーズ(1990)の普及理論の採用者グループを援用して若干考察する。ケーブルテレビの飽和普及率を米国の現状である65%程度の世帯普及と見れば、横浜テレビ局の場合は、革新的採用者(イノベーター)の段階を過ぎて初期少数採用者の段階(0.65×16%=10.4%まで)にある。難視加入があることを考えれば、実効的にはもう少し前の段階かも知れない。それに対してジェイコム湘南の場合には12.7%であるから、既に初期少数採用者の段階を過ぎて、前期多数採用者の段階にあると見られる。この様に加入層が質的に変化すると、当然加入動機も変化することが予想される。

 他方で従来からこの種の分析を試みているが、調査時点では加入率が低い段階にある横浜テレビ局や同様な加入率にあった横浜ケーブルビジョンでは、社会教養番組を指向する者は概して加入には至らないという傾向があった(後の図4.6-5にその傾向を見ることが出来る)。この様な経験から見ると、社会教養指向がジェイコム湘南のように加入動機として前面に出てきた理由としては、新たな番組開発が奏功しているかも知れないとしても、いよいよその様な層が加入者として登場する段階に入ってきたと考えるのは自然である。この点はより深く検討すべき今後の課題である。

 1と2の相違点が理解されたとすると、類似点としては常に先有傾向の環境テレビ視聴とコスト感の割安感があり、全体としては先有傾向と加入動機・関心、それにコスト感で判別が行われるという、ごく自然の構造が見えてくる。この様に見てくると、地域差があるとしても加入問題を同一の枠組みで議論できる可能性が明らかとなり、今後の分析状では極めて重要な手法が得られることとなる。ただし3の第9因子の相違点は、これが双方の場合にそれぞれ判別係数を持つので、より深い検討が必要となる。この点も今後の課題である。

b.ケース2:検討(加入・検討非加入)グループ VS 未検討グループ

 検討グループと未検討グループの判別結果がケース2に示されている。今度は先有傾向としては確認視聴と環境テレビ視聴の強い者が、画質向上と映画娯楽番組を求め、さらにそのうちでも割安感の強い者がケーブルテレビへの加入を検討するようになることを示している。映画娯楽番組希望が前面に出てきた点に特徴がある。図4.6-1を見れば映画娯楽指向の加入者の平均値は若干外側にあるので、寄与が小さい係数であれば持ち得たのであるが、ステップワイズ法により省略されている。また割安感の係数も大分小さく、加入検討層に至るにはコスト制約はそれほど大きくはないことを示している。

 この判別係数に対応するグループ毎の因子スコアの平均値を図4.6-3に示す。図4.6-1よりも有意な軸が1本多くなり、それを反映した判別係数を生じている。なお同図と図4.6-1の社会教養指向の軸上での平均値の分布を見ると、社会教養番組を望むものが検討段階にはいるが、加入には至りにくいことが理解される。


図4.6-3 加入・検討グループと未検討グループの因子スコア平均値

c.参考ケース:加入グループ VS 検討非加入グループ

 ケーブルテレビへの加入を検討するグループがその後に加入に至るか、それとも非加入に至るかを判別した結果が参考ケースである。同ケースでは先有傾向はもう問題にならず、加入動機とコスト感が問題になっている。この判別係数によると、加入検討をしたグループのうちで、今度は画質向上とアンテナ不要を希望する層が加入有望層となり、さらにコスト感の弱い層が加入に至っている。大筋としてはかなり単純な決まり方である。

 この判別分析に対応する因子スコアの平均値の分布を図4.6-4に示す。平均値に有意差のある2本の軸と、有意差に近い差をもつ反アンテナ指向の平均値の差が、判別係数となって現れてきている。興味ある点は映画娯楽指向と社会教養指向の軸である。双方の軸ともに検討非加入のグループの方が、加入グループより希望が強いのである。それぞれの中には様々な指向性を持つ人々が入っているわけだが、平均値の結果で見る限り、番組を加入動機とする層は検討非加入の方が多く、画質や反アンテナを指向する層が加入者に多いことを示している。


図4.6-4 加入グループと検討非加入グループの因子スコア平均値

  そこで今回も加入グループを電波障害のある加入グループと電波障害のない加入グループに分けて、因子スコアの平均値を求めたグラフを図4.6-5に示す。同図によると検討非加入グループは電波障害のない加入グループは同程度の映画娯楽指向の強さにはなっている。しかし反アンテナ指向と割安感の差が加入と非加入を分けていることが分かる。他方で検討非加入層と電波障害のある加入層との差は、画質向上指向、反アンテナ指向、割安感のすべてに依っていることが分かる。また社会教養指向が加入に至りにくい様子も理解することが出来る。


図4.6-5 加入(電波障害有無)グループと検討非加入グループの因子スコア平均値

 結局、全体像としては、加入者の相当数にはケーブルテレビの番組よりも副次的な効果を求めてケーブルテレビに加入している層が相当数居り、これらの層は初期段階で加入が飽和するであろうこと、またa.ケース1で述べた、普及率や普及段階によって加入層が変わること、さらに加入層の構成には地域性が関与することも示している。

d.確認視聴の因子スコア検討

 第9因子確認視聴は判別分析では極めて強い効果を及ぼす変数である。そこでこの因子スコアのグループ間の差がどの様に生じているのかを、因子スコア係数行列を見て検討することとした。因子スコア行列によると第9因子の主なスコアは次のように表される。
なお z??? は変数 ???の標準化データ を表す。
 

(1)fac9main 0.551*zq3d1 + 0.392*zq3i1
(2)facsub 0.153*zq3k1 -0.265*zN12B + 0.142*zN12E −0.236*zN12Q + 0.20*zq6
(3)第9因子スコア (1)fac9main + (2)fac9sub

 各サンプルごとにこれを計算して平均値を求めると、加入vs非加入、加入・検討vs未検討のグループ間では、(1)には大きい有意差(Sig.**〜****)があるが、(2)には有意差は無かった。また(3)は(1)の影響で、(1)に準じた有意差を生じている。結局これによると有意差を生じているのは、q3d1とq3i1 であることが分かる。q3d1とq3i1は単独でも有意差はあるがそれぞれは弱いものだった。それが(1)に示す線形結合によって、グループ間の有意差を拡大していることが分かった。したがってこの場合は4.3節で述べた第9因子協調視聴の場合とは挙動が基本的に異なるものであった。


次へ進む
目次へ戻る