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2007年度 教育研究所共同研究報告書 
 


大学におけるFDの動向
−事例分析を中心に− 

2008年2月刊行

まえがき

教育研究所 所長 平 沢  茂

 大学全入が叫ばれる今日、大学における教員のFD(faculty development)、すなわち教員の能力開発が大学の成否を分ける要因となった。FDは、本来、行政が強要するものではなく、大学の内部の自己責任でなされるべきものである。大学入学希望者に選択される大学であり得るか否かを分ける要因が、FDだからである。
  日本でFDが強調されるようになったのは、日本の大学が「大学冬の時代」、「大学氷河期」の入り口に立った20年ほど前からである。FDの核が授業改善にあることは言うまでもない。しかし、当時、その具体策が十分に議論されたかと言えば必ずしもそうではない。教員に抵抗感は強かったものの、外向けには見映えのする「学生による授業評価」が手っ取り早いと考える関係者が多かった。いや、それは、現在にも通じるように思う。しかし、「学生による授業評価」の効果は不分明である。と言うより、厳密な検討を経ないそれは、むしろ危うい存在である。もう少し刺激的に言うなら、期末試験の学生の出来・不出来こそ、本来の授業評価なのである。
  「学生による授業評価」よりは、むしろ専門の近い(担当科目の関連のある)教員相互の授業研究の方がずっと効果的である。また、期末試験で出来の良かった学生数人、出来の悪かった学生数人と、忌憚なく授業に関する話が出来るとすれば、お手軽で信頼性の低い授業アンケートよりずっと効果的な授業改善の手段となるだろう。
  外向けに見映えの良い「学生による授業評価」でお茶を濁すか、授業改善に向けて時間と手間をかけて本格的なFDに取り組むか、これこそが大学の成否の分水嶺になるに相違ない。
  本報告書は、近年の他大学のFDの実践を、紹介する目的で編まれた。本学では、比較的早い時期から、本研究所が刊行してきた『文教大学の授業』という優れた実績がある(既刊分は本研究所ホームページで閲覧可)。しかし、他大学では、趣の異なる実践や、さらに踏み込んだ実践に取り組む例が増加している。この報告書が、多くの教職員の目にとまり、本学におけるFDの議論に一石を投じることができればと願っている。

 


目 次

全教員参加による公開授業日の設定
−常葉学園大学のFD−
(文教大学教育学部 平沢 茂)

玉川大学におけるFD活動
(文教大学教育学部 手嶋將博)

駒澤大学のFD
(文教大学教育学部 米津光治)

法政大学におけるFD活動
(文教大学教育学部 会沢信彦)

「学生による授業評価」の評価と授業改善
(文教大学教育学部 平沢 茂)

 


報告書

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