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3.2 インターネットの情報の評価
ここではインターネットの利用者だけに限定して、インターネットの情報がどのように評価されているかを調べた。代表的な項目に関する結果を図 3-2-1に示す。
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「他人の意見を聞くことができて良かったか」という設問では、インターネットを 1日1時間以上利用者の平均値は2.09で、良かったと思った人が多かったといえる。「誤審について多くの情報が得られたか」という設問では、 1時間以上の利用者の平均値は2.36で、テレビや新聞などと比べると誤審について多くの情報を得ることができたようだ。
「テレビ・新聞などの情報に疑問を持ったか」という設問では、 1時間以上の平均値は、2.45で、1日1時間以上の利用者はインターネットから情報を得たことによって、テレビや新聞の情報に疑問を感じたと考えられる。
3つの設問に対する 1時間未満の利用者の平均値は約3.1で、1時間以上の利用者に比べると平均値が大きかった。
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1日1時間以上のインターネット利用者は、どの設問でも平均値は2前後にあり、インターネットとテレビ・新聞の情報に違いを「2.やや感じた」となっている。他方で1時間/日未満の利用者はどの設問でも平均値は3前後で、明確にされていない。また両者には、どの設問でも平均値の差は統計的に有為性を持っている。グループ差は明確である。
1 時間/日以上の利用者と1時間/日未満の利用者で特に差が見られたのは、「チームの取り上げられ方の違い」「誤審問題の取り上げられ方の違い」「韓国の日本に対する態度の違い」「韓国の実情に関する報道の違い」の4つの設問である。
「チームの取り上げられ方の違い」では、 1時間/日以上の利用者の平均値は1.82で、テレビ・新聞の情報とインターネットの情報では違いがあったと感じていたといえる。
「誤審問題の取り上げられ方の違い」では、 1時間/日以上の利用者の平均値は1.64で、1時間/日未満の利用者と比べると大きな差がみられ、1時間/日以上の利用者は誤審問題の取り上げられ方に特にちがいを感じたようだ。
「韓国の日本に対する態度の違い」と「韓国の実情に関する報道の違い」の2つの設問における 1時間/日以上の利用者の平均値は1.91と2で、1時間/日以上の利用者はやや韓国に関する報道に違いを感じている。
それでは、このような両者の差はどこから生じているのであろうか。インターネットの最も有力な情報源は Webのサイトであるため、この2つのグループがどのようなサイトを利用していたのかを図3-2-3-に示した。
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1 時間/日未満の利用者と1時間/日以上の利用者ではよく見ていたサイトの種類に顕著な結果が現れた。1時間/日未満の利用者はW杯公式サイト、ポータルサイトのスポーツ、スポーツサイトなどを見ていた。これは、試合結果の速報などの情報を手に入れるためと考えられる。1時間/日以上の利用者では、ポータルサイトのスポーツは同じだが、国内個人サイト、掲示板サイトなどが多く見られていた。速報と同時に様々な意見を知るサイトを見ており、W杯を良く知るための深い情報を得るためだったと考えられる。
この 2つのグループの情報源の差が、2つのグループの認識の差を作り出す源泉の1つとなっていたと考えられる。換言すれば、国内個人サイトや掲示板サイトなどの草の根的な意見に触れたか触れないかがこれまでにのべてきた認識差をつくり出す一因となっていると考えられる。
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