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第二章 アルバイト探しの情報源に関すること
2.1 4つの主流媒体について
アルバイト探しにおいて絶対はずせないメディア媒体がある。まず一つ目は、有料のアルバイト情報誌である。これは、書店やコンビニエンスストアーはもちろんのこと、駅構内のキヨスクでも手に入れることができる。二つ目は無料のアルバイト情報誌である。これは、お弁当屋やレンタルビデオショップ、クリーニング屋などと日常生活に密着した店舗に設置されている。一つ目の有料のアルバイト情報誌よりさらに手に入れやすい条件が料金面や設置面においてそろっていると言えるだろう。三つ目としてパソコンインターネットである。これは、二つの面がある。一つ目は先で述べた有料のアルバイト情報誌が立ち上げたサイトである。これは有料のアルバイト情報誌とほぼ同じような情報が掲載されている。二つ目は、インターネットサイトのみの情報である。そして最後に、携帯電話インターネットである。これも三つ目で紹介したような二つの面をもっている。これから、この四つのメディア媒体それぞれの特徴と、それぞれのメディア媒体との比較をしていきたい。
2.2 有料アルバイト情報誌
有料アルバイト情報誌は、アルバイト求人情報を主に掲載している有料で発行している雑誌媒体である。これには大きく3つの特徴がある。ここでは、有料アルバイト情報誌の主流とも言える学生援護会から毎週月曜日と木曜日に発行されている「 an 」と、 リクルートから毎週月曜日発行されている「 from A 」を例に出して考えていきたい。まず一つ目として料金と情報面である。もちろん有料雑誌なので料金はかかる。しかし、毎週1回ないしは2回と発行されているので価格は「 an 」は100円?210円(発行地域によってそれぞれ価格が違う)、「 from A」は200円と低めである。しかし、1冊個の情報が載っている。これは低価格にしてはかなりの大量な情報だと思う。これはほんの一例だが、ある「 an 」は1冊にアルバイト情報掲載件数が782件であった。たった150円でこれほどもの情報を得ることができたのならそれほど高い値段とは言えないだろう。
二つ目としては、条件を自分で絞って情報を検索することができる。はじめに「 an 」を例として挙げてみる。第一段階として、大まかに勤務条件、こだわりの業種や職種そして勤務エリアの3つのうちどれかを選ぶ。そのあと第二段階として、さらに細かく絞って検索することができる。例えば、最初に勤務条件を選んだ場合を検証してみよう。次に絞れる条件としては、短期の仕事や高収入、学生歓迎バイト、人材派遣、ナイトワークなどがある。この中のどれかを選び、それが掲載されているページを開くと自分の条件で絞った情報がでてくるのだ。また、情報一つ一つに時給などの勤務条件の他に、優遇内容やどんな人を求めているのかがマーク一つでわかるようになっている。そして、勤務条件以外にも、希望の職種や業種がすぐに見つかるように仕事のマークがある。このように探す側にピッタリの条件をチェックすることによって、より自分の条件にあったアルバイトを探すことができるのだ。次に「 from A 」を例として挙げてみる。「 an 」との違いは、第一段階から細かく条件を絞って検索することができるのである。また、「 an 」に比べて業種や職種、勤務条件をさらに細かく分けていると思う。例えば「 an 」の場合は販売とビューティーが一緒の検索条件欄にあるが、「 from A 」は、販売でもショップ販売、レジャー・ホテル、営業などの4つに分かれている。またビューティーでも、ファッションと理容・美容の2つに分かれている。このように、有料アルバイト情報誌一つとってもこんなに違うが自分の検索条件に沿った情報を得やすくなっているのだ。
最後に発行している版が広くなっているということである。「 from A 」は関東版、関西版、東海版の3つである。そして、「an」は関東版、関西版、中部版、九州版、北海道版、かながわ版、北九州版の7つである。この版のメリットをひとつの例をあげて検証してみよう。例えば、神奈川県から東京都内の学校へ通っていて、神奈川県と都内どちらかでアルバイトを探しているとしよう。もし、版がせまければ神奈川県の有料アルバイト情報誌と東京都内の有料アルバイト情報誌の両方を買って探す必要がある。しかし、版が広いと1冊で都内と神奈川県両方のアルバイト情報を得ることができるのだ。このように、版の範囲が広いとその場にいなくても近隣県のアルバイトを探すことができるのだ。
上記してきたような三つの特徴から有料アルバイト情報誌はわざわざお金を出して情報を得る価値があるものだといえる。
図 2-1 有料アルバイト情報誌の利用の有無(n=77)
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図2-1はアンケート回答者がこれまで有料アルバイト情報誌を利用の有無を表したグラフである。このように、今回の調査ではあまり利用されていなかったが、使いやすさについては値段の面においても、検索面においても定評がある。
2.3 無料アルバイト情報誌無料アルバイト情報誌は、アルバイト求人情報を主に掲載している無料で発行している雑誌媒体である。これには大きく4つの特徴がある。ここでは、神奈川県をはじめとした首都圏を主体とした無料アルバイト情報誌2誌を例にあげて検証していくことにする。まず1誌目は、株式会社アルバイトタイムスが毎週木曜日に発行している「 DOMO 」である。これは静岡から誕生した無料情報誌である。静岡県下はもちろんのこと最近では、横浜をはじめとした首都圏にも範囲を広げてきている。2誌目は、株式会社リクールトが毎週月曜日に発行している「 TOWN WORK 」である。リクールトは求人情報に関しては日本の中でもトップを走る企業である。その企業から発行されている「 TOWNWORK 」は後々出てくるように首都圏だけではなく日本全国にある日本でもっとも身近な無料アルバイト情報誌だと言えるだろう。
まず一つ目は、発行している版がより細かく、そして狭くなっているということだ。「 TOWNWORK 」は神奈川県内に9版、都内に3版、埼玉県内に3版、千葉県内に3版また、関西地域にも数多くの版を持っている。神奈川県内だけでも有料アルバイト情報誌に比べて多くの版をもっている。このことからわかるのは求人情報が地域密着型であるということだ。版の範囲が広い有料アルバイト情報誌ではどうしても見逃してしまう地域ならではの小さなでも欠かすことのできないお店の求人情報が載っている。この利点は自分の生活範囲内でアルバイトを探すことができるのだ。しかし、版が狭いと言うことは情報が少ないと言うこともいえる。「 TOWNWORK 」の平塚・小田原周辺版の9月30日発行は134件の求人情報しか掲載されていない。これは週二回発行している有料アルバイト情報誌に比べてもかなり少ない。これは範囲が狭いということだけではなく土地土地の特色ともつながるだろう。やはり横浜でも横浜駅などの周辺はたくさん求人情報もあると思われるが、ベッドタウンと呼ばれる旭区や泉区や港南区と言った範囲の版はやはり求人情報が少なくなってしまう。さらには、平塚や小田原といった県の中心部から離れるとさらに求人情報が減るのである。
次に、当たり前だが無料であると言うことだ。これはかなり大きな特徴である。有料と無料というのは情報の受け手にとって心理的に大きく違う。1円でもお金を払って情報を得ることが当たり前の現代にあって、無料で情報を得ることができるというのは情報の受け手にとっては今までより情報をえやすくなっていると思う。そこまで情報をえる必要性がなくても情報に気軽に触れることができる。つまり、そこまでアルバイト求人情報を必要としていなくても気軽に無料アルバイト情報誌を手にすることができるのだ。
3つ目として、どこにでもあるということだ。「 TOWNWORK 」も「 DOMO 」も日常生活に密着している場所、例えば駅の近くのコーヒーショップや大型スーパーマーケットなどにある。「 TOWNWORK 」の平塚・小田原周辺版は286の場所に設置されている。そして茅ヶ崎市内には95の場所にある。その一部としてコンビニエンスストアーや書店、銀行などがある。やはり日常生活に密着している場所だ。有料アルバイト情報誌も手に取りやすい場所に売られているが、さすがに銀行やレンタルビデオ屋には置いていない。どこにでもあるということは情報を得やすくなっているということだ。二つ目で挙げたものと似たところがある。というのは探そうと思って探す人ばかりではないのだ。なんとなく見てみるといった人も多いと思う。そこでたまたま見つけたアルバイト求人に応募した人もいるだろう。例えばコーヒーショップでコーヒーを飲みながらそこにあった無料アルバイト情報誌をひらくということもある。また、それを狙って企業のほうも設置しているだろう。このように、人が気軽にかつアルバイト求人の必要度がそれ程高くなくても手に取れるようになったのは無料アルバイト情報誌がどこにでも置いてあるからだろう。
最後に、検索の仕方が乏しいということだ。これは無料アルバイト情報誌に欠けているところだ。無料アルバイト情報誌はやはり、版の範囲が狭いことで勤務エリアを条件にして検索するには有効的である。しかし、職種や業務を条件として検索するにはあまり向いていない。無料アルバイト情報誌の検索の仕方は、勤務エリアや勤務待遇などでしか検索の方法がない。これはやはり、版の範囲が狭いため求人情報が少ないことが影響しているだろう。また、有料と無料の「 差 」だろう。
このように、無料アルバイト情報誌は人々にアルバイト情報を身近にしたことは間違いないだろう。
図 2-2 無料アルバイト情報誌の利用の有無(n=77)
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図2-2はこれまでのアルバイト探しの中で無料アルバイト情報誌を利用したことがあるか、ないかがわかる。図2-1の有料アルバイト情報誌に比べて利用率がかなり高い。また使いやすさでは、情報量、検索の仕方や業種・職種の限定の面では、あまり支持されていないが、どこでもでも手に入るという面やエリアが狭い範囲という面では支持されている。また、利用率が高いのは無料だというのも大きな要因だ。2.4 携帯電話インターネット
現代、携帯電話が急速に普及している。そして、現代の携帯電話は通話やメール以外にもインターネットができるのだ。そのインターネットでアルバイト情報を得ることができるのだ。ドコモのiモードでは7つのアルバイト情報サイトがある。また、J?PHONEが9件、auが4件ある。また、携帯電話のキャリアによって掲載されているサイトが異なっている。しかし、どのキャリアの携帯電話にも掲載されているサイトがある。それは上記でも紹介した有料アルバイト情報誌の「 an 」と「 from A 」のサイトだ。「 an 」は「 モバイルan 」となっている。また、「 from A 」は「 フロム・エー 」となっている。ここではその「 モバイルan 」と「 フロム・エー 」を例にあげて検証していきたい。
携帯電話インターネットのアルバイト情報サイトには、二つのパターンがある。一つ目は、雑誌媒体があってそのホームページとしてあるサイトだ。これは先ほど例にあげたような「 モバイルan 」などだ。二つ目は他に媒体を持たないホームページ上だけでのものである。しかし、二つ目の方はあまり利用されない事が多いので今回は一つ目のものについて検証していきたい。
まずメリットだが、一つ目として検索の仕方が非常に便利である。雑誌媒体の場合、一つ二つは条件が絞れてもそこから条件をつけて検索するには自分が絞られた情報の中からさらに絞っていかなくてはならない。何度も何度も情報に目を通さなくてはならない。しかし携帯電話インターネットは自分の検索条件を全て登録することができるのだ。例えば、茅ヶ崎市で曜日固定のアルバイトなどといった感じだ。もちろん電車の沿線で探すことももちろん可能だ。また、特別な探し方もある。例えば短期アルバイトやリゾートアルバイト、オープニングスタッフの募集などだ。また、そのサイトのメールサービスに検索条件を登録しておくとその条件にかなった求人情報がメール配信されてくるのだ。しかし、このようなサービスは月額の料金がとられる。また、中には普通に検索するだけでも月額の料金がかかるサイトもある。二つ目として当たり前だが携帯できるということである。例えば駅のホームや友達と待ち合わせをしているときなどちょっとした時間でも情報を得ることができる。情報を得ることがより容易になっているのだ。
次にデメリットな部分は画面が小さいので見にくいということと目標情報に達するまでに手間がかかるということだ。テレフォンカードよりも小さい画面の中で文字がうじゃうじゃあって、さらにそこに条件を選んでいかなくてはならないのだ。目が疲れてくるのも時間の問題である。また、画面が小さいので何回も次のページに行かなくてはならない。そのため目標情報に達するまでに時間と手間がかかる。
このように、携帯電話インターネットは画面が小さいことを我慢すればかなり検索しやすい媒体だといえる。そしてこれからもどんどん伸びていく媒体の一つではなかろうか。
図 2-3 携帯電話インターネットの利用の有無(n=77)
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図2-3はこれまでのアルバイト探しの中で携帯電話インターネットの利用の有無を表している。利用率は4つの中で一番低い。また、あまり画面が小さいということや目標情報に達するまでに時間や手間がかかること、そして月額とられているサイトの情報料が負担であることが利用されない主な要因である。2.5 パソコンインターネット
現代、パソコンも携帯電話の普及と同じように急速に普及してきた。そして、当たり前だがインターネットも普及し、アルバイト情報もパソコンインターネットからえることができる。アルバイト情報サイトの特色だが、これも携帯電話インターネットと似ている部分が多い。しかし、違う点は二つある。サイトの数と検索の操作が携帯電話インターネットよりやりやすくなっている部分だ。
一つ目のサイトの数だが「 yahoo 」でアルバイト求人情報で検索すると約70件ものサイトがある。このサイトは、携帯電話インターネットと同じように雑誌媒体があってそのホームページとしてある「 web an 」などのようなサイトもある。また、それ以外のサイトはすでに条件別になっているサイトもある。例えば、「 Ain―TEN 」のような首都圏で短期のバイトや急募のバイトなどを中心に求人情報を扱っているサイトもある。また、大学生向きの家庭教師・塾講師専門に扱っているサイトや日払いのアルバイトのみを扱ったサイトもある。
二つ目に検索の操作の面だが、一目瞭然のように携帯電話とは比べ物にならないほど画面が大きい。そのため画面も見やすく検索もしやすい。また、一ページでたくさんの検索条件を選び、絞っていけるので携帯電話インターネットより目標情報に達する時間が短くてすむのだ。また、携帯電話インターネットのように月額の料金を取られることはめったにない。
このように、パソコンインターネットは携帯電話インターネットよりさらに使いやすくなっている。ということは、検索面だけで見ると雑誌媒体よりインターネットのほうが有効的であることがわかる。まだまだ、利用されることが少ないインターネット上のアルバイト情報源も雑誌媒体に取って代わる時代がくることがあるかもしれない。
図 2-4 パソコンインターネットの利用の有無(n=77)
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図2-4はこれまでのアルバイト探しの中でパソコンインターネットの利用の有無である。利用率はこれまでの4つの中で無料アルバイト情報誌の次に利用されている。画面が見やすいということ、検索の仕方、業種や職種の限定についてかなりの支持があった。また、パソコンの起動という面ではあまり支持されなかった。
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