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第四章 メディアと実際のアルバイト探し
4.1 時給とメディアの関係
実際働いていたアルバイトの時給は高いものと低いもので特に大きな違いはなかった。特徴は、無料アルバイト情報誌、店頭のポスター、新聞の折込広告など無料で、「 地域密着型 」のメディアが約50%以上利用される傾向がある。また、時給が901円?1200円は、有料アルバイト情報誌や、PCインターネットと他では見られなかったメディアが利用されている。また、時給が上がるたびに友人・知人の紹介が増えてきている。ここからは、無料アルバイト情報誌・店頭のポスター・新聞の折込広告を「地域密着型メディア」と呼び、有料アルバイト情報誌・パソコンインターネット・携帯電話インターネットを「高コストメディア」と呼ぶことにする。
図 4-1 時給と情報源(N=132)![]()
次にアルバイト探しの条件の時に時給を重視する人と重視しない人との情報源利用の仕方の違いを検証してみた。(図4-2参照)まず、重視している人は重視していない人より無料アルバイト情報誌を利用している確率が非常に高い。また、店頭のポスターや新聞の折込広告など、地域密着型メディアを利用する確率も高い。そして、時給を重視していない人は友人・知人の紹介を利用している人が、重視する人より高かった。時給を重視している人としていない人とのメディア利用の違いは、高コストメディアを利用していることも大きな違いだ。図4-1で検証したように少し時給が高いとこのようなメディアを利用されているということがわかる。
図 4-2 条件(時給)と情報源(N=132)
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この検証の結果次のことがわかった。@ 無料アルバイト情報誌・店頭のポスター・新聞の折り込み広告などの「地域密着型」メディアは時給が実際に 高い・低いまた、アルバイト探しの条件として時給を重視している・重視していないに関わらず、平均的に利用さ れている確率が高い。
A 実際時給が高かったりアルバイト探しの条件として時給を重視していると、有料アルバイト情報誌やパソコン インターネットなどの高コストメディアが度合いは低いが利用されていることがわかった。
4.2 勤務地域とメディアの関係
第3章で家から勤務地までの時間について検証してわかったように、家から30分以内でアルバイトしている人が一番多いということがわかった。
この層の特徴の一つ目は無料アルバイト情報誌・店頭のポスター・新聞の折り込み広告の「地域密着型」メディアが多く利用されていることだ。やはり、地域密着型というだけあって掲載されているアルバイト情報が他のメディアより狭い範囲の地域を対象にしているものが多いからだ。二つ目は、普通の無料誌(ここでは「ぱど」のようなタウン誌を指し示している。)を利用していることだ。もちろん普通の無料誌はタウン誌ということなどで、地域に根ざした情報を掲載している。やはり「地域密着型」メディアといえるだろう。このように、家から30分以内の近隣でアルバイトする人は「地域密着型メディア」を多く利用していることがわかった。
次に30分?1時間以内だが、これは上記に述べたように地域密着型メディアを利用されることが多かった。ここの特徴は、パソコンインターネットを利用されていることや友人・知人の紹介が多いことだ。パソコンインターネットのアルバイト情報サイトの特徴は第2章で述べたように検索の仕方が便利であることや条件を絞るのが簡単であることだ。ということは次のことが言えるだろう。勤務地への時間が多くなったということは、勤務地域より他の例えば業種など項目をアルバイト探しの時に重視しているということだ。最後に、1時間以上だがこれは大きな特徴がある。まず一つ目は、かなりの確率で無料アルバイト情報誌が利用されていうるということだ。確かに、1時間以上かけて勤務地に通っている人は他の二つの層よりかなり少なかった。しかし、これまで検証してきた二つの層以上に確率が高くなんと75%にも上るのだ。
また、有料アルバイト情報誌が利用されていることもわかった。これは、上記に述べたように通勤時間が延びるほど勤務地域より他の項目を重視することの現われだろう。
図 4-3 通勤時間と情報源(N=132)
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4.3 期間とメディアの関係
図4-4 期間と情報源(N=132)![]()
長期と短期でメディア利用の仕方の特徴はやはり地域密着メディアが多く利用されているということだ。長期ではパソコンインターネットを利用されている。これは先ほど述べたように他に重視する項目があることの現れである。そして、長期は短期より「地域密着型メディア」を利用する確率が高い。また短期も、「地域密着型メディア」を利用しているが、長期に比べ無料アルバイト情報誌の利用率が高く、そして店頭のポスターや新聞の折り込み広告の利用率が低い。もう一つの特徴は、友人・知人の紹介の利用率が高いことだ。そして最大の特徴は、短期は有料アルバイト情報誌を利用している。これは、無料アルバイト情報誌ではカバーできていないということの現れである。無料アルバイト情報誌は狭い地域の情報を掲載しているため、情報数が少ない。そのため、なかなか短期アルバイトを検索項目として組み込めることができない。たまに特集として組んであったり、地域の項目に入れてしまい、マークで短期ということがわかるくらいである。その点有料アルバイト情報誌は、広い地域の情報を掲載しているため情報数も無料アルバイト情報誌に比べてケタ違いで多い。そのため、毎号短期アルバイトを検索項目として取り入れることができるのだ。このような理由で短期アルバイトは有料アルバイト情報誌が利用されているのだ。このように、短期と長期では少しメディアの利用が違うのだ。
4.4業種・職種とメディアの関係
@ 職種とメディアの関係
職種にも様々な職種がある。例えば、飲食店でお客様に接するような接客や、調理場で料理を作る調理など様々だ。確かにアルバイトという面で正社員に比べて選べる範囲が狭い。しかし、アルバイトでもかなり多くの職種を経験できるようになってきている。それは、特殊的な技能や知識を必要とする職種だ。例えば、看護士やwebデザイナーである。ここでは、アルバイトとして特殊的な技能や知識を必要とする職種や特にそういったものは必要のないごく一般的な普通の職種のアルバイトを経験したときにどのようなメディアを使ってそのアルバイトを探したのか検証していきたい。
まず普通の職種のメディア利用の特徴だが、やはり地域密着メディアの利用が非常に目立つ。これは今まで検証してきた結果と同じような結果となった。しかし特殊的な技能や知識を必要とする職種は、無料アルバイト情報誌なども利用されているがパソコンインターネットや友人・知人の紹介も無料アルバイト情報誌より多く利用されているのだ。パソコンインターネットはこれまでも述べたとおり、自分の条件に合ったアルバイトを探せるのでそういった職種を重視して検索することができるからだろう。友人・知人の紹介はこれまで、多くも少なくもなく平均的に利用されていたメディアだった。しかし、ここでは44.4%と今までにない高い利用率を出している。また、新聞の折り込み広告でも間に合っていることがわかる。また、特殊的な技能や知識を必要とする職種は、普通の職種よりあまり通勤時間を重視していなことがわかっている。また、時給は比較的に普通の職種より平均的に高いということがわかっている。
図 4-5 職種と情報源(N=132)
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A業種とメディアの関係
職種と似た面を持っているのが業種である。業種の例として、飲食業・サービス業や小売業などだ。例えばコンビニエンスストアーの店員の場合、コンビニエンスストアーの部分が業種(小売業)にあたり、店員が職種(接客)にあたる。
アルバイト探しの条件として業種を重視していると重視しないと答えた人のメディア利用は今までとそう変わらず「地域密着型メディア」を利用していた。
図 4-6 業種と情報源(N=132)
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