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第2章 国内旅行に関する動向





1. 国内旅行者数

  平成13年度観光白書による、国民一人あたりの年間平均宿泊旅行回数であるが、これを見ると、観光旅行は平均1.29回であり減少傾向にあるようだ。(表2-1-1)


(表2-1-1) 国民一人当たり平均宿泊旅行回数及び宿泊数









2. 国内旅行者の傾向
 

(1) 安・近・短」旅行と「安・遠・短」旅行

 国民の宿泊旅行について、「安」(旅行商品の低廉化)、「近」(近距離)、「短」(短い日数)のいわゆる「安・近・短」旅行の傾向が指摘されている。また、遠距離方面への旅行も引き続き好調で、「安・遠(遠距離)・短」の傾向が続いている。この「安・遠・短」旅行の要因としては、低価格商品の販売、官民一体となった積極的な観光キャンペーンの展開に加え、航空運賃の自由化による航空機を利用した旅行商品の人気が挙げられる。(図2-2-1)

(図2-2-1)最近の国内旅行の動向



 
 

(2)個人・グループ旅行

 個人消費の足踏状態が続く中で、個人の観光はツアー価格の低下や航空運賃の割引き効果を背景に、ツアー商品を中心に取扱額、取扱人数ともに好調を維持している。中でも特に、家族旅行の需要が高い。
 

(3)体験型レクリエーション

 観光地での行動は、「都市の散策」、「伝統文化とのふれあい」、「買物、飲食」、「テーマパーク、遊園地」、「海洋性レクリエーション」などの体験型レクリエーションが人気を呼んでいる。
 これらに加えて、近年の自然環境の保全・保護に関する関心の高まりなどから、少人数で自然や野生生物とのふれあい等を通じて自然保護に対する理解・認識を深めていくエコツーリズムヘの関心も高まっている。
 さらに、近年の自然志向への高まりを背景に、農山漁村地域を中心に自然、文化、人々との交流等を目的とした滞在型の余暇活動であるグリーン・ツーリズムヘの関心も高まっている。
 

(4)高まるレジャー志向

 近年、レジャー志向が高まっている。国民が今後の生活で特に重点をおきたい分野としては、「レジャー・余暇生活」を挙げる者が34.8%で最も多く、性・年齢別に見ると、男性が35.8%と高く、女性は33.9%であり、年齢別の割合は男性の20歳代と女性の20歳代、30歳代、50歳代の順となっている(図2-2-4-1)
 

(図2-2-4-1)今後の生活の力点







3.国の政策
 

(1)ハッピーマンデー

 平成12年から祝日法の一部改正により「成人の日」と「体育の日」がそれぞれ1月と10月の第2月曜日に指定されたところである。さらに平成13年6月には、平成15年から「海の日」と「敬老の日」をそれぞれ7月と9月の第3月曜日とする祝日法の改正が公布され,いわゆる「祝日三連休(ハッピーマンデー)」が倍増することとなった。 平成13年の1月、2月、7月の三連休について主要旅行業者の主催旅行動向について調べたところ、対前年同期比で、国内旅行が7月に32%、海外旅行が1月に21%の増加が見られた (表2-3-1-1)

(表2-3-1-1)三連休対前年同時期比
 
 また、ハッピーマンデーには何をしたいですか?という質問に対し、63.8%の人が国内旅行にでかけたいと答えている。
(図2-3-1-2)
(図2-3-1-2)ハッピーマンデーには旅行に出かけたい

 このように、ハッピーマンデー(祝日三連休)の増加に伴ってレジャーへの、特に国内旅行への期待が高まっている。
 
 

(2)インターネットでの旅行取引

 IT社会の到来に伴い、インターネットを利用した旅行取引が拡大している。旅行商品はその特性上電子商取引に適した商品であるため、この傾向は今後も続くものと予測されており、また、旅行商品は携帯端末による取引の規模が大きいことも特徴として挙げられている。
 こうした動きに合わせ、電子旅行取引の普及に応じた消費者保護等の環境整備が必要となっている。12年6月には旅行業協会において、インターネットを利用した旅行取引に関するガイドラインを制定した。消費者が安心して取引できるよう、ガイドラインを遵守している旅行業者のホームページに対し、旅行業協会が適正マーク(e‐TBTマーク)を交付している。
 また、12年11月には、旅行契約の契約時に義務付けている 書面の交付について、電子的手段によってもできるよう旅行業法の改正を行った。これにより、インターネット等による取引において、書面を 郵送することなく契約を締結することが可能になり、また、携帯電話では、予約や商品紹介にとどまっていたものが、契約締結まで可能になった。
 国土交通省では、今後も電子旅行取引の拡大に応じ、適切な環境整備を行っていくこととしている。

                    (図2-3-2-1)          (図2-3-2-2)
 


 
 


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