1.1 研究の背景と目的
現在、コンビニエンスストアの情報化が進展しており、様々なサービスが行われている。中でもATMとMMK(マルチ・メディア・キオスク)の設置が目立って多くなっている。農林中央金庫が行ったコンビニATM利用状況の調査によると、利用度・認知度は年々高まってきている事が分かった。また日経新聞の記事によると、MMKによる電子商取引分野の収益が高くなっているそうだ。そのようにATM・マルチメディア端末機(正式名マルチメディア・キオスク、MMK)への期待は大きいが、他方で実際の現場ではATM・MMKが充分に効果を発揮していない面も垣間見られる。
そこでコンビニエンスストアの利用状況、ATM・MMKの認知度や利用度について調べてみることにした。同時にATM・MMKの設置は、いつも利用するコンビニに違いがあるのかについて調べるとともに、これらの端末は実際にコンビニ自体の集客にどう影響しているかについても調べ、ATM・MMKがコンビニ利用に及ぼす効果を明らかにした。
1.2 研究の方法
(1) 進捗経緯
・ 6月:テーマ企画。文献や、インターネットでの調査を参考に企画の骨子を練ってみた。(2) 調査の概要
・ 7、8月:テーマ討論会。具体的な調査票を作成し、ゼミのメンバーで討論し試行錯誤した。
・ 9月:ゼミ合宿において、調査票最終案完成。
・ 10月:調査票の配布、回収。単純集計を行った。
・ 11月:単純集計結果をゼミ内で発表。その後クロス集計を行った。
・ 12月:研究結果提出。
調査の意図・ ATM・MMKはどのくらい認知され利用されているか。
・ ATM・MMKを利用するときと普段使うコンビニは使い分けられているか
・ 普段利用するコンビニの利用観について(利用する目的、頻度、チェーン・・・)
調査対象者:文教大学生1.3 成果の概要
主な調査項目
・ ATM・MMKの認知度と利用経験
・ 普段のコンビニの利用状況
・ ATM・MMKを利用したときのコンビニ(チェーンや普段利用しているところか)依頼数と回収数:依頼数→130 回収数→123
研究の結論として得られた骨子を以下にまとめる。
- 学生はコンビニへ行く頻度が多く、約4割弱の人が週4回以上コンビニへ行っている。平均では週3.1回である。コンビニ依存度はかなり高い。
- 各人が最も多く利用するコンビニは、セブンイレブンが断然多く5割弱で、続いてローソン14%、ファミリーマート11%となっている。3社で全体の3/4を占める。
- 各人が好きなコンビニとなると、4割強がセブンイレブン、ローソンとファミリーマートがそれぞれ約15%で、この場合も3社で全体の3/4を占める。
- 最も多く利用するコンビニのうちで、好きなコンビニがどの程度を占めるかを見ると、各社ともに6割程度が好きなコンビニである。したがって通常の顧客のうちの6割程度はロイヤリティを持つ顧客で、残りの4割程度は立地条件等の他の選択理由で来店しているものと考えられる。
- ATMを利用するコンビニと最も多く利用するコンビニの関係を調べると、ATM利用は最も多く利用するコンビニとの関係は弱く、断然セブンイレブンに集中する。平均では75%程度に達する。セブンイレブンは、ATM利用では顧客を集めていると見ることが出来る。
- MMKを利用するコンビニと最も多く利用するコンビニの関係を調べると、MMK利用は最も多く利用するコンビニとの関係は弱く、断然ローソンに集中する。平均では77 %程度に達する。ローソンはMMK利用では顧客を集めていると見ることが出来る。
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