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第2章 研究の成果

1.文教大学生のATM・MMKの利用状況と利用観について
 

(1)ATM・MMKの認知度と利用状況について

 普段のATMの利用頻度を聞き、コンビニエンスストアのATMの利用状況を調査した。結果は以下の図2-1-1、図2-1-2のとおりである。
 ATMの利用頻度は週に2〜3回、週に1回、2週間に1回が20%以上を占めていた。またコンビニのATMの利用については、利用頻度にかかわらず、利用した経験者は70%以上を占め、利用者の多さが伺える。しかし、よく利用する人は全体の10%以下であり、習慣的に使われていないことが分かった。



 
 


 
 
 
 
 
 
 

 次に、MMKの認知度・利用経験を聞き、利用回数について調査してみた。その結果が以下の図2-1-3、図2-1-4のとおりである。
 図2-1-3を見ると利用経験のある人は約43%でATMに比べ経験者は少ないことが分かる。またMMK自体知らない人も約8%ではあるがいることが分かった。
 図2-1-4を見るとMMKを使った回数は2〜5回が一番多く、約6割。次に1回が15%と続いた。利用経験者は、複数回使うことが多いことが分かる。すなわち広い層に少数回使われるよりも、特定層に多く使われる、と言うことができる。



 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 

(2)ATMの利用観について

 実際にコンビニのATMはどういう理由で利用されているかについて調査してみた。その結果を表したのが図2-1-5である。最も多い理由は、「急にお金が必要になってやむなく利用した」が約71%で多く、次に「銀行のATMの利用時間が終わっていた」が62%と続いた。
 


 

 次にコンビニのATM利用経験者を「よく利用する・時々利用する」グループと「滅多に利用しない」グループの2グループに再定義し、コンビニATMを利用した理由とのクロス集計をしてみた。その結果が以下の図2-1-6である。
 この図は「よく利用する・時々利用する」の多かった選択肢順に項目を配列している。「よく利用する・時々利用する」のグループで最も多い理由は「銀行ATMの利用時間が終わっていた」が一番多く68.2%だった。また「滅多に利用しない」グループで一番多い理由は「急にお金が必要になった」が一番多く77.1%という結果だった。
 全体を見ても、コンビニATMの利用度の低いほうのグループは万が一の理由で利用されている傾向にある。そのことはや「銀行まで行くのが面倒だった」、「コンビニに来たついで」という理由を比較して見ると分かり、比較的利用度の高いほうが、気軽な理由で利用される結果となった。
 


 
 今度は、逆にコンビニATMを利用しない人に「コンビニATMを利用しない理由」について複数回答式で答えてもらった。その結果が図2-1-7である。
 最も多い理由は「いつも銀行のATM・窓口でおろしている」で40.6%であった。次に「コンビニATMを利用する機会がない」が37.5%と続いた。予想としては「手数料」が利用しない理由のトップとして挙がると思ったのだが意外に少なく3位であった。
 


 

 次にコンビニATMの利用に際しての不満を調べた結果を図2-1-8に示す。調査では例えば「A.手数料がかかる」に対する不満を選択肢で「1.そう思う」〜「5.そうは思わない」の5段階評価している。1は不満度が大きく、5は不満ではないということである。
 図では2グループ毎の選択肢の平均を示している。このグラフからやはり両グループともに手数料に不満を多く持っていることが分かる。また利用経験の多い人は、コンビニATMの手数料以外では取扱銀行の少なさや、設置状況に不満を持っていることが分かる。
 
 


 
 
 
 

(3)MMKの利用観について
 実際にMMKを利用した人を対象に、MMKで利用したサービスについて調べた結果を図2-1-9に示す。
 最も多く利用されていたのは「コンサートやスポーツ観戦チケットの購入」で71.7%。次に「レジャーチケットの購入」が18.9%と続いた。全般にはMMKを使ったサービスではチケット関連のサービスが利用されていることがわかった。
 しかしチケットサービス以外はすべて1割にも達しておらず、MMKで利用されるサービスは限られていると言える。
 



 
 
 
 

 次にMMKの利用者を利用回数で分け、「5回以下」のグループと「6回以上」のグループに再定義し、先ほどのMMKで利用したサービスとの違いがあるかを調べるためにクロス集計をした。結果は図2-1-10のとおりである。
 この図を見ると利用回数が多いグループではチケット関連のサービスがさらに高まり、利用回数の少ないグループは非チケット関係の割合が高まることが分かる。この結果からMMKのヘビーユーザーは同じサービスを習慣的もしくは何度も使っているといえる。
 


 
 

  次にMMK利用者の利用した感想を調べた結果を図2-1-11に示す。図2-1-8の同じように 例えば「A.非常に便利だと思った」に対する感想を「1.そう思う」〜「5.そう思わない」の5段階で評価している。1は肯定的で、5は否定的ということである。なおMMKの利用回数は「5回以下」と「6回以上」の2グループに再定義した。
 全体的に多く使っている「6回以上」のグループのほうがMMKに対する評価が高い。利便性や料金の適正さ、操作性が好意的に評価されている。
 


 
 


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