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2.学生にみる著作権の認識と将来の調査の動向


 ここ数年でインターネットの普及率は大幅にアップし、それに伴って様々な問題が出てきている。その中の一つに著作権が挙げられる。

 著作権は、創作活動などで生活をしている人には重要な権利である。生活をする上でなくてはならない権利ともいえるかもしれない。例えば、作曲した曲がヒットした場合、その売上の何割かは著作者に入ってくるし、曲を着信メロディにしたいといった場合にも使用する方は使用料を支払わなくてはならない。カラオケやレンタルショップでの使用でも同様である。

 しかし、その著作権が侵害されるというケースが最近多くなっている。いくつかの例を挙げてみる。
 まず、インターネット上でMP3を使ったものがある。インターネット上でMP3を使用して、ヒット曲の音源を公開している場合である。ダウンロードも出来るものが多く、それをパソコンに保存すれば、殆どは無料で曲を手に入れられることになる。また、CD-Rなどに焼いてしまえば、CDを買わずにほぼ同じクオリティのものを手に入れられるということになる。このようなことが行われた結果、CDの売上が落ち込むという現象が起こっている。

 次に、ホームページで著作権が侵害されている場合もある。ホームページに管理者が自分の好きな歌の歌詞を掲載したり、CDを聴き、その楽曲を着信メロディにしてホームページ上でダウンロードできるようにしたりなどという例が挙げられる。着信メロディを提供するサイトは殆どの場合は有料で、著作権に関して社団法人日本音楽著作権協会から許可を取っている。しかし、無料で個人のホームページからダウンロードできるとなると、有料サイトの登録は減少する。そうなると、実際に着信メロディとして使われている数は多いが、製作者の元に入るはずの収入は少ないということになる。また、着信メロディを提供するサイトも著作権使用料で損になることもあるので、メロディの充実がはかれなくなるということもあり得る。

 それでは、どうしていけばこの問題は解決へと向かうのであろうか。まず、一番重要なことは、著作権というものに対しての理解を深めるべきではないかと思う。最低限、こういうことは著作権の侵害にあたるとか、著作権を侵害してしまうとこういった問題が起こると言うことを知っていかなければならないと思う。

 しかも、冒頭に書いたように、インターネットが市民権を得るほど普及している時代である。著作権に触れる機会も多い。例えば学校の授業やわかりやすいCMなどで伝える・認知してもらうということが必要なのではないかと考えた。

 また、インターネットの普及により、世の中の意識も変わってきているのではないかと思う。今までの著作権にばかり捕われず、時代に合ったもの・受け入れやすいものに変わっていく必要もあるのではないかとも考えた。

 これらのことから、インターネットに触れる機会が多く、音楽などに興味を持つ人も多い大学生を調査対象として、著作権の認識やその将来について「インターネット」と「音楽」という観点から実態を調査しようと考えた。


   
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