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2-3 インターネット以外の場での口コミについて
 
 ここでは、インターネット以外の場での口コミについて、口コミは信じられているか/内容・伝達者/信じる人と信じない人の特徴の点から見ていく。


(1)口コミの信憑性と伝達
 

 まず最初に、あなたは口コミを信じることが多いですか、という設問を作成した。結果は以下の図2-3-1に示す。
 時々信じるという回答が最も多く、約7割を占めている。また、信じない傾向の回答も約2割となっている。次に、耳にした口コミを他者に伝えることは多いですか、という設問を作成し、その結果は「多くの人に伝える」6.7%、「数人に伝える」83.8%、「誰にも伝えない」8.6%となった。口コミは比較的信じられる傾向にあり、また、その口コミは伝達されることが多いということが言える。

 では、口コミを伝達する人/しない人の間では、性格上どのように異なるのか。性格についての調査項目と分析結果を以下の図2-3-2に示す。

 口コミを多くの人に伝える層/数人に伝える層/誰にも伝えない層とで、度合いの分布がほぼきれいに別れている。「情報探しは苦手なほうだ」という項目においては逆になっており、口コミを多くの人に伝える層では、情報探しを得意とする人が多い傾向にあるといえる。また、情報追求・情報認知の特性をもつ項目に関して強い傾向を示している。誰にも伝えない層では、伝達特性のある項目に関して傾向が弱く、他者への情報伝達をあまりしたいと思わない傾向にあると言える。全体として、情報追求や認知、伝達に関して敏感であるのは口コミを多くの人に伝える層という結果になっている。


(2)口コミ発信者・内容

 
 では次に、どのような人からの発信は信用しやすいのかを探るための設問を作成した。その集計結果で最も多くあげられたのは、「仲の良い友人」で9割を超えている。次いで、「血縁関係」で約5割、「雑誌・テレビ」約45%となっている。「知らない人」からの口コミはほとんど信用されることはなく、2.0%と低い。
 また、信用しやすい口コミの内容については、以下の図2-3-3で示す通りである。
 興味・関心のある内容や根拠のある情報に関しては信じられやすく、なんとなくおもしろいもの、といった内容では口コミとしてはほとんど広まることはないと言える。


(3)口コミを信じる人/信じない人の特徴
 

※分析の傾向をより分かりやすくする為「あなたは口コミを信じることが多いですか」という設問の選択肢
 「ほとんど信じる」と「時々は信じる」 を 新しい選択肢「信じる」層に、
 「あまり信じない」と「全く信じない」 を 新しい選択肢「信じない」層とで
 新しいグループを作成した。
 ここでは、新しく作成したグループを利用して、どのようなタイプの人が口コミ信用しやすいか否かについて分析していく。
 ではまず、性別と口コミの関係性について調べてみた。その以下の表2-3-1に示す。


表2-3-1 口コミを信じるかどうか×性別


 
 
信じる層
信じない層
男性 n=44
約66%
約34%
女性 n=59
約88%
約12%

 
 9割近くの女性が口コミを信じやすいと回答しており、男性と比較して、女性は口コミを信用しやすいと言うことが出来る。
 

 
 同じく、上記の新しく作成したグループを利用して、インターネット以外の場での口コミを信じる層と信じない層では、口コミサイトに対する印象はどのように異なるかを分析してみることにした。その結果を以下の図2-3-4に示す。
 


 
 口コミを信じる傾向にある層は、口コミを信じない傾向の層と比較して、全ての項目において口コミサイトに対する印象がより肯定的であることがわかる。共感出来る/情報発信者が信用出来るといった口コミの発信者に関係する項目よりも、新しい発見がある/良い点と悪い点が同時にみられる、などの機能的側面が評価が高い。結果として、口コミサイトの印象に対する評価が高い層は、インターネット以外での口コミも信用するということが言えるのではないか。
 

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