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2-4 因子分析を用いた研究結果
 
 ここからは、因子分析を用いて口コミサイトの利用者の性格について分析していく。
口コミサイトを見て、実際に商品を購入した経験のある人/ない人の間には、性格上の違いはあるのか、ということを調べるため、性格についての設問a.〜l.とで集計をした。結果は以下の図2-4-1で示す。


 実際購入経験者は、情報探究性の強い項目において、非購入経験者よりも強い傾向がでていることがわかる。また、自分の意見や考えを多くの人に伝えたい方だ、価値ある情報を入手したら多くの人に伝えたい方だという項目においては、非購入経験層の方が強い傾向を占めし、伝達性が高くなっている。
しかし、図2-4-1の結果では、項目の多さから特徴がつかみにくく、また、内容の類似している設問が存在するため、因子分析によって得られた因子を利用して同様の集計を行うこととした。まず、性格の傾向を探るための設問a.〜l.の項目に対し因子分析を行い、4つの因子を抽出した。分散の約6割がカバーされている。結果は以下の表2-4-1に示す。


表2-4-1 性格についての因子分析結果


因子(平方和、寄与率) 
対応する変数
第1因子 個性・追求型(2.05、17.0%) 13h.他人と違う個性的な生き方をしている方だ
13k.情報探しは苦手な方だ
13e.欲しい情報がある時は、納得がいくまで探す方だ
第2因子 奉仕型(1.86、15.5%) 13f.自分の意見や考えを多くの人に伝えたい方だ
13g.価値ある情報を入手したら、多くの人に伝えたい方だ
13i.他者の役に立ちたいと思っている方だ
第3因子 情報認知型(1.79、15.0%) 13b.人に負けない程詳しい領域を1つでも持ちたい方だ
13c.欲しいと思った情報は、すぐにでも手に入れたい方だ
13a.広くいろいろなことを知っていたい方だ
第4因子 他人志向型(1.61、13.4%) 13d.周囲の人が知っている事を知らないと落ち着かない方だ
13l.他人の意見・考えが気になる方だ
13j.流行には敏感な方だ

※平方和と寄与率はバリマックス回転後の値である。寄与率の合計は60.987%。


 
表2-4-1の因子を利用して分析した結果が以下の図2-4-2である。


 第1因子(個性・追求型)には有意差があり、購入経験者層では非購入経験者層よりも傾向が強いことがわかる。また、有意差はでなかったものの、第3因子(情報認知型)においても傾向に差が開いている。こちらも購入経験者層が強い傾向を示しており、非購入経験者と比較して情報認知に対する欲求が強いと言える。


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