まとめ問題1

 


■授業概要

 

 簿記は会計学の基礎科目であり、会計学を理解する上で不可欠である。簿記は帳簿の付け方とはいえ、思ったほど単純ではない。一定の厳格なルールと体系だった理論がある。このルールが理解できてはじめて帳簿を付けることができる。それだけに終わらず、さらに、企業は一定期間ごとに帳簿を締め切って、財務諸表(損益計算書と貸借対照表)を作成し、決算内容を一般に公表しなければならない。この一連の流れを本講義では学習することになる。

 

■講義予定

 

1.簿記とは

2.簿記の仕組みと特徴・目的

3.貸借対照表について@

4.貸借対照表についてA

5.損益計算書について

6.取引と記帳@仕訳

7.取引と記帳A勘定・転記

8.仕訳と転記の練習

9.試算表

10.前半のまとめ

11.中間試験

12.商品の売買取引@3分法

13.商品の売買取引A返品・値引

14.商品の売買取引B商品有高帳

15.商品の売買取引Cその他の元帳

16.現金・当座取引

17.手形取引@

18.手形取引A

19.有価証券取引・その他の取引

20.決算@決算手続き・売上原価の計算

21.決算A有価証券の評価

22.決算B減価償却

23.決算C貸倒引当金

24.決算D費用・収益の見越し・繰り延べ

25.8桁精算表の作成

26.8桁精算表の作成練習

 

 

■講義の要点

 

1.簿記とは

 ・簿記は帳簿記録の略である。

     企業の業績は利益に集約される。この利益を算定できるのは簿記・会計をおいてほかにない。

 ・利益業績は株価にも影響を与える。

     簿記は会計学の基礎科目であり、情報技術の観点からは会計データベースの生のデータである。

 ・会計は社会システムである。経理内容は一般に公表される。

  ・ロビンソン・クルーソーの貸借対照表とは

 

2.簿記の仕組みと特徴・目的

 ・企業の出来事(取引)を貨幣的に評価する。

 ・継続企業(ゴーイング・コンサーン)を前提として記帳する。

 ・取引を二面的に把握する。これが複式簿記double-entry bookkeeping)といわれるゆえんである。

 ・簿記の目的は次の通りである。

  @日々の取引を帳簿に記録すること。

  A帳簿を締め切って、財務諸表を作成すること。財務諸表には、貸借対照表(B/S)損益計算書(P/L)がある。

  B内部の経営管理のために活用すること。

 

3.貸借対照表について@

 ・企業の一定時点の財政状態を明らかにしたものが貸借対照表(BalanceSheet)である。

 ・財政状態とは、企業の資金の調達源泉と使途運用を表示することである。

 ・右側を借方、左側を貸方という。借方には資金の運用形態を示す資産が、貸方には資金の調達源泉を示す負債と資本が表示される。

 ・資本は株主からの資金調達を表し、負債は株主以外からの資金調達を表す。負債は支払期限があるが、資本にはない。

 ・貸借対照表等式  資産=負債+資本    

 

貸借対照表

資 産

負 債

資 本

 

 ・資産(Asset)……通常の財産と同じ。現金、預金、売掛金、建物、土地など

 ・負債(Liability)……通常の借金と同じ。買掛金、借入金など。

 ・資本(Capital)……資本金など。

 

4.貸借対照表についてA

・貸借対照表等式はどの時点でも成り立つ。

・貸借対照表等式が成り立つための条件

1.資産の増加――――資産の減少

2.資産の増加――――負債の増加

3.資産の増加――――資本の増加

4.負債の減少――――資産の減少

5.負債の減少――――資産の減少

6.負債の減少――――負債の増加

7.資本の減少――――資産の減少

8.資本の減少――――負債の増加

9.資本の減少――――資本の増加

 

5.損益計算書について

    一定期間の企業の経営成績を明らかにする。

 

損益計算書

純利益

 

  損益計算書等式      費用+純利益=収益

  ・収益(Revenue)は、商品の売買などの経営活動の結果、資本が増加すること。株主からの出資や増資によってではない。経営成果を表す。通常は資産の増加を伴う。商品販売益、売上、受取利息など。

資産の増加―――――収益の発生

・費用(Expense)は、給料の支払いや広告宣伝など、営業活動の結果生じる資本の減少を指す。通常は資産の減少を伴う。仕入、給料、広告費、支払利息、支払家賃など

費用の発生―――――資産の減少

 

損益法による純利益の計算    純利益=収益−費用

 

 <貸借対照表と損益計算書との関係>

    ・財産法による純利益の計算   純利益=期末資本−期首資

 

                     

(期末)貸借対照表

 

損益計算書

                                                                                                     

資産

負債

 

費用

収益

資本

 

期首資本

 

純利益

 

純利益

 

   ・会計期間中の資本の増加額、つまり純利益の明細が損益計算書に示される。ただし、期間中に追加の増資や減資はないとする。

 

6.取引と記帳@仕訳

 ・取引の二重分解……取引を借方要素と貸方要素に分解すること。簿記の基礎的作業。

 ・借方要素には、資産の増加、負債の減少、資本の減少、費用の発生がある。

 ・貸方要素には、資産の減少、負債の増加、資本の増加、収益の発生がある。 ・取引の8要素

        借方要素        貸方要素

       資産の増加        資産の減少

                負債の減少       負債の増加

                資本の減少                  資本の増加

----------------------------------------------------------------------------------

費用の発生       収益の発生

 ・取引の二重分析例については末尾の[資料1]に掲載。

    記帳の手順

 

取 引

仕訳

仕訳帳

転記

元 帳

 

 

 

 <仕訳>

  ・取引を借方側と貸方側に分けて整理する方法。具体的な資産項目や負債項目毎に記録する。実際に記録する帳簿が仕訳帳である。

  ・仕訳の形式(○○○○には資産項目などが入り、×××には金額が入る)

(借方)○○○○ ××× (貸方)○○○○ ×××

     ・金額は借方、貸方で必ず一致する。項目は2つ以上入ることもある。

 

7.取引と記帳A勘定・転記

 ・仕訳の結果を資産項目や負債項目ごとに整理する手段が勘定(Accountである。a/cと略する。あらゆる勘定が収められている帳簿が元帳または総勘定元帳という。元帳に勘定を開設することを勘定口座を設けるという。

 ・勘定科目の説明については[付録2]を参照。

 ・勘定の形式(○○○○は勘定名,×××は金額を表す)

         (借方)         ○○○○             (貸方)

 

         ××××

            ××××

 

 

                     ××××

           ××××

 

 

   ・仕訳した結果を勘定に記録することを転記という。

 ・勘定記録のルール(重要)

    資産勘定               負債勘定

 

 増加

  減少

 

減少

 増加

 

 

 

 

                       資本勘定

 

   減少

  増加

 

 

 

    費用勘定                収益勘定

 

 発生

 

 

 

 発生

 

 

 

 

 

9.試算表の作成

   ・一定期間の勘定記録の集計表。年計、月計、週計、日計など。

 ・勘定記録の正確性をチェックする手段。

 ・合計試算表、残高試算表、合計残高試算表がある。

 ・貸借平均の原理

すべての勘定の借方合計金額はすべての勘定の貸方合計金額に等しい。

 ・精算表…6桁精算表(残高試算表欄,損益計算書欄,貸借対照表欄)

 <主要簿と補助簿>

会計帳簿

主要簿

仕訳帳、総勘定元帳

 

補助簿

補助記入帳……現金出納帳、当座預金出納帳、仕入帳、売上帳など

補助元帳……商品有高帳、得意先元帳、仕入先元帳など

 

12.商品の売買取引@3分法

   ・経営活動の核は、商品の売買取引である。この商品売買からのもうけが主たる利益となる。

 ・商品の売買を処理する方法にはいろいろある。本講義では、2つの方法を取り上げる。 

     @(損益)分記法

   商品の売買取引を商品勘定で処理し、商品の販売では仕入原価と売価の   差額を商品販売益勘定で処理する。

       商品を仕入れたときの仕訳

    (借方)商 品  ××××(貸方)買掛金など  ××××

商品を販売したときの仕訳

    (借方)売掛金など ××××(貸方)商 品  ××××

                                           商品販売益  ××××

     A3分法

   商品の売買取引を仕入勘定、売上勘定、繰越商品勘定の3勘定を用いて処理する。

       商品を仕入れたときの仕訳

    (借方)仕 入  ××××(貸方)買掛金など  ××××

       商品を販売したときの仕訳

    (借方)売掛金など ××××(貸方)売  上  ××××

 ・これ以降は、断りがない限り、3分法を用いていく。 

                                                

13.商品の売買取引A返品・値引

  仕入諸掛(しいれしょかかり)

   商品の仕入れに伴ってかかる商品本体価格以外の諸費用。引取運賃、保険料、関税など。これは仕入勘定で処理する。

 ・返品

   仕入れた商品や販売した商品の一部または全部が注文した商品と異なっていたり、きずがあったりするときなどに送り返したり送り返されること。

   @仕入戻し……仕入れた商品を送り返すこと。

    仕訳

    (借方)買掛金  ××××(貸方)仕 入  ××××

   A売上戻り……販売した商品が送り返されてくること。

    仕訳

    (借方)売 上  ××××(貸方)売掛金 ××××

 ・値引

商品にきずがあったり、数量不足などのために商品代金を減らすこと。

   @仕入値引き

    仕訳

    (借方)買掛金  ××××(貸方)仕 入  ××××

   A売上値引き

    仕訳

    (借方)売 上  ××××(貸方)売掛金 ××××

 

14.商品の売買取引B商品有高帳

 ・商品有高帳

   商品別に、商品の出し入れや残高を記録する補助元帳。

 ・商品を仕入れるつど、仕入価格が異なるときの処理方法

  @先入先出法

    商品の仕入れた順に払い出し(販売の)仕入価格を決める方法。買入順法とも言う。 

  A後入先出法

    商品の払い出し価格を、新しい仕入価格から決めていく方法。買入逆法とも言う。

  B移動平均法

    商品を仕入れるつど、その残高の平均価格を計算し、その平均価格を用いて払い出し価格を決定する。

  C総平均法

1か月とか半年といったような単位で総平均仕入価格を計算し、その期間中の払い出し価格を決定する。

 ・講義では先入先出法と移動平均法を中心に計算問題を行う。

 ・商品有高帳の記録と仕訳とがどのように連動しているのかも理解してくだ さい。

 ・商品有高帳には、仕入価格のみが記録されることを覚えてください。試験では売価に関するデータも示されるので決して惑わされないようにしてください。

 ・簿記・会計では、このように一種の仮定を用いて測定・計算する場面が少なくないという点も覚えておくこと。決して、事実をありのままに記録したものではない。

 

15.商品の売買取引Cその他の元帳

  ・得意先元帳と仕入先元帳の記帳方法と売掛金・買掛金勘定との関係を中心に説明する。

 ・統制勘定を理解する。売掛金勘定は得意先元帳を統制する勘定である。買掛金勘定は仕入先元帳を統制する勘定である。

  得意先元帳

     売掛金元帳ともいい、得意先別の売掛金の増減と残高を記録する補助元帳。顧客管理のための重要なデータとなる。

  仕入先元帳

     買掛金元帳ともいい、仕入先別の買掛金の増減と残高を記録する補助元帳。

 

16.現金・当座取引

  現金

    ・現金には文字通りの現金つまり通貨以外に、通貨に等しい証券(通貨代用証券)も含まれる。

・通貨代用証券には、他人振り出しの小切手、郵便為替証書などがある。

 預金

    ・どこに預けているかによって銀行預金、郵便貯金、預金の種類によって普通預金、定期預金、当座預金、通知預金などがある。

  当座預金

      ・銀行に預け入れた、利息の付かない預金。決済を現金を用いて行わず、小切手を用いるので安全性が高い。当座預金勘定で処理する。

             当座預金                                             

 

 

 当座預金口座への

   小切手の振り出し

 

 

 

 預け入れ

 

 

 

 

 

 

 

 

17.手形取引@

  ・手形は、表示された金額を将来の特定の日(満期日)に支払うことを約束した証書である。

 ・法律上は、約束手形と為替手形がある。しかし、簿記上はこの区別は重要ではなく、むしろ手形取引の結果手形上の債権を持つことになるか、債務を負うことになるかによって「受取手形」勘定と「支払手形」勘定で処理することが重要である。

  約束手形             手形振り出し                                          

 

 手形振出人

―――――→

 手形受取人

 

           (手形債務者)              (手形債権者)

    為替手形                                                                    

 

手形振出人

 

               手形の                      引受の依頼

               振出し                                                

 

  手形受取人

 

  手形引受人

 

      (手形債務者)              (手形債権者)

 

18.手形取引A

   手形の裏書き譲渡

   所有する手形を取引の代金として他社に譲渡すること。譲渡するときに手形の裏面に誰から誰に引き渡されたかを記載する。これを裏書きという。

  これは、手形代金が満期日に決済されなかったとき、つまり不渡りになったときに関係する。

  手形の割り引き

  ・金融機関などから資金の融通を受けるために所有する手形を裏書きすること。現金化する際には、割引日から満期日までの期間についての利息を差し引かれる。

  ・割引料の計算式

                    日 歩

割引料=手形金額×――――――――×(割引日から満期日までの日数)

100               

両端入れ

片落とし

両端落とし

    ・仕訳

    (借方)当座預金  ××××  (貸方)受取手形  ××××

料   ××××

   ・勘定への記帳

受取手形

手形の

受け取り

満期受け取り

裏書き譲渡

割り引き

  

 

      

支払手形

満期日支払い

約束手形の振り出し

為替手形の引き受け

 

 

 

      

19.有価証券取引・その他の取引

 有価証券勘定

    ・有価証券には株式、社債、国債などがあるが、これらを一時的な資金の運用のために購入したときには「有価証券」勘定で処理する。

                         有価証券                                              

 

 

  株、社債などの購入

     株、社債などの売却

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ・有価証券を売却したときには、購入価額と売却価額との差額は「有価証券売却損」または「有価証券売却益」として処理する。

  ・決算時に、評価替えを行うことがある。  

 

20.決算@決算手続き・売上原価の計算

 ・決算は次の手続きからなっている。                                           

決算予備手続き―――→決算本手続き―――→財務諸表の作成

 ・決算とは帳簿を締め切ることであるが、これを行うにはいろいろな手続きが必要である。

 ・決算の予備手続きには、残高試算表の作成と決算整理・決算修正処理が含まれる。

 ・決算修正をなぜ行うかは講義で説明します。

 ・決算に修正処理すべき項目(決算整理事項)として講義では次のものを取り上げます。

   @繰越商品勘定と仕入勘定の修正

    A有価証券の評価替え

   B固定資産の減価償却

    C貸倒引当金の設定

   D費用収益の見越し・繰り延べ

   ・繰越商品勘定は期首棚卸高になっているので、これを決算時の期末棚卸高に修正する。

 ・仕入勘定の残高は単に当期仕入高(純仕入高)になっているので、このまま全額を費用とすると純利益が間違って計算される。そこで、この勘定を用いて、当期の売上高に対応する売上原価を計算する。

 ・決算修正仕訳

@期首棚卸高について

  (借方)仕 入 ××× (貸方)繰越商品 ××× 

A期末棚卸高について

  (借方)繰越商品 ××× (貸方)仕 入 ××× 

 

21.決算A有価証券の評価

 ・原価法と低価法の違いを理解する。

 ・有価証券の評価を低価法で行っている場合、決算時に時価が購入原価よりも低くなったときに、時価まで帳簿価額を引き下げる。そのときの引き下げ額を「有価証券評価損」勘定で処理する。

 ・決算修正仕訳

  (借方)有価証券評価損 ××× (貸方)有価証券 ××× 

 

22.決算B減価償却

 ・ここでは、有形固定資産の減価償却について取り上げる。

 ・資産には、流動資産と固定資産があり、固定資産にはさらに有形固定資産、無形固定資産(特許権、実用新案権などの独占的な利用権)、投資等(長期貸付金など)がある。

 ・有形固定資産の取得原価(購入価額)をその利用期間(耐用年数という)にわたって配分して費用化していく方法が「減価償却」である。

 ・毎期の減価償却額(「減価償却費」勘定で処理する)の計算方法には、定額法、定率法などがある。

 ・会計処理の方法として、直接法と間接法がある。

決算修正仕訳(建物の例)

<直接法>

  (借方)減価償却費 ××× (貸方)建  物 ××× 

<間接法> 

  (借方)減価償却費 ××× (貸方)建物減価償却累計額 ××× 

  ・直接法よりも間接法のほうが優れていると言われる。なぜかを理解する。

  ・ヒント (^^);直接法の場合、「建物」勘定の残高は帳簿残高を表している。間接法の場合、「建物」勘定の残高は常に取得原価を表している。

 

23.決算C貸倒引当金

 ・売掛金や受取手形を「売上債権」とか「受取勘定」という。

 ・債権の回収が不可能になることを「貸し倒れ」になったという。

 ・期末現在の売上債権残高のうち、貸し倒れになる金額を見積もって費用として計上する必要がある。なぜか(+_+)。簡単に言えば、適正な期間損益計算と言うことになる。講義の内容をよく聞いてみよう。

 ・決算修正仕訳

  (借方)貸倒償却 ××× (貸方)貸倒引当金 ××× 

 ・貸倒引当金とはどういう性質を持つのか。貸し倒れが現実化していない。あくまでも予想である。その金額も見積もりにすぎない。

 ・決算時に、貸倒引当金勘定に残高がある場合の決算修正仕訳

    <差額補充法>

  (借方)貸倒償却 ××× (貸方)貸倒引当金 ××× 

    ただし、新たに設定する金額>勘定残高の場合

       <洗替法>

  (借方)貸倒引当金 ××× (貸方)貸倒引当金戻入 ××× 

  (借方)貸倒償却  ××× (貸方)貸倒引当金 ××× 

 ・実際に貸し倒れになったときの処理も覚えておこう。 

  (借方)貸倒引当金 ××× (貸方)売掛金など ××× 

 

24.決算D費用・収益の見越し・繰り延べ

 ・2期間にまたがる支出や収入の期間帰属の確定のさい生ずる問題。

@前もって支払がある場合は「費用の繰延べ」。

A後に支払があるときは「費用の見越し」。

B前もって収入がある場合には「収益の繰延べ」。

C後に収入がある場合には「収益の見越し」。

 ・決算修正仕訳(家賃の場合)

  <費用の繰延べ> 

  (借方)前払家賃 ××× (貸方)支払家賃 ××× 

    <費用の見越し>

  (借方)支払家賃 ××× (貸方)未払家賃 ××× 

  <収益の繰延べ> 

  (借方)受取家賃 ××× (貸方)前受家賃 ××× 

    <収益の見越し>

  (借方)未収家賃 ××× (貸方)受取家賃 ××× 

  ・前払費用と未収収益は資産項目。未払費用と前受け収益は負債項目。

 

25.8桁精算表の作成

 ・簿記の最終的段階。

 ・8桁精算表は、いわゆる会計帳簿ではないし、その作成が不可欠であるわけではないが、決算のシミュレーションをするのに効果的な道具である。

 ・そこには、残高試算表欄、整理記入欄、損益計算書欄、貸借対照表欄が設けられ、それぞれに借方欄と貸方欄があるから、全部で8つの欄がつくられている。

 ・精算表への記入の仕方をマスターしておこう。

 ・損益計算書欄の合計金額の差額が貸方合計>借方合計の時は「当期純利益」が発生する。逆の場合には、「当期純損失」となる。

 ・貸借対照表欄の合計金額の差額が借方合計>貸方合計の時は「当期純利益」が発生する。逆の場合には、「当期純損失」となる。

 ・損益計算書欄と貸借対照表欄の合計金額の差額が借方、貸方が逆で一致す れば、一応は正解。なぜ一応か。(*_*)

 

26.8桁精算表の作成練習

 ・実際に作成してみてください。目で追うだけで理解できたなどとは決して思わないでください。暗記は禁物です。

 

 

■評価方法

 

 2回のペーパーテスト(60分程度。持ち込み可)に、出席点とレポート点(2回程度)を加味して評価する。出席が2/3未満の場合には、試験を受けることができないので注意すること。

■テキスト

 

 ◎伊藤博編著『簿記テキスト[三訂版]』東京経済情報出版,1994年,2,300円,ISBN4-88709-007-2

 ◎志村正著『簿記問題集』,神奈川大生協にて製本,2000年,400円(?)

 

■受講生へのメッセージ

 

 本講義は技術的色彩が濃いので、毎回遅れず、休まず出席して、練習問題には積極的に取り組んでいただきたい(-_-;) 。簿記検定の資格を取得することをお勧めする。

 

LAST UPDATED : 2000.3.1
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