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3.3.2 ウェブ効用グループとインターネットの利用特性

(1)ウェブ効用グループの形成

 前項で述べた3因子のうちで、副次利便性は付随的な効用なのでこの点には触れず、生活文化的効用としてのウェブコミュニティ性と利便性因子のうちの情報利便性の2つに着目した。それぞれの因子は、因子負荷量の大きい順に書くと、次のような変数の1次結合として表される。
 

ウェブコミュニティ性 14j,14k,14l,14n,14m,14o,14h,14i
情報利便性 14b,14a,14d,14g

 そこでウェブコミュニティ性については、14j〜14mまでの上位5つの変数を、情報利便性については、14b〜14dまでの上位3つの変数を利用し、もとの設問に対する回答を利用して新たなスケールを作成した。それを利用して、ウェブコミュニティ性が強、弱、情報利便性が強、弱となる次の区分を行った。
 

ウェブコミュニティ性 14j+14k+14l+14n+14m 5〜10 ウェブコミュニティ性 強
11〜20 ウェブコミュニティ性 弱
情報利便性 14b+14a+14d 3〜6 情報利便性 強
7〜12 情報利便性 弱

表3.3.2.1  ウェブ効用グループの分布
ウェブコミュニティ性
情報
利便性
A: 46人 B: 151人
19.3% 63.5%
C: 41人
17.2%
A:ウェブコミュニティグループ  約2割がウェブコミュニティ + 情報利便性指向の利用者
B:情報利便グループ 約6割が情報利便性指向だけの利用者
C:非効用グループ 約2割がいずれの効用も弱い利用者

 この区分によってグループ形成を行ったところ、表3.3.2.1に示す人数分布のグループが出来た。グループ形成の傾向としては、8割強の人、つまり大部分の人は情報利便性を感じている。その人達197人のうちの46人が、さらにウェブコミュニティ性を感じている。ここではA:ウェブコミュニティグループと呼んでいるが、これは両方の指向性が強いグループである。これが約2割いる。次にB:情報利便グループは、情報利便性だけを感じているグループで、これは6割強いる。最も大きいグループである。最後にC:非効用グループは、両方の効用ともに感じていないグループである。これが2割弱いる。

 情報利便性が弱いけれどもウェブコミュニティ性が強いという人は、誰もいないと言う点も注目される。これは情報利便性はインターネット利用者には普遍的な効用であり、ウェブコミュニティ性はそれに上積みされる効用であることを示している。

 以下ではこれらの3グループについて、そのグループの傾向を見ていく。

(2)ウェブ効用グループの特性

a.グループの属性

 まず概して3グループはどの様な人々なのかを、フェースシートとのクロス集計から見ていく。概要は下記である。なお3グループにおける性別を図3.3.2.1に、世代別を図3.3.2.2に例示する。


図3.3.2.1  ウェブ効用グループの性別(日野)(χ2乗:***)


図3.3.2.2  ウェブ効用グループの世代差(日野)(χ2乗:****)

A.ウェブコミュニティグループ

 性別では女性が若干多く、年齢では10代?30代の若年層に多く、職業では販売・サービス、専門技術職、学生の比率が高い。学歴では、短大・高専卒、高校在学中、大学・大学院在学中の比率が高い。居住年数は3年未満と短い方が強く、世帯収入は 500万〜1000万円程度の層の比率が非常に高い。

 若年層で高学歴ではなく、職業では事務・管理的な職業以外の職業であることが多い。

B.情報利便グループ

 性別では男性の比率が高く、年齢では20代〜40代の比率が高く、職業では事務職、管理職の比率が高く、学歴では大卒・大学院卒、大学・大学院在学中の比率が高い。居住年数では15年未満が多く、世帯収入では500〜1000万円未満、1000万円以上の2つの層で高い。

 換言すると、若年?壮年層の高学歴ビジネスマンが多く、ビジネスでインターネットを利用している人たちが多い。

C.非効用グループ

 性別では男性の比率が高く、年齢は40代〜50代で、職業は専門技術職、管理職に多い。学歴では大卒・大学院卒が多く、世帯収入では500〜000万円未満、1000万円以上が多い。換言すると、高学歴の男性熟年層が多く、インターネットの利便性を評価していない傾向から見ると、便利とは思わないが、勤務での立場上からインターネットを利用することを義務づけられている人々が多い可能性がある。

 それではこの3グループはインターネット利用面ではどの様な傾向を持っているのだろうか。以下では様々な利用に現れた傾向を見ていく。

b.インターネット利用目的と利用時間

 まず利用目的で見ると、グループ別には図3.3.2.3が得られた。ウェブコミュニティGでは約15%である仕事・勉強目的の利用は、情報利便Gでは約25%に、次いで非効用Gの37%に増加する。それと反対にプライベート・趣味の利用が減少している。したがってウェブコミュニティGはほとんどの人がプライベート・趣味利用であるが、非効用Gとなるとプライベート・趣味利用は半数近くに減少することが注目される。


図3.3.2.3 ウェブ効用グループ別のインターネット利用目的(日野)

 それではこのらの利用目的のために、どの程度の時間インターネットを利用しているのかを見ていく。インターネットの利用時間はほぼウェブとメールの利用時間の合計で計測されるであろう。その様に考えて、利用時間の差を見てみた。図3.3.2.4に毎週のウェブ利用時間を示す。

 3つのグループ間ではかなり大きい差があることが分かる。例えば週3時間以上の占める割合は、ウェブコミュニティGでは54%、情報利便Gでは34%、非効用Gでは15%である。急速に利用時間が減少していくことが分かる。そこで図3.3.2.4からそれぞれのグループの平均値を求めると、表3.3.2.2となる。ウェブコミュニティGは1時間強/日であり、情報利便Gは半分以下の30分弱/日、非効用Gは15分強/日である。

 なお同様な計算をメールについても行った結果も表3.3.2.2に示してある。メールでは読み書きする時間も入れている。メールの方はウェブほどには差はない。ウェブコミュニティGは27分/日、情報利便Gは22分/日、非効用Gは21分/日である。この2つの合計は、ウェブコミュニティGが88分/日、情報利便Gが51分/日、非効用Gは39分/日である。利用時間には2倍以上に異なり、ウェブコミュニティGのインターネット利用時間が大きいことが分かる。またメール利用時間には大した差はないので、主な差はウェブの利用で生まれていることが分かる。


図3.3.2.4  ウェブ効用グループ別のウェブ利用時間/週(日野)(χ2乗:***)

 次に図3.3.2.3を利用して、平均的な仕事時間の比率を推定する。仕事利用の比率を、「仕事が多い」は9割、「やや仕事が多い」は7割、「同程度」は5割、「ややプライベート・趣味が多い」は3割、「プライベート・趣味が多い」は1割とした。その結果も表3.3.2.2に示す。明確となった傾向は次の点である。

  1. 仕事・勉強関係でインターネットを利用する時間は、ウェブコミュニティGが最も長いが、大きい差があるわけではない。ウェブコミュニティGが28分/日であるのに対して、他のグループは同程度で2/3の水準にある。
  2. プライベート・趣味関係では、ウェブコミュニティGは断然長く、60分/日であるのに対して、情報利便Gは約半分の31分/日、非効用Gは約1/3の21分/日である。非常に大きい差が現れている。
  3. この様な傾向から、インターネット利用における利用感の主な差は、プライベート・趣味関連の利用で、かつウェブの利用が規定している。
表3.3.2.2  グループ別のインターネット利用時間
ウェブ時間/週 メール時間/週 合計時間/週 合計分/日 仕事分/日 プライベート分/日
ウェブコミュニティG 7.1 3.2 10.3 88 28 60
情報利便G 3.3 2.6 5.9 51 20 31
非効用G 2.0 2.5 4.5 39 18 21

c.ウェブ利用状況

 それではウェブ効用グループ毎にウェブの利用はどの様な状況にあるのだろうか。次には幾つかの側面からそれを見ていく。

 まず毎週定期的に訪れるHP数(ウェブサイト数)が幾つぐらいあるかについて、回答を集計した結果を図3.3.2.5に示す。同図によると、グループ間の差は歴然としており、例えば毎週4カ所以上訪れるサイトがある人は、ウエブコミュニティGでは48%、情報利便Gでは19%、非効用Gでは15%である。ウェブコミュニティGでは特に定期的に訪れるサイトが多く、ウェブでのコミュニティ形成の姿がうかがわれる。

 それではウェブ利用の内容はどの様になっているのだろうか。ここではコミュニティ的な利用として、掲示板の利用とチャットの利用について触れよう。まず掲示板閲読の時間について集計した結果を図3.3.2.6に示す。同図では、グループ別の閲読時間の相違は明らかである。ウェブコミュニティGは閲読時間が長く、次いで情報利便Gで、非効用Gは最も短い。この図から平均閲読時間を推定すると、ウェブコミュニティGは170分/週、情報利便Gは45分/週、非効用Gは39分/週である。


図3.3.2.5  ウェブ効用グループ別の定期的ウェブ訪問数/週(日野)(χ2乗:**)


図3.3.2.6  ウェブ効用グループ別の掲示板閲読時間/週(日野)(χ2乗:***)

 次に掲示板の書き込み時間について集計した結果が図3.3.2.7である。掲示板は読む人に比べて書き込む人はかなり減るが、グループ間の差は明確である。ウェブコミュニティGは時間が長く、非効用Gでは短い。ちなみに平均書き込み時間を推定すると、ウェブコミュニティGは38分、情報利便Gは17分、非効用Gは5分である。


図3.3.2.7  ウェブ効用グループ別の掲示板書き込み時間/週(日野)(χ2乗:*)

 さらにチャットの利用時間も調査している。チャットの利用者は掲示板書き込み者よりもさらに減少し、ウェブコミュニティGでは33%、情報利便Gでは8%、非効用Gでは15%である。それらの結果の図示は省略するが、グループ別の平均利用時間は、それぞれグループ順に52分、5分、4分である。ここでもウェブコミュニティGの利用時間が断然長い。

 これらの利用時間を表3.3.2.3に示す。最初にウェブ全体としての週あたりの利用時間を示している。次に掲示板利用の時間を、閲読と記入(書き込み)として記入し、次いでチャット利用時間を記載している。掲示板利用とチャット利用の合計を小計として示しているが、これはコミュニティ的なコミュニケーション時間と考えることが出来る。この時間はウェブコミュニティGが格段に長く、他のグループの4倍から5倍となっている。それに対して、ウェブ全体から小計を引いた残りの部分では、グループ間の差はそれほど大きくはない。大体1.5〜2.5倍である。

 この様に見てくると、ウェブコミュニティGでは長いウェブ利用時間の相当部分(約6割)がコミュニティ的なコミュニケーションで消費され、この時間がインターネットに伴うメディアの移行を作り出している源泉になっていることが分かる。これが小さい他のグループでは、メディアの移行の発生が少ないと考えられる。
 

表3.3.2.3  グループ別のウェブ利用時間
ウェブ全体 掲示板閲読 掲示板記入 チャット利用 小計 その他
分/週 分/週 分/週 分/週 分/週 分/週
ウェブコミュニティG 438分 170分 38分 52分 260分 178分
情報利便G 186 45 17 5 68 118
非効用G 120 39 5 4 49 71

d.ウェブの閲読傾向

 ウェブの利用時間が大幅に異なると言うことは、当然ウェブの見方にも様々な差があると思われる。本調査では、例えば「当初の用事が済むと閲読を止める」などの出現頻度を聞く方法で、ウェブの見方について調査している。その結果を図3.3.2.8に示す。


図3.3.2.8  ホームページの閲読傾向の平均値の分布
平均値の検定:*:Sig.≦0.05、***:Sig.≦0.001、****:Sig.≦0.0001

 グラフは全体がよくある順に上から並べている。傾向としては、上位には「理由があって見る」ことに関する設問が現れており、下位には「理由がなくても見る」ことに関する設問が現れている。次にグループ間の回答分布はどの設問も大きく分離しており、グループ間のHPの見方の差が極めて大きいことが分かる。

 まずウェブコミュニティGは概してどの場合も、出現頻度が高い。「h.欲しい情報があるとまずHPを見る」、「a.幾つかのページを習慣的に見る」などが高い。反対に非効用Gはどの場合も出現頻度が低い。「c.TVながら視聴のようにHPを見る」、「g.特にすることがないとHPを見る」が特に低い。ところで中間の情報利便Gを見ると、全体に中間に位置づけられているものの、上位ではウェブコミュニティGに近く、下位では非効用グループの方に近い傾向が見える。

 そこでこの8つの設問に対して因子分析を適用して、構造的な傾向を調べることにした。因子分析の結果を表3.3.2.4に示す。8つの変数は2つの因子に集約され、ここでは環境閲読度と用件閲読度と呼ぶこととする。この2つで分散の63%が再現されている。
 

表3.3.2.4  閲読傾向の因子分析結果
因子(平方和、寄与率) 対応する変数(係数の大きい順↓ → ↓)
第1因子 (3.29, 41.2%)
環境閲読度
c.ながら視聴のように見る  e.用事のついでに見る
g.特にすることがないと見る  a.幾つかのページを習慣的に見る
f.コンピュータを使うと何となく見る
◎ホームページをあたかも自分環境であるかのごとくに見る傾向
第2因子 (1.73, 21.6%)
用件閲読度 
d.用事が済むと閲読を止める  b.まず検索ページで面白いページを探す
h.欲しい情報があるとまず見る
◎用件があるとホームページで情報を探し、済むと止める傾向

(注)平方和と寄与率はバリマックス回転後の値である。寄与率の合計は62.8%である。

 そこでこの2つの軸上にウェブ効用グループを位置づけると、図3.3.2.9が得られる。同図によると、ウェブコミュニティGは用件閲読の因子スコアが0の付近にある(因子スコアは標準化データなので、0は標本の平均である)ので、用件閲読の度合は全サンプルの平均である。しかし環境閲読度は非常に強いものがある(元々の選択肢は「1.よくある」、「4.まったくない」であるから、因子スコアは負で絶対値が大きいほどに傾向は強くなり、正で絶対値が大きいほどに傾向は弱くなる)。すなわちウェブコミュニティGはホームページをあたかも環境のように見る、テレビのながら視聴のように見る傾向が顕著であることを示している。ホームページを見る時間の長さはこの様にして実現されている。

 これに対して情報利便Gは、環境閲読度は0に近いので平均的だが、用件閲読度は若干高い値である。用件があるとホームページを見て、用事が済むと見るのを止める見方をする。この様な見方をする限りでは、ホームページを見る時間は特に長くなるということは無い。


図3.3.2.9  HP閲読傾向の因子スコア平均値の散布図
平均値の分布は、縦方向も横方向もp≦0.0001で有意

 次が非効用Gであるが、これは環境閲読度、用件閲読度が両方ともに弱いと言う結果である。したがってホームページを見る時間は短くなるのは当然である。

e.インターネットの印象と利用満足度

 これまではウェブ効用グループ別にインターネットの使い方について説明してきたが、ここではこれらのグループがインターネットにどの様な印象を持っているのか、また利用満足度はどの様になっているのかを見ていく。

 調査では、1.親しみやすい←→親しみにくい、2.情報が正確←→情報が不正確、などのように対極の言葉をおき、その間を「1.左に近い」〜「5.右に近い」までの5段階に分けて回答を得る形式で、様々なメディアへの印象を調べている。ここではそのうちのインターネットに着目し、ウェブ効用グループ別に平均値を集計した。結果を図3.3.2.10に示す。なお設問項目は全体(n=502。図中には示していない)において1に近い評価の順に上から配列してある。またインターネットを利用していないグループの評価結果も参考のために記載している。これから次の点を知ることが出来る。

  1. ウェブコミュニティGはインターネットに対しては、最も好意的である。次が情報利便G、次が非効用Gの順である。この3グループは平均値で交わることはない。
  2. 情報利便Gは、得やすい、探しやすい、早い等の比較的上位の項目ではウェブコミュニティGに近いが、情報内容と正確性・信頼性などの下位の項目では非効用Gに近くなる。
  3. 非効用Gはインターネットに対しては好意的ではないが、その水準はほぼ非インターネット層と同程度である。特に情報内容には否定的な印象を持っている。


図3.3.2.10 インターネットの印象の平均値分布
平均値の検定:*:p≦0.05、****:p≦0.0001

 それではインターネットの利用満足度はどの様になっているのだろうか。図3.3.2.11に調査結果を示す。グループ別の相違は歴然としている。ウェブコミュニティGは実に9割弱が「満足」、「やや満足」であるが、情報利便Gでは7割弱となり、非効用Gでは3割弱となる。特に非効用Gでは、「どちらとも言えぬ」が6割弱と大きく、過半の利用者がインターネットのメリットを感じていない様子がうかがえる。なおこれらの利用満足度の調査結果は、図3.3.2.10の結果と対応するものとなっていると見ることが出来る。


図3.3.2.11  HP効用グループ毎のインターネット利用満足度(χ2乗:****)

f.グループの概要

 「a.グループの属性」のところでは、フェースシートの属性に基づくクロス集計により、ウェブ効用グループ毎の傾向をまとめてきた。ここではその後に述べたインターネットの利用特性の結果をまとめておく。

A.ウェブコミュニティG

 インターネットの利用目的では、8割前後の人がプライベート・趣味利用が多く、利用時間は平均でおよそ10時間/週に達する。定期的に訪れるウェブサイトの数は4.6個/週あり、コミュニティ的にウェブ上で通信するコミュニケーション時間は4時間40分/週に達する。ウェブを見る見方は常にウェブを見ようとする環境閲読指向である。ウェブの印象は様々な面で好意的であり、インターネットの利用満足度は最も高い。

 これらの傾向を見ると、インターネットにはまり込んで、人間関係を変えるくらいまでそのメリットを享受している人たちと見ることが出来る。

B.情報利便G

 インターネットの利用目的では、プライベート・趣味利用が多いのは7割前後とAの場合より若干減少し、利用時間は平均でおよそ6時間/週に減少する。定期的に訪れるウェブサイトの数は2.2個/週で、コミュニティ的にウェブ上で通信するコミュニケーション時間は70分/週程度である。ウェブを見る見方は用件があるとウェブを見る用件閲読指向である。ウェブの印象はAの場合よりも好意的な度合が低下する。インターネットの利用満足度もAよりも低下する。

 これらの傾向を見ると、インターネットにおける情報利用の利便性を評価し、機能的に便利な手段としてインターネットを使いこなしている人たちと見ることが出来る。

C.非効用G

 インターネットの利用目的では、プライベート・趣味利用が多いのは55%前後とBの場合よりさらに減少し、利用時間は平均でおよそ4.5時間/週である。定期的に訪れるウェブサイトの数は1.3個/週とさらに減少し、コミュニティ的にウェブ上で通信するコミュニケーション時間は50分/週程度である。ウェブを見る見方は用件閲読指向も環境閲読指向も弱い。ウェブの印象はBの場合よりも好意的な度合がさらに低下し、非インターネット利用者とほぼ同じ水準にある。インターネットの利用満足度は最も低い。

 このグループは高学歴・高収入の40代〜50代の専門職・管理職が多いことを勘案すると、本来なら使いたくないのだが、勤務の立場上からインターネットの理由を迫られており、抵抗を伴いながらも使っている人たちと見ることが出来る。

 ちなみにインターネット非利用者は女性が多く、年齢では50代以上、職業は専業主婦、学歴は中卒・高卒が多い。この非利用者に非効用グループを合体すると、男女比率はほぼ等しくなる。本来なら利用していないが、何らかの理由で利用を迫られる人々である可能性が強い。



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