開催にあたって
東南アジアに位置するタイ王国(Kingdom of Thailand)は、約800年に渡る長い歴史を有する立憲君主制国家で、仏教を中心とした独自の文化を持ち、その伝統は教育の分野にも色濃く反映されており、非常に興味深いものがあります。
初等・中等教育の各教科の教科書の随所に「タイ人らしさ(クワームペン・タイ)」として、タイの歴史や文化、仏教規範に関わる伝統的価値に根差したタイ国民育成のための教育内容が目を引く一方、近年では、「国際性(クワームペン・サーコン)」の育成として、グローバリゼーションが強く意識されるようになり、情報化や環境、テクノロジーなどの変化に柔軟に対応できる、国際的競争力を身につけた「新しいタイ人」の育成が喫緊の教育課題として強調されるようになっていることがうかがえます。
なお、今回の「タイの教科書展」における各教科書の翻訳は、大久(おおひさ)珠緒先生(本学非常勤講師)、そのご友人で、タイ語の先生でもあるDr.Sumeht先生、および、 Mr.Krit Kijsumritroj氏らによるひとかたならぬお力添えを得て実現いたしました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
2008年11月