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3.3 多機能派とシンプル派

 今回の調査では新しい機種を買う際に重要視した点も聞いている。一番多かったのは「使いやすさ」でほぼ半数の人が答えていた。また、「デザイン」も約47%の人が答えている。また、約36%の人が「多機能」、約33%の人が「新しいもの」約25%の人が「高性能さ」と答え、多くの人が、新しい、高性能の多機能携帯電話を望んでいることが分かる。またしかし、逆に「シンプルさ」を重要視している人も約2割もいるのは興味深い。

※1多機能=カメラやJAVA機能などが付いているもの
※2相手の機種との互換性=知り合い(家族・友人など)の携帯電話と動画や絵文字などが交換できるもの

 上記の結果を踏まえ、多機能志向派(以下多機能派)とシンプル志向派(以下シンプル派)に調査対象者を分けてみることにした。
 多機能派とシンプル派の位置付けについてはこうだ。

表3−5.多機能派とシンプル派の位置付け
多機能派

使い勝手よりは色々な機能が充実している方を選ぶ。
買い換える際はその時の最新機種に飛びつく。=価格は高めでもかまわない

シンプル派

最新機種・多機能部分にはあまり興味を示さない。
機能の充実よりも使いやすさや値段を選ぶ。
※次のヴァージョンの携帯電話が出ることによってそれ以前のヴァージョンの商品は価格が落ちる。

 上記の図3‐7の一部の回答をグループ化し、「多機能派」と「シンプル派」に分ける。

表3−6.多機能派・シンプル派の成分
多機能派 新しいもの・高性能・多機能
シンプル派 シンプルさ・価格の安さ

 この回答の多機能派の項目とシンプル派の項目をいくつずつ答えたかを数値化し、多機能派の項目のみを答えた人を「多機能派」、シンプル派の項目のみを答えた人を「シンプル派」と位置付けた。

多機能派:39人   シンプル派:24人  両派未選択:18人  両派選択:20人

 グループ化することにより、行動の違いが見えてきた。

 これを先ほど分けたものと掛け合わせてみる。
 a・b・c共に多機能派が「ある」に傾き、シンプル派が「ない」に傾いている。
 また、両派選択・未選択の層は質問によって違いは出てきているものの、多機能派とシンプル派の間に位置し、両派を選択した方が多機能派に近い傾向を持ち、両派共に未選択だとシンプル派に近い数値になっている。

 また、これは情報の活用の仕方にも表れている。まず、全体の傾向から見てみると、常日頃からインターネットに慣れ親しんでいる文教大学生が調査対象になっていることもあり、約8.5割もの人がインターネット検索サイトを利用している。

 これを機能志向別に分けてみると、シンプル派の方が多機能派に比べ色々な種類の情報源を数種類に渡り活用していることが分かる。

 これは、シンプル派の方が新商品の良いところだけでなく悪い所なども調べていけて、自ら評価できると推測でき、流行に流されることなく、自分に合った商品を探し出すことが上手いのではないかと考えることが出来る。
 また、3.2で分けたカメラ使用度別層と掛け合わせた結果をみてもらいたい。

 どの層もカメラ使用は2割以下になっていて、買う際に機能を気にして買っていても使用面にはあまり表れていないことが分かる。また、シンプル派はカメラなしと答える人が約半数に上っていて買う際の機能志向性がここに表れている。

 以上の結果を見ると、多機能派は流行に敏感で周りの動向に関心を持つ傾向が強く、逆にシンプル派は周囲に流されず自分の考えで行動する傾向が強いことが伺えるだろう。

 

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